スパークスの厳選投資、ニッセイAMのげんせん投信に並んで、厳選の名前を付けている
大和住銀の日本株厳選ファンド。円建てだけでなく、為替取引をするブラジルレアル、
豪ドル、アジア3通貨、米ドル、メキシコペソ、トルコリラの7本が用意されています。

円以外の通貨ですと、為替の影響を大きく受けますので、ファンド本来の収益力を
分析するという意味でも、今日は、純資産残高が一番多い円コースと中心に
日本株厳選ファンドの評判や今後の見通しについて徹底分析していきます。

日本株厳選ファンドの基本情報

投資対象は?

投資対象は主として、日本の株式で割安と判断される魅力的な銘柄を厳選して投資していきます。
組入銘柄数は51銘柄となってり、上位銘柄は以下のようになっています。
基本的には大型銘柄が中心にポートフォリオになっているようです。

※2018年10月時点

仕組みは?

円コース以外の通貨選択型の場合は、単純にファンドの価値が増減する以外にも、
金利差による収益や、為替差益(円安)による収益も絡んできます。

収益を得られるのは、①株価の上昇②金利差相当分(プレミアム)の収益③為替差益
の発生の3パターンがあると思っておいてください。

トルコリラなどは年利10%とかなり高いため、販売員の巧妙なトークで買わされてしまう人も
多いのですが、私個人としては、通貨選択型はあまりおすすめしません。

もし、本当に為替益を得たいのであれば、自分でトルコリラを買ったほうがはるかにお得です。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

日本株厳選ファンドは、現在、約860億円となっています。毎月分配型は風当たりが強い
という点と、直近で分配金を減額したのが影響しているようです。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

日本株厳選ファンドの実質コストは1.722%とかなり高くなっています。
購入時手数料と併せて、初年度は5%以上かかりますので、積極的にはお勧めできません。

購入時手数料 3.78%(税込)
信託報酬 1.719%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.722%(概算値)

※第82期 運用報告書より(決算日2018年4月10日)

日本株厳選ファンドの評価分析

基準価額の推移は?

現在の日本株厳選ファンドの基準価額は直近3年間で30%ほど下落しています。
これはファンドの収益力に対して、過剰な分配金を出している結果と言えます。

分配金再投資の基準価額(青線)を見てみると、2018年1月末の市場の大暴落に対して、
まだ当時の水準まで戻せていないことを考えると、そこまで運用がうまく行っている
印象はありません。

利回りはどれくらい?

日本株厳選ファンドの直近1年間の利回りは+3.90%となっています。

3年、5年平均利回りでは7%を超えてきており、悪くないように見えますが、
カテゴリーランキングを見ると下位1割に居続けていますので、
高いパフォーマンスになっているとは言い難いですね。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法


※2018年10月時点

四半期別のパフォーマンスは?

日本株厳選ファンドの四半期別のパフォーマンスを見てみましょう。
パッと見ると、悪くないように見えますが、さきほどのカテゴリーランキングでも
見たように他のファンドのほうがはるかに高いパフォーマンスを出しているので、
安易に選択しないようにしてください。

他ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドへの投資を検討するのであれば、低コストのインデックスファンドよりも
パフォーマンスが優れていなければ、高いコストを支払う意味がありません。

そこで今回は、日本株厳選ファンドと、ニッセイ日経225インデックスファンドを
比較してみました。

一目でわかりますが、ニッセイ日経225インデックスファンドのほうがはるかに
高いパフォーマンスとなっています。

これでは、日本株厳選ファンドに投資をする理由がないですね。

分配金の推移は?

つづいて日本株厳選ファンドの分配金の推移を見ていきましょう。

分配は2016年から毎月150円が続いていましたが、ついに分配金が75円に引き下がりました。
分配金余力が50カ月ほどあったので、減額されることはないと思っていましたが、
基準価額に対する分配金の割合を示す分配金利回りが20%近くになっており、
ファンドの収益力をはるかに上回っていたため、調整したものと思われます。

評判はどう?

日本株厳選ファンドの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している人が多い
ということなので、評判が良いということです。

日本株厳選ファンドは2016年まで毎月250円の分配があり、かなり注目を集めましたが、
分配金が減額されるにつれて、資金流出が続いており、直近は少し流入がプラス
といった状態です。

ただ、10月に分配金が半額に減額されましたので、ここからは資金の流出が続くと思います。

日本株厳選ファンドの今後の見通し

厳選ファンド単体で見ると、優れたパフォーマンスを残せているわけでもなく、
今後もぼちぼちのパフォーマンスにしかならないでしょう。

実際、さきほど例に挙げたようにニッセイ日経225インデックスファンドと比較しても
はるかにパフォーマンスで負けてしまっています。パフォーマンスで負けているわけでなく、
購入時手数料も取るわけですから、地獄ですね。

円コース以外の通貨を選択している場合、プレミアムと為替差益で円コース以上のプラス
になる可能性はありますが、大きく負ける可能性もあります。

正直、投資初心者が為替益も狙って、トルコリラコースやブラジルレアルコースを
選択するのは、ただの博打でしかないので、絶対やめたほうがよいと思います。