スパークスの厳選投資、ニッセイAMのげんせん投信に並んで、
厳選の名前を付けている大和住銀の日本株厳選ファンド。

円建てだけでなく、為替取引をするブラジルレアル、豪ドル、
アジア3通貨、米ドル、メキシコペソ、トルコリラの7本が用意
されており、ファンドの運用益だけでなく為替益も狙っていく
ファンドになっています。

今日は、純資産残高が一番多い円コースと中心に、他のコースの
パフォーマンスとも比較しながら、日本株厳選ファンドの評判や
今後の見通しについて徹底分析していきます。

日本株厳選ファンドの基本情報

投資対象は?

日本株厳選ファンドの投資対象は主として、日本の株式で割安と
判断される魅力的な銘柄を厳選して投資していきます。

組入銘柄数は51銘柄となっており、上位銘柄は以下のようになっています。
基本的には大型銘柄が中心にポートフォリオになっているようです。

※引用:マンスリーレポート(2018年12月)

仕組みは?

円コース以外の通貨選択型の場合は、単純にファンドの価値が
増減する以外にも、金利差による収益や、為替差益(円安)に
よる収益も絡んできます。

収益を得られるのは、①株価の上昇②金利差相当分(プレミアム)
の収益③為替差益の発生の3パターンがあると思っておいてください。

トルコリラなどは年利10%とかなり高いため、販売員の巧妙な
トークで買わされてしまう人も多いのですが、私個人としては、
通貨選択型はあまりおすすめしません。

もし、本当に為替益を得たいのであれば、自分でトルコリラを
買ったほうがはるかにお得です。

※引用:交付目論見書

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金
の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

日本株厳選ファンドは、現在、約800億円となっています。
毎月分配型は風当たりが強いという点と、直近で分配金を減額した
のが影響しているようです。

※引用:マンスリーレポート(2018年12月)

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

日本株厳選ファンドの実質コストは1.721%とかなり高くなっています。
購入時手数料と併せて、初年度は5%以上かかりますので、積極的には
お勧めできません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.78%(税込)
信託報酬 1.719%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.721%(概算値)

※第88期 運用報告書より(決算日2018年10月10日)

実質コストを加味しても、日本株厳選ファンドよりはるかに優れた国内大型株式ファンドランキング

日本株厳選ファンドの評価分析

基準価額の推移は?

現在の日本株厳選ファンドの基準価額は直近3年間で40%ほど下落
しています。

これはファンドの収益力に対して、過剰な分配金を出している結果
と言えます。

分配金再投資の基準価額(青線)を見てみると、2018年は下落
トレンドが続いており、回復する兆しが一向にみられません。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

日本株厳選ファンドの直近1年間の利回りは▲13.26%となっています。

3年平均もマイナスになっており、5年平均利回りだけ4%のプラスです。
同カテゴリーランキングを見ると下位1割に居続けていますので、
高いパフォーマンスになっているとは言い難いですね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲13.26% 96%
3年 ▲0.39% 81%
5年 4.18% 83%
10年

※2018年12月時点

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅を知るうえで役に立ちます。

日本株厳選ファンドの標準偏差を見てみると、上位にランクイン
しているときもあれば、平均以下となっているときもあります。

どちらにしても、パフォーマンスが全くダメなので、これでは
投資する気になれません。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 14.65 62%
3年 14.48 16%
5年 15.62 38%
10年

※2018年12月時点

年別のパフォーマンスは?

日本株厳選ファンドの年別のパフォーマンスを見てみましょう。

パッと見ると、悪くないように見えますが、さきほどのカテゴリー
ランキングでも見たように他のファンドのほうがはるかに高い
パフォーマンスを出しているので、安易に選択しないように
してください。

年間利回り
2018年 ▲4.89(9月末時点)
2017年 20.44%
2016年 ▲1.23%
2015年 5.82%
2014年 9.07%

※2018年12月時点

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他ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドへの投資を検討するのであれば、低コストの
インデックスファンドよりもパフォーマンスが優れていなければ、
高いコストを支払う意味がありません。

そこで今回は、日本株厳選ファンドとインデックスファンドの
代表格であるニッセイ日経225インデックスファンドを比較してみました。

一目でわかりますが、ニッセイ日経225インデックスファンドのほうが
はるかに高いパフォーマンスとなっています。

これでは、日本株厳選ファンドに投資をする理由がないですね。


※引用:モーニングスター

また、日本株厳選ファンドの円コース以外のパフォーマンスが
どうなっているのか気になる人も多いと思いますので、それぞれ
のコースを比較してみましょう。

一番パフォーマンスが良かったのは、ブラジルレアルコースですが、
良いと言ってもたいした利回りになっていません。

それよりも他のファンドが軒並み悲惨な結果となっていることに
注目すべきでしょう。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

投資を検討するうえで、最大どの程度下落する可能性があるのかは
事前にある程度把握しておきたいところです。

もちろん、標準偏差からある程度予測することはできますが、
実際にどれくらい下落したことがあるのか確認するのは参考になります。

日本株厳選ファンドの最大下落率は、2015年7月~2016年6月の1年間で、
最大▲24.92%の下落を記録しています。

基本的には長期保有をすればプラスのリターンが出ていますが、
ただし、何も考えず保有し続けるのは厳禁です。

考えなしの長期保有が自分の首を絞める理由とは?

期間 下落率
1カ月 ▲12.00%
3カ月 ▲17.01%
6カ月 ▲19.64%
12カ月 ▲24.92%

※2018年12月時点

分配金の推移は?

つづいて日本株厳選ファンドの分配金の推移を見ていきましょう。

分配は2016年から毎月150円が続いていましたが、ついに分配金が
75円に引き下がりました。

分配金余力が50カ月ほどあったので、減額されることはないと
思っていましたが、基準価額に対する分配金の割合を示す分配金
利回りが20%近くになっており、ファンドの収益力をはるかに
上回っていたため、調整したものと思われます。

どちらにしても、ファンドの収益以外で分配金の大半が賄われており、
かなりひどいタコ足配当となっていることがわかりますね。

分配金 当期収益以外 繰越対象額
83期 150円 130円 7,414円
84期 150円 138円 7,276円
85期 150円 141円 7,135円
86期 150円 138円 6,996円
87期 150円 142円 6,854円
88期 75円 57円 6,798円

評判はどう?

日本株厳選ファンドの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法
もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の
資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入して
いる人が多いということなので、評判が良いということです。

日本株厳選ファンドは2016年まで毎月250円の分配があり、かなり
注目を集めましたが、分配金が減額されるにつれて、資金流出が
続いており、直近は少し流入がプラスといった状態です。

10月に分配金が半額に減額されましたので、予想通り資金が流出しました。
ただ思ったよりは影響が小さかったようです。


※引用:モーニングスター

日本株厳選ファンドの今後の見通し

厳選ファンド単体で見ると、優れたパフォーマンスを残せている
わけでもなく、今後もぼちぼちのパフォーマンスにしかならないでしょう。

実際、さきほど例に挙げたようにニッセイ日経225インデックス
ファンド
と比較してもはるかにパフォーマンスで負けてしまっています。

パフォーマンスで負けているわけでなく、購入時手数料も取るわけ
ですから、地獄ですね。

円コース以外の通貨を選択している場合、プレミアムと為替差益で
円コース以上のプラスになる可能性はありますが、大きく負ける
可能性もあります。

正直、投資初心者が為替益も狙って、トルコリラコースやブラジル
レアルコースを選択するのは、ただの博打でしかないので、絶対
やめたほうがよいと思います。

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