金利上昇、法人税減税、金融規制緩和と米国の銀行を取り巻く環境が変化する中、
地方銀行の魅力が高まっています。

直近では、米中貿易摩擦に端を発する不安が広がっていますが、地本銀行は
国内ビジネスがメインのため、グローバルにビジネスを展開している都市銀行と
比べて影響を受けにくいというメリットがあります。

そんな米国の地方銀行をメインの投資対象としているファンドが、
マニュライフ米国銀国株式ファンド『愛称:アメリカン・バンク』です。

今日は、アメリカン・バンクについて徹底分析していきます。

マニュライフ米国銀国株式ファンド『アメリカン・バンク』の基本情報

投資対象は?

アメリカン・バンクは、主として米国の銀行・金融機関の株式に投資をします。
銀行の資本構成、資産の質、経営陣の能力、収益率などを精査し、中長期的に
成長が見込める企業を選定します。

業種別の構成比率を見てみると、地本銀行が84%とかなりの割合を占めている
ことがわかります。


※2018年10月時点

現在の組入銘柄数は117銘柄となっており、組入上位銘柄を見てみると、
3位にJPモルガン、5位にバンクオブアメリカなど、有名どころの都市銀行も
ランクインしています。

運用会社は?

実質的な運用はマニュライフ・アセット・マネジメントが行います。
マニュライフと聞くと、生命保険をイメージされる方も多いかと思いますが、
カナダ・米国・アジアを中心に資産運用サービスも提供しています。

日本国内ではファンド設定来の年数がまだ数年ですが、アメリカン・バンクと
同じ運用戦略は米国ですでに30年超の運用実績があり、高いパフォーマンスを
残しています。

純資産総額は?

続いて、アメリカン・バンクの純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで売買できなかったり、
コストが嵩みますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

アメリカン・バンクの純資産総額は、現在480億円程度です。
基準価額の上昇に連動するように純資産を伸ばしていることがわかりますね。
規模としては、まったく問題ありません。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

アメリカン・バンクの実質コストは1.9788%と カテゴリー内では割高です。
購入時手数料も3.24%かかりますので、普通であれば、まず投資をしてはいけない
ファンドです。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.836%(税込)
信託財産留保額 0.2%
実質コスト 1.9788%(概算値)

※第11期 運用報告書(決算日2018年7月20日)より

マニュライフ米国銀国株式ファンド『アメリカン・バンク』の評価分析

基準価額の推移は?

アメリカン・バンクの基準価額は、2016年末に+50%ほど上昇し、その後は、
緩やかに下落しています。

分配金を再投資した場合の分配金再投資基準価額(青線)を見ると、
一応右肩上がりに成長しているので、ファンド自体のパフォーマンスは
プラスであることがわかります。

利回りはどれくらい?

アメリカン・バンクの利回りを見てみましょう。直近1年間の利回りは
+7.17%となっています。カテゴリーランキングでは下位3割に入っており、
決して優れたパフォーマンスを残せているとは言えない状況です。


※2018年10月時点

四半期別のパフォーマンスは?

アメリカン・バンクの四半期別のパフォーマンスを見てみましょう。
毎年プラスのリターンを出して終わっているのはプラスの評価ができますね。
ただ、2018年はこのままいくと、大した成果は得られないでしょう。

S&P500とのパフォーマンスの差は?

アクティブファンドに投資をするのであれば、インデックスファンドとの比較は
事前にしておいて損はありません。

アメリカン・バンクはテーマ型ファンドなので、比較対象が全く同じという
わけではありませんが、ここは米国を代表する指数であるS&P500と比較してみましょう。

直近1年間のパフォーマンスを見てみると、S&P500のほうが、明らかに優れている
ことがわかります。

ですので、アメリカン・バンクが今後、圧倒的に成長するという確信がない限りは、
S&P500に連動するインデックスファンドに投資をしておけば十分です。
あえて、高い販売手数料と信託報酬を支払うのももったいないです。

分配金の推移は?

アメリカン・バンクは、1、4、7、10月に分配金を出しており、2017年は2000円、
2018年は現時点で1100円の分配がされています。

分配金はファンドの収益力と直接関係がありますので、2019年以降の分配金は
かなり減る可能性が高いですね。

評判はどう?

アメリカン・バンクの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけアメリカン・バンクを購入している人が
多いということなので、評判が良くなっているということです。

アメリカン・バンクは2017年以降、資金が流入超過となっている月が多く、
評判は悪くないことがわかります。

マニュライフ米国銀国株式ファンド『アメリカン・バンク』の今後の見通し

米中貿易摩擦だけにとどまらず、トランプリスクというのは常に存在していますが、
それでも金利上昇、法人税減税、金融規制緩和と米国の銀行を取り巻く環境が
変化する中で、地方銀行にとっては追い風が吹いているのは間違いないと思います。

ただ、さきほど比較をしてみたように、S&P500と比較してみると、パフォーマンス
ではS&P500に負けてしまっているような状況です。

確かに、環境が好転しているかもしれませんが、高い販売手数料と信託報酬を支払う
割には、そこまで優れたパフォーマンスが残せていないのが現状です。

何か相当な根拠がないかぎりは、低コストのS&P500連動型のインデックスファンドに
投資をすれば十分だと思います。