大和住銀投信投資顧問が運用するメキシコ債券オープン(毎月分配型)
(愛称:アミーゴ)。

新興国債券の高い利回りと毎月の分配金を目当てに、投資家が集まって
いるわけですが、そうそう運用がうまくいくものではありません。

とは言っても、現状400億円程度の純資産総額となっており、
一定数の人気はあることがわかります。

今日は、このアミーゴについて徹底的に分析していきます。

メキシコ債券オープン(毎月分配型)『アミーゴ』の基本情報

投資対象は?

メキシコ債券オープン『アミーゴ』の投資対象はメキシコペソ建ての
国債・政府機関債・国際機関債を中心に投資します。

組入銘柄の上位を見てみると、メキシコ国債で占められており、
実質メキシコ国債に投資をするようなイメージを持っておけば
いいでしょう。

債券ファンドに投資をするときは、まず元本や利息の支払いが滞る
可能性をはかるため格付をチェックしますが、メキシコ国債は
ムーディーズの格付でA-の評価を得ており、投資適格債とみなされて
いるので、デフォルトリスクはほぼないと考えてよいです。


※引用:マンスリーレポート

新興国債券への投資で注意しなければならないのが、為替リスクです。
債券の利回りが高いということはその分、為替の変動が大きいという
ことなのですが、ここ6~7年で30%ほど円高が進行しています。

これはつまり、30%分ファンドのパフォーマンスが悪化したという
ことなので、いかにインパクトが大きいかわかりますね。

運用の特徴は?

メキシコ債券オープン『アミーゴ』は投資対象が国債のためバイアンド
ホールド(買ったら、償還まで持ち切り)をしているかと思いきや、
どの期も大きな売買損益を計上しています。

ここから、ポートフォリオ全体のデュレーション(投資回収期間または
金利に対する感応度)を一定度にコントロールしようとしていることが
分かります。

後述するメキシコの金利見通しを考えると、概ね5年から6年の中期ゾーンを
ターゲットにしているのでしょう。ポートフォリオは7%台の利回りで設計
されていますね。

また、通常、海外資産に投資するファンドである場合、運用の外部委託を
行いますが、このファンドはシンプルな運用方針から、大和住銀が自社で
運用を行っているのも特徴のひとつです。

為替ヘッジは行っていませんので、パフォーマンスの源泉はクーポン、
償還または売却差損益、為替差損益となります。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

メキシコ債券オープン『アミーゴ』の純資産総額は現在、400億円程です。

純資産の規模としては、まったく問題ないレベルとなっています。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

アミーゴの実質コストは1.357%となっており、同カテゴリーの中では、
平均より低い水準です。とは言っても、まだこのコストでは高すぎますね。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.3392%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.357%(概算値)

※引用:運用報告書(2019年5月22日)

まだアミーゴに投資しているの?アミーゴよりはるかに優れたアクティブファンド特集

メキシコ債券オープン(毎月分配型)『アミーゴ』の評価分析

基準価格をどう見る?

メキシコ債券オープン『アミーゴ』の基準価額は直近3年間で
約20%ほど下落しています。

分配金を受け取らずに運用をした場合の基準価額(青)は
3年間で7000円~7500円で推移しており、あまり変化して
いません。

それでも基準価額が下落しているということは、収益以上の
分配が行われているということです。直近は分配金の額を
下げたため、横ばいで推移していますね。


※引用:モーングスター

利回りはどれくらい?

メキシコ債券オープン『アミーゴ』の直近一年間の利回りは+7.24%と
なっています。同カテゴリー内では平均的な水準であり、3年平均、
5年平均でみると、下位2割に入ってしまうパフォーマンスです。

これでは積極的に投資をしようとは思いませんね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 +7.24% 52%
3年 3.13% 85%
5年 ▲3.46% 83%
10年

※2019年7月時点

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、メキシコ債券オープン
『アミーゴ』の基準価額のブレの大きさを知るには役立ちます。

標準偏差が16というのは、日経225に連動するインデックスファンドや
MSCIコクサイに連動する先進国株式インデックスファンドと同じレベルの
基準価額の変動幅です。

つまり株式ファンド並みにブレが大きいにもかかわらず、前述したような
パフォーマンスしか残せていないということです。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 14.67 40%
3年 15.25 58%
5年 14.67 38%
10年

※2019年7月時点

年別のパフォーマンスは?

メキシコ債券オープン『アミーゴ』の年別のパフォーマンスも見て
みましょう。

プラスのリターンの年もありますが、マイナスリターンの年の
マイナス幅が大きく、5年間のトータルリターンも10%以上の
マイナスとなっています。

このようなパフォーマンスで過剰な分配を続けているわけですから
恐ろしいですね。

年間利回り
2019年 +8.04%(1-6月)
2018年 +0.14%
2017年 +6.52%
2016年 ▲22.12%
2015年 ▲11.85%
2014年 +10.78%

※2019年7月時点

最大下落率は?

メキシコ債券オープン『アミーゴ』に投資をする前に、最大でどの程度
下落する可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここでメキシコ債券オープン『アミーゴ』の最大下落率を
見てみましょう。

最大下落率は1年間で▲28.16%となっています。債券ファンドでここまで
大きいとそもそも期待しているリスクにズレがある場合が多いと思います。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲9.08%
3カ月 ▲15.23%
6カ月 ▲19.88%
12カ月 ▲28.16%

※2019年7月時点

分配金の推移と分配金余力は?

メキシコ債券オープン『アミーゴ』は、2016年後半までは120円/月の
分配金がありましたが、2016年末に60円/月に減額さ、2019年からは
毎月30円に減配されています。

減配されたことにより分配金余力が50カ月程度に伸びましたので、
すぐに減配されることはないと思います。

ただし、いまだにファンドの収益力に対して、分配金利回りが
高すぎるため、今後も基準価額の下落は続きますし、注意は
必要です。

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
79期 60円 30円 1,537円
80 60円 4 1,533円
81 30円 1 1,532円
82 30円 3 1,529円
83 30円 1 1,529円
84 30円 5円 1,524円

評判はどう?

メキシコ債券オープン『アミーゴ』の評判を知りたいときに、
ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を
知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを
購入している人が多いということなので、評判がいいということです。

月次の資金流出入額を見ると、2017年に大きく資金流入しており、
一時的に人気が出ました。これは、運用実績が良かったことによる
一時的な資金流入です。

今年に入ってからは当然ですが、資金流出が続いており、評判は
よくありません。


※引用:モーニングスター

メキシコ債券オープン(毎月分配型)『アミーゴ』の今後の見通し

メキシコ国債はムーディーズでA3格(安定的)、フィッチでBBB+(安定的)の
格付けを得ており、デフォルトリスクは極めて低いと考えられます。

従って、メキシコ債券オープン『アミーゴ』の今後のパフォーマンスで
気にするべきはメキシコの金利情勢と為替レートの動向でしょう。

ここ数年、主要産業である原油の価格下落とNAFTA脱退騒動のため
メキシコペソは大きく下落しましたが、これらの懸念事項が後退したことと
メキシコ中央銀行の相次ぐ利上げにより、メキシコペソ相場は
比較的安定感を取り戻しつつあります。

問題は、金利です。

メキシコ当局は自国通貨安を嫌気する立場が明確であることと、
メキシコ経済そのものが比較的好調のため、今後も政策金利引き上げは
相次ぐものと考えられます。

これは、債券価格の下落要因です。

なお、アメリカとの国境に壁を建設するだの、メキシコからの
輸入品20%の関税を課すだの、トランプ大統領が提唱している
子供じみた外交政策が現実的ではないことは誰の目にも明らか
になりつつあるため、こちらは放念して良いのではないかと思います。

よって、今後の「アミーゴ」は、現状比で為替要因でプラス、
債券価格でマイナス、インカムゲインでプラスになるものと考えられます。

あとはファンドマネージャーの腕次第であり、さらに言うと高額な手数料と
過剰な分配をどのように是正するかといったところでしょうか。

まとめ

メキシコ国債は投資対象として魅力的だと思いますが、やはり
「アミーゴ」のようなコストと毎月分配型である点は嫌気すべきです。

したがって、本ファンドへの投資はあまりおすすめできません。

個人でも購入可能な新発メキシコ国債の税引前利率が概ね6.5%から7.5%であることを
考慮すると、購入時の為替コスト(基準為替レートにプラスマイナス10銭から20銭)を
加味しても、メキシコ国債をファンドで保有する理由は思いつきません。

メキシコ国債を直接購入して保有していた方がコストもリスクも少なくなると考えられます。

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