「下落率が決まっている」「リスクに合わせて自動で資産調整」
という耳ざわりのよい言葉を並べて、投資初心者から資金を集めて
いるアムンディ・ジャパンのダブルウォッチ。

プロの目線で見ると、色々と落とし穴があるのですが、今日は
その点も含めて、アムンディ・ダブルウォッチを徹底的に分析していきます。

アムンディ・ダブルウォッチの基本情報

投資対象は?

投資対象は世界の株式、債券および短期金融資産など、様々な
資産への資産配分を機動的に行い、安定的な収益の獲得を目指します。

債券と短期金融資産で80%超、株式で20%弱となっており、
かなり守りの運用となっていることがわかります。


※引用:マンスリーレポート

組入銘柄を見てみると、現在20銘柄で構成されており、
上位の銘柄はほぼ債券のETFで構成されています。


※引用:マンスリーレポート

運用の特徴は?

アムンディ・ダブルウォッチの運用の特徴は大きく2つあります。

1つ目はフロア水準です。

これは、運用上、基準価額がこの水準を下回らないように目標と
される基準です。

フロア水準は、基準価額の最高値の90%になるように設定されており、
一度上昇したフロア水準は下がりません。

現在のフロア水準は9433円となっており、もし基準価額がこの金額が
以下になると強制的に償還されます。

自分の資産の最大下落率を▲10%に調整できるというのは魅力的です。


※引用:交付目論見書

そして、2つ目が資産配分の調整です。

これは、基準価額とフロア水準の差及び、経済環境の見通しを
考慮して、資産配分の調整を行います。

フロア水準との差が大きく、経済環境も良好なときは株式比率を
高め、フロア水準との差が小さく、経済環境が芳しくないときは、
短期金融資産等の比率を高めるというものです。

これは一見すると、メリットのように見えますが、大きく
基準価額が下落したときに、リスク資産の割合が下がりますので、
元の水準に戻すのに相当の時間を要することになり、メリットとは
言い難いのが正直なところです。


※引用:交付目論見書

純資産総額は?

続いて、アムンディ・ダブルウォッチの純資産総額はどうなって
いるか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができず損失を出してしまったり、監査費用などの
ファンドの運用で必ず発生するコストの占める割合が高くなって
しまうため、思った以上に実質コストが高くなってしまっている
ことがあります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

アムンディ・ダブルウォッチはすでに1380億円ほど集まっているので
規模としては、全く問題ありません。

フロア水準が思った以上に上がらないことに失望した投資家が
少しずつ解約しています。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

アムンディ・ダブルウォッチの実質コストは1.343%となっており、
一見安く見えますが、低コストのETFを買っていることから考えると、
決して安いとは言えません。

むしろ、もっと安くしてほしいところです。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.16%(税込)
信託報酬 1.296%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.343%(概算値)

※引用:第3期 運用報告書(決算日2018年9月5日)

アムンディ・ダブルウォッチの評価分析

フロア水準の推移は?

アムンディ・ダブルウォッチのフロア水準は、現在9433円ですが、
2018年1月末の市場の大暴落以来、同じ水準を保っています。

これはリスク回避の動きが強く、債券と短期金融資産の比率が
高いため、基準価額が上昇しないことが原因です。

直近、株式市場が大きく下落しており、基準価額も下落したので、
フロア水準があがるのはなおさら難しくなっています。


※引用:マンスリーレポート

基準価額をどう見る?

アムンディ・ダブルウォッチの基準価額は現在、10063円と
なっており、2018年1月末の暴落に続き、10月の暴落で2段階
大きく下落しています。

2016年末の下落については、2017年の株式市場が好調だったこと
からも半年程度で、高値を更新できましたが、市場環境も不透明に
なってきているので、高値を更新するのは時間がかかりそうです。


※モーニングスター

利回りはどれくらい?

アムンディ・ダブルウォッチの直近1年間の利回りは
▲4.04%となっています。

特徴の1つとして挙げた、資産配分の調整が悪い方向に働いており、
他の多くのファンドがリスクを取って、巻き返しができている中で、
リスクを取らずに待ちの姿勢を貫いているため、プラスのリターンを
生み出せていない状況です。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲4.04% 76%
3年
5年
10年

※2018年11月時点

標準偏差は?

アムンディ・ダブルウォッチの標準偏差を見てみると、同カテゴリー内
では上位3割に入っています。

ただし、パフォーマンスがマイナスとなっていますので、これでは
意味がありません。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 2.47 27%
3年
5年
10年

※2018年11月時点

年別のパフォーマンスは?

アムンディ・ダブルウォッチの年別のパフォーマンスは以下のように
なっています。

年間で1~2%プラスのリターンが出ればよいという状態の中で、
今現在は4%ほど下落していますので、この下落分を取り戻すだけでも、
1~2年かかるかもしれません。

年間利回り
2018年 ▲1.74%(9月末時点)
2017年 2.11%
2016年 0.27%(4-12月)
2015年
2014年

※2018年11月時点

評判はどう?

アムンディ・ダブルウォッチの評判はネットでの書き込みなどで調べる
方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の
資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入して
いる人が多いということなので、評判が良いということです。

アムンディ・ダブルウォッチは直近で流出超過となっています。

フロア水準があるのはありがたいけれど、全然増えないファンドは
嫌という人が解約をし始めたというところでしょう。

資金流入量も一時期と比べてかなり減っていることからも人気は下
火ということです。

※モーニングスター

アムンディ・ダブルウォッチの今後の見通し

まさに投資初心者をターゲットに耳ざわりのよい言葉を並べて、
資金を集めようとしているファンドであることがわかりますが、
2018年1月末の暴落に続き、10月の暴落を受けて、ボロが出始めた
と思っています。

多くの投資家が、ファンドの説明時に、基準価額が右肩上がりに
上昇していく図を見せられ、これなら下落のリスクも抑えつつ、
着実に資産を増やせると夢を見てしまいますが、そう単純なもの
ではないということです。

ファンドの性質上、基準価額が下落してフロア水準に近づくと、
フロア水準を大きく上回るようにリスクを取るのではなく、
これ以上、フロア水準に近づかないようにリスクを回避してしまいます。

そのため、一度、基準価額が下落すると、もとの水準まで戻るのに
相当の時間を要することになるわけです。

私の予想では、今年中にフロア水準が高値を更新することはない
と思います。

このブログでは何度も言っていますが、リスクを取りたくない人は
投資をしないほうがいいです。

まずは投資に対する正しい考え方を身に着けるところから始めてください。