「下落率が決まっている」「リスクに合わせて自動で資産調整」
という耳ざわりのよい言葉を並べて、投資初心者から資金を
集めているアムンディ・ジャパンのダブルウォッチ。

プロの目線で見ると、色々と落とし穴があるのですが、今日は
その点も含めて、アムンディ・ダブルウォッチを徹底的に分析
していきます。


アムンディ・ダブルウォッチの基本情報

投資対象は?

投資対象は世界の株式、債券および短期金融資産など、様々な
資産への資産配分を機動的に行い、安定的な収益の獲得を
目指します。

現在は債券が約45%、短期金融資産が約40%、株式が約15%と
なっており、かなり守りの運用となっていることがわかります。

短期金融資産の割合が高いということはこの資金はほぼ
運用されずにコストだけ取られているということを意味
するので、投資家目線では何のメリットもありません。


※引用:マンスリーレポート

組入銘柄を見てみると、現在24銘柄で構成されており、
上位の銘柄はほぼ債券のETFで構成されています。


※引用:マンスリーレポート

運用の特徴は?

アムンディ・ダブルウォッチの運用の特徴は大きく2つあります。

1つ目はフロア水準です。

これは、運用上、基準価額がこの水準を下回らないように目標と
される基準です。

フロア水準は、基準価額の最高値の90%になるように設定されており、
一度上昇したフロア水準は下がりません。

現在のフロア水準は9474円となっており、もし基準価額がこの金額が
以下になると強制的に償還されます。

自分の資産の最大下落率を▲10%に調整できるというのは魅力的です。


※引用:交付目論見書

そして、2つ目が資産配分の調整です。

これは、基準価額とフロア水準の差及び、経済環境の見通しを
考慮して、資産配分の調整を行います。

フロア水準との差が大きく、経済環境も良好なときは株式比率を
高め、フロア水準との差が小さく、経済環境が芳しくないときは、
短期金融資産等の比率を高めるというものです。

これは一見すると、メリットのように見えますが、大きく
基準価額が下落したときに、リスク資産の割合が下がりますので、
元の水準に戻すのに相当の時間を要することになり、メリットとは
言い難いのが正直なところです。


※引用:交付目論見書

純資産総額は?

続いて、アムンディ・ダブルウォッチの純資産総額はどうなって
いるか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができず損失を出してしまったり、監査費用などの
ファンドの運用で必ず発生するコストの占める割合が高くなって
しまうため、思った以上に実質コストが高くなってしまっている
ことがあります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

アムンディ・ダブルウォッチは募集開始してから勢いよく
1500億円近辺まで純資産を増やしましたが、運用が思った
ようにうまく行かず、2018年以降は純資産もだんだんと
減少傾向にあります。

現在は、1100億円ほどまで減少しましたが、いまだ巨大な
ファンドであることには変わりありません。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

アムンディ・ダブルウォッチの実質コストは1.36%となって
おり、一見安く見えますが、低コストのETFを買っている
ことから考えると、決して安いとは言えません。

特に短期金融資産部分も毎年1.36%の手数料がかかって
くるので、注意してください。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 1.32%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.36%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

アムンディ・ダブルウォッチの評価分析

フロア水準の推移は?

アムンディ・ダブルウォッチのフロア水準は、現在9474円です。

1年近く上昇していなかったフロア水準が2019年7月ごろに
一段階あがりました。

ただ、それ以降なかなか基準価額が上昇していないので、
フロア水準もあがってきていません。

短期金融資産の比率が40%程度と高くなっていることからも、
なかなか運用で大きな利益を出すのは難しい状況です。


※引用:マンスリーレポート

基準価額をどう見る?

アムンディ・ダブルウォッチの基準価額は現在、10500円を
超えてきました。

2018年末の暴落で、フロア水準に到達するのかと思いましたが、
2019年に入り大きく戻しています。

ひとまずフロア水準に到達する心配はなさそうですね。


※モーニングスター

利回りはどれくらい?

アムンディ・ダブルウォッチの直近1年間の利回りは
4.52%となっています。

直近、1年間で見ると、大きくプラスのリターンを出すことが
出来ています。

しかし、2019年7月以降は、運用がまったくうまく行って
おらず、短期金融資産の比率を高めたことにより、機会損失
している状況が見て取れます。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 4.52% 40%
3年 1.12% 72%
5年
10年

※2019年12月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年平均利回りランキングで見る圧倒的に優れた投資信託まとめ

標準偏差は?

アムンディ・ダブルウォッチの標準偏差を見てみると、平均的
な水準です。

標準偏差が小さいので、プラスになってもマイナスになっても
資産が大きく目減りする心配はありませんが、現状、リスクを
抑えるためかかなり非効率な運用がなされている点には注意が
必要です。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じ
でしょうか?

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいて
くださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 3.47 56%
3年 2.71 38%
5年
10年

※2019年12月時点

年別のパフォーマンスは?

アムンディ・ダブルウォッチの年別のパフォーマンスは以下の
ようになっています。

直近の1、2年はこのファンドにしては、かなり値動きが大きく
なっているようです。

投資家としては、早くフロア水準を10,000以上に引き上げたい
ところだと思いますが、まだまだ時間はかかりそうです。

年間利回り
2019年 5.64%(1-9月)
2018年 ▲4.91%
2017年 2.11%
2016年 0.27%(4-12月)

※2019年12月時点

評判はどう?

アムンディ・ダブルウォッチの評判はネットでの書き込みなど
で調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つ
のが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを
購入している人が多いということなので、評判が良いという
ことです。

アムンディ・ダブルウォッチは直近で流出超過となっています。

フロア水準があるのはありがたいけれど、全然増えないファンドは
嫌という人が解約をし始めたということです。

資金流入量も一時期と比べてかなり減っていることからも人気は下
火になっていますね。


※モーニングスター

アムンディ・ダブルウォッチの今後の見通し

まさに投資初心者をターゲットに耳ざわりのよい言葉を並べて、
資金を集めていたファンドですが、予想通り、目論見書に書いて
あるような運用ができないことに投資家が気づき始めました。

フロア水準は今後も少しずつはあがっていくかもしれませんが、
運用効率で見れば、もっと他のファンドに投資をしたほうが
はるかにあなたの資産は増えるでしょう。

ざっと計算したところ、例えば、インデックスファンドの
代表格であるeMAXIS Slim先進国株式インデックスに投資を
すれば、今投資している金額の5分の1の金額で投資をしても、
はるかに高い利回りが期待できます。

たぶん、アムンディ・ダブルウォッチへの投資を検討されて
いる方というのは、リスクを取りたくないという人が多いと
思います。

そうすると、単純にリスクの低いファンドを選ぼうとして
しまいがちですが、少しリスクは高くても投資金額自体を
減らすことでより高い効率で運用ができることがあります。

まずは投資に対する正しい考え方を身に着けるところから
始めてみてください。