最近、巷でよく聞くようになったESG投資。

環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を
つなげたもので、業績見通しや財務情報だけでなく、ESGといった非財務情報を
考慮することで、より高いパフォーマンスが得られるというものです。

各運用会社がESG投資の流行に乗って、次々とESG関連ファンドを出してはいますが、
各社ESG投資を自分たちの都合の良いように解釈して、ファンドを組成している
ように見えます。

通常のテーマファンドであれば、どのファンドも似たような組入銘柄になりがちですが、
ESGファンドの場合は、解釈もそれぞれなので、組入銘柄が各運用会社で全く異なる
と言うのはひとつ大きな特徴でしょう。

今日は、ブラックロック・ガバナンス・フォーカス・ファンドについて
徹底分析していきます。

ブラックロック・ガバナンス・フォーカス・ファンドの購入を検討している方は、
ぜひ参考にしてください。

ブラックロック・ガバナンス・フォーカス・ファンドの基本情報

投資対象は?

まず、ブラックロック・ガバナンス・フォーカス・ファンドの投資対象は、
国内の株式となっています。

ブラックロックのESG投資の考え方は、優れたガバナンス(企業統治)力があってこそ、
企業は持続的な成長ができるというものです。

確かに、確固たる企業理念に裏打ちされた長期的な経営戦略や、株主・従業員・顧客等の
企業を取り巻く関係者と向き合う経営姿勢というのは、持続的な成長には不可欠だと
思いますので、ブラック・ロックが言っていることには納得もできます。

ただ、本当に優れたガバナンス力がある企業を選別することは容易ではありませんので、
注意が必要です。

ブラックロック・ガバナンス・フォーカス・ファンドでは、組入銘柄を
だいたい15~30銘柄に絞り込んでいきます。

2018年7月時点の組入銘柄数は19銘柄となっており、上位10社を下に示します。

アサヒグループの選定理由を見ると、ガバナンスが優れている理由として、
『「稼ぐ力」の強化、資産・資本効率性の向上、ESGへの取り組み強化の3つを重点課題として
掲げた経営を実践しており、急速なグローバル化に対応するガバナンスの推進、とりわけ
グローバル人材育成プログラムが充実している。』と書かれています。

しかしESGというのは後付けで、成長戦略に期待が持てるというのが、本音ではないでしょうか。
他の組入銘柄の選定理由も見ましたが、ESG観点は後付けのように感じました。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ブラックロック・ガバナンス・フォーカス・ファンド の実質コストは最新の運用報告書が
出ないとわかりませんが、1.5~1.6%になると思われます。

購入時手数料と合わせると5%近くになりますので、慎重に銘柄を選定してください。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.4256%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.5~1.6%(概算値)

ブラックロック・ガバナンス・フォーカス・ファンドの評価分析

このブログを定期的に読んでいただいている方は大丈夫だと思いますが、
新設のファンドは、基本的に投資をしないほうが無難です。

テーマ型の流行があるファンドは別として、すぐに投資しようが、
少し運用パフォーマンスを見てから投資しようが本当に良いファンドであれば、
変わりません。

ESG投資は流行にはなってきていますが、一般的な国内株式ファンドと比べて、
ESGファンドがパフォーマンスで優れているという証明はできていません。

もう少し具体的に検証してみましょう。

こちらは、いわゆるESGファンドと呼ばれるファンドと日経225のインデックスファンドを
比較した図です。SRIというのはいわゆる社会的責任と呼ばれるもので、広義ではESGと
似たような考え方で組成されたファンドだと思っておけばよいでしょう。

比較してみると、三井住友アセットのインデックスファンド225と
ほぼ連動しているファンドが2本、パフォーマンスで及ばないファンドが2本
という結果になっています。

少し小さいですが、さきほどのファンドの10年平均リターンで比較してみると、
インデックスファンド225にパフォーマンスで負けてしまっているような状況です。

このように、特になにも考えずに日経平均株価に連動するインデックスファンドに
投資したほうが長期のパフォーマンスで優れているのであれば、あえて高いコストを
支払ってESG投資をする必要もないと思います。

ブラックロック・ガバナンス・フォーカス・ファンドは銘柄を絞り込んでいるので、
うまくいけば高いパフォーマンスとなるかもしれませんが、それはやってみなければ
わかりません。

ですので、基本的には、まず運用の実績を見ながら、検討するというスタンスで
間違いないと思います。