日興アセットのグローバル3倍3分法ファンド、楽天投信の
USA360、アストマックスのウルトラバランス 世界株式
続き、さらにレバレッジ型のファンドが登場します。

興味深いのはレバレッジ型ファンドでありながら、それぞれ
違う切り口になっており、カニばっていないのが驚きです。

今回、三井DSアセットから登場するのは海外のハイイールド
債券と米国国債先物を組み入れたレバレッジ型ファンドと
なっています。

果たしてどのようなファンドなのか具体的に見ていきましょう。

ボンド・ゼロトリプル(資産成長型)の基本情報

投資対象は?

ボンド・ゼロトリプル(資産成長型)の投資対象は
海外のハイイールド債券と米国国債の先物です。

様々なハイイールド債券と米国10年国債の先物を市場環境に
合わせて以下のように変更していきます。

上昇局面ではグローバル・ハイイールド債券の比率を
最大300%まで高め、米国10年国債先物の比率を下げます。

一方、下落局面では米国10年国債先物の比率最大300%に
近い数値まで高め、グローバル・ハイイールド債券の比率を
下げます。

この比率の入れ替えが非常に難しいのですが、今回は
グローバル・ハイイールド債券の75日移動平均線と
グローバル・ハイイールド債券の直近の価格の位置関係
で上昇局面か下降局面かを判別していきます。

バックテストでは良い数字が出ているようですが、どこまで
通用するかは見物ですね。


※引用:商品説明資料

ちなみにハイイールド債についてはご存じでしょうか?

簡単に説明しておくと、S&Pやムーディズといた格付
機関による格付がBB以下の債券をハイイールド債と
言います。

格付が低いということはそれだけ借りたお金を返済
できない可能性が高いということを意味しており、
一見すると利回りが高くなるので魅力的な債券のように
見えますが、実態は投資のプロである機関投資家が滅多に
手を出さない債券ばかりの寄せ集めのイメージです。


※引用:商品説明資料

各資産ごとの利回りの違いを見てみると、ハイイールド債
は非常に利回りが高くなっています。

債券と聞くと、リスクが低いと思ってしまう人がいるのですが、
ハイイールド債は実質、株式に投資をしているようなものなので、
くれぐれもリスクが低い商品だと勘違いしないでください。


※引用:商品説明資料

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ボンド・ゼロトリプル(資産成長型)の実質コストは
運用が始まっていないので、まだ正確にはわかりませんが、
割安な手数料体系になっていないことだけは間違いありません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 0.759%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト まだ不明

※引用:最新交付目論見書

期待できる運用利回りは?

続いて、ボンド・ゼロトリプル(資産成長型)の期待利回りを
見てみましょう。

あくまでバックテストの結果なので、そのまま信じるわけには
いきませんが、2007年1月から2019年1月までの12年間で約10倍に
資産が増えています。

ただ、これは相当うまく資産配分を変更できたときのことだと
考えたほうがよくここまで増えることはまずありませんので、
騙されないようにしてください。

最近はバックテストの結果を載せている販売資料が多くなって
いますが、あくまでも過去のデータを用いての運用ですので、
運用が本当にうまくできるのか確認してから投資をしても
遅くはありません。


※引用:商品説明資料

レバレッジ型ファンドの最大のデメリットとは?

ボンド・ゼロトリプル(資産成長型)への投資を
検討するのであれば、レバレッジ型ファンドのデメ
リットもしっかりと理解しておかなければいけません。

レバレッジ型ファンドの最大のデメリットはレバレッジが
大きいほど運用の仕組み上、下落圧力がかかるということです。

もう少し具体的に説明をしていきます。

ボンド・ゼロトリプル(資産成長型)が目標とする
レバレッジ3倍は、前日に対する1日の値動きについて
のものです。

言い換えると、比較する日から2日間以上期間が空くと、
必ずしも3倍の値動きにはならなくなります。

債券ファンドだと複雑なので、レバレッジ3倍の日経平均に
連動する株式ファンドだったとして説明していきます。

当初時点での価格を100円として、1日後、日経平均株価が
5%下落して95円になると、レバレッジファンドはその3倍
である15%下落します。

そして、2日目。日経平均株価が100円に戻ったとすると、
+5.26%上昇したことになります。

すると、レバレッジファンドは15.72%上昇することになります。

対象 当初 1日目 2日目
日経平均株価 100円 95.0円(▲5%) 100円(+5.26%)
2.9倍レバレッジF 100円 85.0円(▲15.0%) 98.413円(+15.78%)

さて、ここからが問題なのですが、実際に数値を
確認してみると、日経平均株価は100円に戻って
いますが、レバレッジファンドはどうでしょうか。

98.413円になっています。

実際に計算してみるとよりイメージが沸きますが、
複利計算の構造上、レバレッジが効けば効くほど、
一度下落してしまうと元の水準に戻すのが難しく
なります。

つまり、下落したときは、より高い利回りで運用が
できないと元の水準まで戻せません。このことを
理解しないまま投資をしている人が多すぎます。

そして、たいていレバレッジ型ファンドの人気が
出てくるのは、株式相場が好調なときです。

そこでこぞってレバレッジ型ファンドに投資をする
わけですが、一般投資家がマーケットに入ってくる
ときにはすでに相場の方向が変わりかけていることも
多く、その後大きく下落することも多いです。

そして大きく下落したときはレバレッジがきいて
いますので、ダメージは3倍の損失となります。

さらにさきほどの例にも示したように、レバレッジが
かかっている分、余計に元の水準まで戻すことが難しく
なり、結局損失を出して退場するのがよくあるパターンです。

最近の目論見書はこのようなリスクについてしっかりと
説明していないので、とりあえず自己資金の3倍で投資が
できると気軽に投資をしている人が多いと思いますが、
非常に危険な考えだと思います。

信託期間が短く設定してあることからもわかるとおり、
長期で利益が出るファンドではないということです。

ボンド・ゼロトリプル(資産成長型)のリターン・リスク比率

よく投資の世界では、とったリスクに対して、どれだけ
のリターンを得ることができたのかという指標を使います。

たとえば、現在基準価額が10000円だったとして、それが
11000円になりました。

その時、変動幅が10800円~11200円の変動幅の中で11000円
になったのと、5000円~15000円の変動幅の中で11000円に
なったのでは、リスクの取り方が大きく違ってきます。

前者のほうがリスクが小さくリターンが大きいので効率的な
運用ができているというわけです。

今回、リスク・リターンの比較を見てみると、ボンド・
ゼロトリプル(資産成長型)は異常なほど優れた位置に
いることがわかります。

ここまで突き抜けていると、資料をよく見せるためにわざと
作られたデータのようにしか見えません。


※引用:商品説明資料

ボンド・ゼロトリプル(資産成長型)の評価分析

ボンド・ゼロトリプル(資産成長型)ファンドは三井
DSアセットの今のレバレッジ型ファンドの人気ぶりに
あやかって設定したファンドです。

少なくとも下落圧力がかかりますので、中長期での運用
には向かず、短期勝負の投資となります。

またくれぐれも勘違いしないでいただきたいのが、ハイ
イールド債は株式と同じレベルのリスクがあります。

一般的な国際であれば、金利の影響を受けて価格が変動
しますが、ハイイールド債の場合は発行企業の業績や
景気動向の影響を受けやすくまさに株式と似たような
要因で変動するのです。

ですので、債券だから安心だと思い投資するのは絶対に
やめてください。

NYダウも直近で最高値を更新しており、そろそろ調整が
入ってもおかしくないような状況です。

また米中貿易問題もいったん落ち着きを見せてはいますが、
根本的な解決は何もできておらず、いつ問題が再燃するか
わかりません。

そのため、焦ってすぐ購入するのではなく、まずは様子を
見るようにするのが一番良いと思います。