高利回り債券ファンドの代表格でもあるブラジル・レアル建債券ファンド。

私からすると、債券ファンドの仕組みやリスクをよくわかってないまま、
ブラジル債券を分散して買える程度にしか考えていない人が多く、
本当に大丈夫か?と思ってしまいます。

今日は、ブラジル債券ファンドの代表格である大和証券投資信託委託の
ブラジル・ボンド・オープンを分析していきます。

毎月決算型を中心に見ていきますが、年1回決算型、年2回決算型を
保有している方、検討している方にも参考になるような情報を紹介していきますね。

ブラジル・ボンド・オープンの基本情報

投資対象は?

投資対象はブラジル・レアル建債券に投資をします。
投資する債券は、政府、政府機関、国際機関等が発行する債券です。

種別で見ると、物価連動債、固定利付債、割引債などありますが、
100%ブラジル国債に投資をしています。

ブラジル国債の利回りは現在、約8%程度となっており、
これが注目を集めている要因ですね。

ただ、注意しなければならないことがいくつかあります。

まず、ブラジル国債の格付は投資不適格のランク付けがされていることです。
格付というのは、将来、元本と利息の支払いが止まる可能性を測る指標ですが、
BBB-以下というのは、投資不適格債券と呼ばれ、機関投資家はリスクが高いため
投資対象外としている債券です。

投資不適格債券を集めたハイ・イールド債券ファンドなどもありますが、
あれは200以上の債券に分散することで、いくつかの債券がデフォルト
(元本・利息の支払いが滞る)してもいいように、リスクヘッジがされています。

ですので、BBB以下の債券、しかも単一国に投資すること自体非常にリスクが高い
という認識をまず持たないといけません。

そして、もうひとつ新興国で気を付けなければいけないのが、為替の変動です。
ドル円であれば、大きく変動するといっても±10%程度なのでよいですが、
新興国の為替は違います。

円/レアルで見ると、少なくとも過去5年で30%円高が新興していますので、
債券の利回りがいくら高くても、為替で利益が圧縮されてしまいます。

もちろん、円安方向に進めば、より利益が出るわけですが、
ただ、運に任せるのは投資ではありません。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ブラジル・ボンド・オープンは過去に6000億円ほどの規模がありましたが、
現在は900億円程度となっています。規模としては、全く問題ありません。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ブラジル・ボンド・オープンの実質コストは、1.4216%となっており、かなり
高くなっています。購入時手数料と併せると5%近く初年度に取られますので、
おすすめはしづらい商品です。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.4472%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.5822%(概算値)

ブラジル・ボンド・オープンの評価分析

基準価額をどう見る?

ブラジル・ボンド・オープンの現在の基準価額は、5,032円となっています。
2016年から盛り返してきていたのですが、2018年はまた大きく下落して
しまっています。

債券に投資をしていれば、気にならない部分ですが、債券ファンドだと
大きな問題になってしまいます。

利回りはどれくらい?

ブラジル・ボンド・オープンの直近1年間の利回りは▲9.32%となっています。
3年平均利回りと、5年平均利回りはあってないようなものです。

このような利回りでは、投資する価値が見出せません。
ブラジル国債に直接投資をしたほうがまだプラスが出るでしょう。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

最大下落率は?

投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の範囲をある程度は
予想できますが、やはり実際に下落した度合いをみたほうがイメージがわきます。

ブラジル・ボンド・オープンは2014年10月~2015年9月で最大▲29.61%の下落を
記録しています。大したパフォーマンスも出せていないにもかかわらず、
この下落幅は割りにありません。

分配金の推移は?

つづいて分配金の推移を見ていきましょう。

分配金は毎月40円となっています。ただし、基準価額に対する分配金の割合を示す
分配利回りを見ると、9.54%となっており、ファンドの収益力をはるかに超える
過剰分配が行われています。

そのため、分配余力はあと5カ月ほどとなっており、分配金が減額されるのは確実でしょう。

評判はどう?

ブラジル・ボンド・オープンの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法も
ありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけブラジル・ボンド・オープンを
解約している人が多いということなので、評判が悪いということです。

ブラジル・ボンド・オープンは見事に毎月資金が流出しており、
評判はすこぶる悪いと言えます。私も、即刻解約をおすすめするでしょう。

ブラジル・ボンド・オープンの今後の見通し

そもそも私は債券ファンドに投資する価値が見出せませんが、ブラジル債券単体に
投資をするのはリスクが非常に大きいのでやめておいたほうがいいと思います。

結局、前半でお伝えした信用力の問題と為替の問題を考慮したときに、
大きなリスクを負ってまで、ブラジル債券ファンドに投資をする理由がありません。

どうしてもブラジル債券に投資をしたいのであれば、ファンドに投資するよりは、
まだ直接ブラジル国債を購入したほうがよいでしょう。