一時期は純資産が5000億円を越える巨大なファンドだったダイワ
高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)。

高格付けの債券への投資であれば、安定した分配金を受け取れる
であろうと思い、投資した投資家が多かったようです。

ただし、タコ足配当を長らく続けていたせいで、直近ではかなり
厳しい状況に追い込まれています。

今日は、そんなダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)を
徹底分析していきます。

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の投資対象は
カナダ・ドル建ての公社債です。注意してほしいのは、カナダ国債
だけでなく、カナダ・ドル建の他の債券にも投資をしていく点です。

債券ファンドの場合は組入られている債券の信用度をまず確認して
おきましょう。

信用度というのは、元本の返済や利払いが滞らないかを測る指標です。
信用度の確認をするにはムーディーズやS&Pといった格付会社の評価が
参考になります。

一般的にBaaもしくはBBB以上の債券が投資適格債券と言われており、
投資適格債であればデフォルトの心配はほぼありません。

今回、組入られている債券の信用度はAAAもしくはAAの債券に限られ
ていますので、少なくともデフォルトの心配はしなくてもよいでしょう。


※引用:交付目論見書

つづいて、組み入れられている債券の種類を確認していきます。

目論見書などを読むだけですと、カナダ国債がメインのファンドだと
勘違いをしてしまうかもしれませんが、実際は州政府債や事業債の
ほうが比率は高くなっています。

ただ、格付は十分高いので心配する必要はなさそうですね。


※引用:マンスリーレポート

為替の推移は?

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)に投資をする場合、
為替の影響を受けます。

ドル・円の動きは把握できている人も多いかもしれませんが、他の
通貨ペアの為替の動きについては把握できていない人が多いでしょう。

2014年からの推移を見てみると、90円を境に上下に±10%程度の変動を
しています。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認しておきたいポイントです。

純資産総額が大きいほうが、ファンドマネージャーが資金を運用する際に
効率よく運用できますし、ファンドの運用で必ず発生する保管費用や
監査費用が相対的に低くなりますので、コストが相対的に低く抑えられます。

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に
力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので
注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)は2014年ごろ
までは5000億円を越える規模の巨大なファンドでした。

しかし、近年はパフォーマンスも優れず、純資産は減り続けています。
また過剰な分配を続けてきたことによる影響が出始めており、毎年
分配額を切り下げています。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかって
いることをご存知ですか?

これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買手数料や
有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストがかなり
割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の実質コストは
1.38%と債券ファンドの割りにはかなり割高となっています。

年間の利回りが2~3%程度しかないので、半分くらいは運用会社の
手数料として取られてしまいます。

これでは当然パフォーマンスも向上してきません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.16%(税込)※上限
信託報酬 1.35%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 1.38%(概算値)

※引用:運用報告書(決算日2018年11月12日)

実質コストを加味しても、圧倒的に高いリターンを出しているアクティブファンド特集

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の評価分析

基準価額の推移は?

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の基準価額は
直近3年間で30%ほど下落をしています。

一方で、分配金を受け取らずに再投資して運用した場合の基準価額
(青線)を見てみると、4500~5500円のレンジを推移しています。

ここから、過剰な分配がなされており、基準価額の下落が止まらな
くなっていることがわかります。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の直近1年間の
利回りは2.32%です。

3年、5年平均利回りではマイナスとなってり、10年平均利回りでは
プラスとなっています。

海外債券のカテゴリーで見ても、パフォーマンスは下から数えたほう
が早いような順位なので、決して優れた結果を残せているとは言えません。

パフォーマンスもいまいちですが、やはり信託報酬が高いことに
より収益が圧迫されてしまっていますね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 +2.32% 71%
3年 ▲0.02% 71%
5年 ▲0.95% 93%
10年 +2.18% 94%

※2019年3月時点

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、ダイワ高格付カナダ
ドル債オープン(毎月分配型)の基準価額のブレの大きさを知るには
役立ちます。

中長期の標準偏差は9~10程度ですので、そこまで大きくありませんが、
カテゴリー内でみると、基準価額のブレ幅は大きいほうのようですね。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 6.55 70%
3年 8.58 72%
5年 9.22 80%
10年 10.17 100%

※2019年3月時点

年別のパフォーマンスは?

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の年別の
パフォーマンスを見てみましょう。

直近5年間ではマイナスで終わってしまっている年のほうが多く、
このようなパフォーマンスでは解約する投資家が増加してしまう
のも納得です。

株式と債券を保有することでリスクを下げるという一般論がありますが、
近年では債券ファンドをポートフォリオに組み入れても、株式ファンドと
同じタイミングで下落してしまうのであまりおすすめできません。

債券ファンドを保有するくらいであれば、キャッシュポジションを
増やしたほうが賢明です。

年間利回り
2018年 ▲8.96%
2017年 +3.13%
2016年 ▲1.72%
2015年 ▲14.29%
2014年 +9.66%

※2019年3月時点

最大下落率は?

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)に投資をする前に、
最大でどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことは非常に
重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の
最大下落率を見てみましょう。

最大下落率は2008年1月~2008年12月の1年間で▲29.34%です。
この程度のパフォーマンスしかない中で、30%近く下落してしまうと、
元の水準まで戻すのはかなり難しいと言わざるをえません。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲18.56%
3カ月 ▲24.28%
6カ月 ▲27.29%
12カ月 ▲29.34%

※2019年3月時点

分配金の内訳と余力は?

つづいて、ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の
分配金の状況を確認しておきましょう。

2018年の3月までは40円の分配金が出ていましたが、4月から25円に
引き下げられました。またこのブログを書いている現在では15円に
まで引き下げられています。

分配金の内訳を見てみると、分配金のうち約半分が当期の収益以外で
賄われているので、あなたの元本が取り崩されていると考えても大きな
間違いはありません。

かつ、分配金余力が12カ月を切っており、減配されるのは当然です。

ただ、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
分配金は受け取らないほうが投資の効率はよくなります。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
180 25 13円 225
181 25 12円 213
182 25 13円 199
183期 25円 13円 185円
184期 25円 10円 175円
185期 25円 13円 161円

評判はどう?

それでは、ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型) の
評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見る
ことで、評判がわかります。

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなって
いれば、資金が流出超過になります。

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型) は2015年後半から、
毎月資金が流出し続けています。

2015年以降は、ほぼ毎年分配金が減額されており、それに嫌気が
さした投資家が続々と解約しているものと思われます。


※引用:モーニングスター

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の今後の見通し

いかがでしょうか?

カナダでは、2018年は堅調な経済環境を背景にカナダ中央銀行が
3回の利上げを行い、政策金利は1.75%まで引き上げられました。

2019年においても、利上げのサイクルの継続が見込まれており、
2~3回の利上げが想定されています。

主要先進国で米国を除いて唯一利上げサイクルに入っているカナダは
相対的に魅力が高くなっており、金利に魅力を感じた投資マネーが
カナダ・ドルを選好する可能性が高くなっていきます。

とは言っても、今までのダイワ高格付カナダドル債オープンの
パフォーマンスを見る限り、投資をしようとは思えませんし、
今までのタコ足配当の影響が大きく、今後も分配金は減額が続く
と思いますので、おすすめできる要素はひとつもありませんね。

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