近年、何かと話題のAI。AIに仕事を奪われるといった記事が
ネット上でも話題になるくらいAI=何かすごいと思われがちです。

そんなAIに銘柄を選定させるアセマネOneのAI(人工知能)活用型
世界株ファンド『愛称:ディープAI』ははたしてどうなのでしょうか?

今日は、私が独自の目線で分析していきたいと思います。


AI(人工知能)活用型世界株ファンド『ディープAI』の基本情報

投資対象は?

まずディープAIの投資対象は、日本を除く世界の株式に実質的
に投資をします。

アセットマネジメントOneが独自に開発したディープラーニング
モデルを用いて相対的に投資魅力度が高いとされる銘柄を抽出し、
その結果をもとにファンドマネージャ-がポートフォリオを
構築します。

ディープラーニングというのは、市場や株価の動きを計量的な
数式で捉えようとする計量モデルの一種で、日々刻刻と変化する
投資環境を学習しながら、今後値上がりする可能性の高い銘柄を
予測していきます。

勘違いしないでほしいのは、ディープAIはAIに関連する企業の
銘柄を組み入れたファンドではなく、AIを使って銘柄選定をする
ファンドであるという点です。

では、具体的にディープAIがどのような業種、国を選定して
いるか見てみましょう。

地域別でみると先進国の比率が高く、米国の比率が65%程度と
なっています。


※引用:マンスリーレポート

業種別でみると、金融、一般消費財、情報技術の割合が高く
なっています。


※引用:マンスリーレポート

もう少し具体的に組入られている銘柄を見てみると、1位は
マイクロソフト、2位はアマゾン、3位はアップルとなって
おり、有名どころがランクインしていますね。

このようなラインナップではAIに銘柄選定を任せる意味が
ありません。


※引用:マンスリーレポート

ここで大きなポイントは、現在のディープラーニング技術では、
AIだからといって、今後値上がりしそうな珍しい銘柄を選んで
これるというわけではないということです。

なんとなくすごそうという理由で購入するのはやめてくださいね。

純資産総額は?

続いて、ディープAIの純資産総額はどうなっているか見て
みましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少
していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬ
マイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

AI(人工知能)活用型世界株ファンド『ディープAI』の現在の
純資産総額は、約320億円です。

多くの人がAIでの運用に期待をしましたが、たいした成果が
出せないことがわかり、徐々に人気に陰りが見えてきました。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ディープAIの実質コストは、1.83%とかなり割高となって
います。

購入時手数料と合わせるとかなり高い印象ですね。

銘柄選定の大部分をAIに任せているのであれば、もう少し
コストを抑えてほしいと思ってしまいますが、AIの運用保守
にコストがかかっているということでしょう。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.584%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.83%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コストを加味しても、ディープAIよりはるかに優れたアクティブファンドランキング

AI(人工知能)活用型世界株ファンド『ディープAI』の評価分析

基準価格をどう見る?

ディープAIの現在の基準価額は10,500円程度です。

2017年以降、多くのファンドで最高値を更新した中で、
ディープAIはほとんど上昇していません。

のちほど、インデックスファンドとのパフォーマンスの
比較を載せますが、この程度のパフォーマンスでは
話になりませんね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

直近1年間のディープAIの利回りは3.97%となっています。

かろうじて、プラスのリターンを残せていますが、
同カテゴリーの中でほぼ下位1割に入ってしまっており、
優れた成果を残せていません。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解して
いますか?

もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 3.97% 89%
3年
5年
10年

※2019年12月時点

標準偏差は?

ディープAIの標準偏差を見てみると、17~18となっており、
先進国株式や国内株式ファンドとほぼ同じ水準です。

つまり、AIに銘柄選定をさせているからといって、パフォ
ーマンスでも優れるわけでもなく、リスクという観点でも
リスクを抑えた運用はできていないということです。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じ
でしょうか?

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいて
くださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 17.59 24%
3年
5年
10年

※2019年12月時点

年別のパフォーマンスは?

ディープAIの年別のパフォーマンスは以下のようになって
います。

2018年は悲惨な結果となりました。2019年はある程度、
巻き返していますが、2018年の下落分は取り戻せそうに
ありません。

年間利回り
2019年 8.89%(1-9月)
2018年 ▲17.12%
2017年

※2019年12月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、インデックス
ファンドよりもパフォーマンスが優れていなければ、投資を
する価値がありません。

また、同じようにAIが銘柄選定を行っている他のファンドと
パフォーマンスを比較しておいたほうがよいでしょう。

今回は、先進国株式の代表的なファンドであるeMAXIS Slim
先進国株式インデックス
Yjamプラス!GS グローバル・
ビッグデータ戦略B
と比較をしてみました。

結果は、インデックスファンドであるeMAXIS Slim先進国株式
の圧勝です。AIファンドはどれも大したパフォーマンスには
なっていませんが、その中でもディープAIが一番悪い結果と
なっています。

これではAIに運用を任せようなどとは思いません。


※引用:モーニングスター

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知る
うえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入
している人が多いということなので、評判がいいということです。

ディープAIは設定当初大きく資金流入しましたが、直近は
パフォーマンスが優れないため流入が減っています。

つまり初めは期待されてスタートしましたが、思ったよりたいした
ことないということで、投資家もあまり興味を持っていないという
ことですね。


※引用:モーニングスター

AI(人工知能)活用型世界株ファンド『ディープAI』の今後の見通し

近年では、AIを活用したサービスも増え、かなり身近になりました。
また囲碁電王戦でもAIが優勝し、大きな話題となりました。

こういった話を聞くと、AIに銘柄を選定してもらえば、投資が
うまく行くのではないかと思ってしまいがちですが、一概に
そういうわけではありません。

AIが得意なのは、過去のルールを学習し、そこから将来を予測する
という方法です。

もしくは、膨大な量があるもののパターンが決まっており、
その中から、最適なパターンを選択するといったことです。

では、株価の予測というのはどうなのか。

株価の予測は過去のデータからある程度予測できると思われがち
ですが、実際そううまく行くものではありません。

特に一番注意しなければならない市場の大暴落は、一定の決まった
パターンがあるわけではないので、事前に予測することはかなり
難しいのが現状です。

実際に1月末の市場の大暴落の要因の1つとして、AIが予測できない
ほどの急な下落だったため、これは危険だと判断したAIの多くが
損切りしたことによりさらに下落が進んだともいわれています。

ですので、現状、AIを使ったところで圧倒的なパフォーマンスを
残せるということはないでしょう。

さきほど比較したように低コストのインデックスファンドを選択
しておいたほうがあなたの資産は増えます。