近年、何かと話題のAI。AIに仕事を奪われるといった記事が
ネット上でも話題になるくらいAI=何かすごいと思われがちです。

そんなAIに銘柄を選定させるアセマネOneのAI(人工知能)活用型世界株ファンド
『愛称:ディープAI』ははたしてどうなのでしょうか?

今日は、私が独自の目線で分析していきたいと思います。

AI(人工知能)活用型世界株ファンド『ディープAI』の基本情報

投資対象は?

まずディープAIの投資対象は、日本を除く世界の株式に実質的に投資をします。

アセットマネジメントOneが独自に開発したディープラーニングモデルを
用いて相対的に投資魅力度が高いとされる銘柄を抽出し、その結果をもとに
ファンドマネージャ-がポートフォリオを構築します。

ディープラーニングというのは、市場や株価の動きを計量的な数式で
捉えようとする計量モデルの一種で、日々刻刻と変化する投資環境を
学習しながら、今後値上がりする可能性の高い銘柄を予測していきます。

勘違いしないでほしいのは、ディープAIはAIに関連する企業の銘柄を
組み入れたファンドではなく、AIを使って銘柄選定をするファンドであるという点です。

では、具体的にディープAIがどのような業種、国を選定しているか見てみましょう。
地域別でみると先進国の比率が高く、米国の比率が55%程度となっています。


※引用:マンスリーレポート2018年10月

業種別でみると、金融、一般消費財、情報技術の割合が高くなっています。


※引用:マンスリーレポート2018年10月

もう少し具体的に組入られている銘柄を見てみると、1位はアップル、
2位はファイザー、3位はインテルとなっており、有名どころがランクインしていますね。


※引用:マンスリーレポート2018年10月

ここで大きなポイントは、現在のディープラーニング技術では、AIだからといって、
今後値上がりしそうな珍しい銘柄を選んでこれるというわけではないということです。

なんとなくすごそうという理由で購入するのはやめてくださいね。

純資産総額は?

続いて、ディープAIの純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと
思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

AI(人工知能)活用型世界株ファンド『ディープAI』の現在の純資産総額は、
約450億円ですので、純資産額は問題ありませんね。


※引用:マンスリーレポート2018年10月

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ディープAIの実質コストは、2.08%とかなり割高となっています。購入時手数料と
合わせるとかなり高い印象ですね。銘柄選定の大部分をAIに任せているのであれば、
もう少しコストを抑えてほしいと思ってしまいますが、AIの運用保守にコストが
かかっているということでしょうか。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.5552%(税込)
信託財産留保額 0.3%(税込)
実質コスト 2.08%(概算値)

※引用:第1期 運用報告書(2018年9月25日)

AI(人工知能)活用型世界株ファンド『ディープAI』の評価分析

基準価格をどう見る?

ディープAIの現在の基準価額は現在9500円程度です。

1月末に10%強の大暴落をしたあと、なかなか基準価額を戻すことができずにいると、
10月に再度大きく下落してしまいました。ファンドマネジャーが運用しているファンド
の推移と、と同じような値動きになっており、AIが銘柄選定をしたからこその優位性は
現状のところ見当たらないというのが正直な感想です。


※引用:モーニングスターWEBサイト2018年11月時点

利回りはどれくらい?

直近1年間のディープAIの利回りは▲7.30%となっています。
カテゴリーランキングを見ても、下位2割に入っており、AIの優位性は
全く垣間見えません。

※引用:モーニングスターWEBサイト2018年11月時点

四半期別のパフォーマンスは?

ディープAIの四半期別のパフォーマンスは以下のようになっています。
まだ数値には反映されていませんが、10-12月期に大きく下がってしまっている
ような状況です。

※引用:モーニングスターWEBサイト2018年11月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

ディープAIへの投資を検討するのであれば、同じようにAIが銘柄選定を行っている
他のファンドとパフォーマンスを比較してみましょう。

今回は、Yjamプラス!とGS グローバル・ビッグデータ戦略Bと比較をしてみました。
結果は、どれも大したパフォーマンスにはなっていませんが、その中でもディープAIが
一番悪い結果となっています。

※引用:モーニングスターWEBサイト2018年11月時点

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している人が
多いということなので、評判がいいということです。

ディープAIは設定当初大きく資金流入しましたが、直近はパフォーマンスが
優れないため流入が減っています。

つまり初めは期待されてスタートしましたが、思ったよりたいしたことない
ということで、投資家もあまり興味を持っていないということですね。


※引用:モーニングスターWEBサイト2018年11月時点

AI(人工知能)活用型世界株ファンド『ディープAI』の今後の見通し

近年では、AIを活用したサービスも増え、かなり身近になりました。

囲碁電王戦でもAIが優勝し、大きな話題となりました。

こういった話を聞くと、AIに銘柄を選定してもらえば、投資がうまく行くのでは
ないかと思ってしまいがちですが、一概にそういうわけではありません。

AIが得意なのは、過去のルールを学習し、そこから将来を予測するという方法です。

もしくは、膨大な量があるもののパターンが決まっており、その中から、
最適なパターンを選択するといったことです。

では、株価の予測というのはどうなのか。

株価の予測は過去のデータからある程度予測できると思われがちですが、
実際そううまく行くものではありません。

特に一番注意しなければならない市場の大暴落は、一定の決まったパターンが
あるわけではないので、事前に予測することはかなり難しいのが現状です。

実際に1月末の市場の大暴落の要因の1つとして、AIが予測できないほどの
急な下落だったため、これは危険だと判断したAIの多くが損切りしたことにより
さらに下落が進んだともいわれています。

ですので、現状、AIを使ったところで圧倒的なパフォーマンスを残せる
ということはないでしょう。