よくリートやハイ・イールド債券と比較して、より利回りが高い
投資先として語られることがあるMLP。

しかし、これには大きな裏があります。

実際に価格の変動幅を見てもらったほうが早いのですが、MLPは
リートやハイ・イールド債券よりもはるかにハイリスク・ハイ
リターンであるということです。

今日は、米国エネルギーMLPオープン(毎月決算型)『愛称:エネルギー
・ラッシュ』について、徹底分析していきます。

米国エネルギーMLPオープン『エネルギー・ラッシュ』の基本情報

投資対象は?

エネルギー・ラッシュは、USエネルギーMLPファンドへの投資を
通じて、エネルギー天然資源に関するMLPに投資をしていきます。

MLPはマスター・リミテッド・パートナーシップと言って、
共同投資事業形態のひとつで、その出資持分がアメリカの
金融商品取引所で取引されています。

MLPは収入の90%以上をエネルギーや天然資源に関連する事業、
金利、配当、不動産賃貸料から得ているのが特徴で、多くのMLPは、
天然資源等のパイプラインや貯蔵施設などの利用料を収益源にしています。

実際に、エネルギー・ラッシュの上位組入銘柄を見てみると、石油・
ガス貯蔵・輸送となっており、石油やガスを貯蔵する施設の利用料や
輸送するためのパイプライン利用料を得ていることがわかります。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、エネルギー・ラッシュの純資産総額はどうなっているか見て
みましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額
だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで売買できなか
ったり、コストが嵩みますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

エネルギー・ラッシュの純資産総額は、現在250億円程度です。

2015年には2000億円規模まで膨らんだのですが、そのあと基準価額が
大暴落したことに伴い、純資産総額が一気に下落し、それ以降は250億
前後で推移しています。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが
通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

エネルギー・ラッシュの実質コストは2.10%と、同カテゴリー内でも
割高となっています。

購入時手数料もしっかりかかりますので、基本的にはコストが高すぎる
ため投資をしてはいけないファンドです。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)
信託報酬 2.1080%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 2.10%(概算値)

※引用:最新の運用報告書

実質コストを加味しても、圧倒的に高いリターンを出しているアクティブファンド特集

米国エネルギーMLPオープン『エネルギー・ラッシュ』の評価分析

基準価額の推移は?

エネルギー・ラッシュの基準価額は2017年以降、右肩下がりに下落を
続けており、一向に回復する兆しはありません。

分配金を再投資した場合の基準価額(青線)も右肩下がりに下落を
しているので、パフォーマンスもさっぱりということですね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

エネルギー・ラッシュの直近1年の利回りは▲14.22%となっています。

3年平均利回りでは▲0.76%となっており、5年平均利回りでは▲10.69%
となっています。

カテゴリーランキングをみても、ほぼ最下位に近いパフォーマンスを
維持しており、純資産総額が250億円もまだあることに驚きます。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲14.22% 91%
3年 ▲0.76% 94%
5年 ▲10.69% 98%
10年

※2019年10月時点

標準偏差は?

エネルギー・ラッシュの標準偏差を見てみると、株式ファンド
並みに標準偏差が大きいことがわかります。

%ランクで見ても、ほぼ最下位となっており、利回りも悪く変動幅
も大きいファンドでは、投資する気になれません。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 24.06 65%
3年 21.89 95%
5年 27.06 99%
10年

※2019年10月時点

年別のパフォーマンスは?

続いて、エネルギー・ラッシュの年別のパフォーマンスを見て
みましょう。

MLPはパイプライン利用料等が収益のメインなので、安定している
イメージがありますが、実際はかなり値動きが激しいことがわかります。

株式などよりリスクが低いと思って投資をすると痛い目を見ます
ので、くれぐれも注意してください。

年間利回り
2019年 +7.11%(1-9月)
2018年 ▲18.99%
2017年 ▲8.00%
2016年 +39.66%
2015年 ▲48.05%
2014年 +17.53%

※2019年10月時点

最大下落率は?

投資を検討するのであれば、基準価額がどの程度下落する可能性が
あるのは知っておきたいところです。

標準偏差からある程度は予測できますが、最大下落率を直接確認
したほうがイメージがわきますね。

エネルギー・ラッシュの最大下落率は、2015年3月~2016年2月まで
の間に▲55.60%となっています。

リーマンショック級の大幅下落が直近であったというのは衝撃ですね。

MLPは一部でリスクは低めと言われたりしていますが、決して
そのようなことはなく、まさにハイリスクローリターンファンドの典型です。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲22.72%
3カ月 ▲37.19%
6カ月 ▲48.61%
12カ月 ▲55.06%

※2019年10月時点

分配金は?

エネルギー・ラッシュは、2014年ごろから毎月30円の分配を続けて
います。

分配余力は40カ月ほどありますので、まだ分配金を下げることは
ないかと思います。

ただ、基準価額に対する分配金の利回りを示す分配利回りがファンド
の収益力をはるかに上回っていますので、当然タコ足配当になっている
ことは言うまでもありません。

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
64 30円 3円 1,248円
65 30円 3円 1,245
66 30円 7 1,238
67期 30円 1,244
68期 30円 2 1,242
69期 30円 1,247

評判はどう?

続いて、エネルギー・ラッシュの評判を見ていきましょう。

評判を見る上で役に立つのが、月次の資金流入額です。
資金が流出超過となっていれば、購入する人よりも解約する人の
ほうが多いわけですから、人気が落ちていることがわかりますね。

エネルギー・ラッシュは2015年の基準価額の大暴落に合わせて、
100億単位で毎月資金が流出しました。

2017年以降も毎月資金が流出しており、評判が良いとはお世辞にも
いえません。


※引用:モーニングスター

米国エネルギーMLPオープン『エネルギー・ラッシュ』の今後の見通し

一部では、パイプライン等のプロジェクトが実際に稼働し始める
ので、キャッシュフローを生み出すフェーズに入るとも言われて
いますが、高コスト体質かつハイリスク・ローリターンの現状に
おいて、あえて投資をする理由が見当たりません。

少なくとも日本国内で組成されたMLP関連ファンドで、運用が
うまくいっているファンドは見たことがありませんので、くれぐれ
も投資をしないように注意してください。

自分に最適な至極の1本を見つけたい方はこちら

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