日興アセットのグローバル・モビリティファンドやBNYメロンの
モビリティ・イノベーションファンドと並んで、注目が集まっている
大和住銀のEV革命。

同時期にファンドを出すことで、注目を集めようというマーケティングの
戦略ですが、投資家からすると、何がどう違うのかよくわかりません。

実際、中身をよくみると、違いがわかってくるので、
今日は、EV革命について、私が独自の目線で分析、評価していきます。

グローバルEV関連株ファンド『EV革命』の基本情報

投資対象は?

まず投資対象は、EV(電気自動車)の進化や発展に伴い恩恵を受ける企業です。
国別の構成比率を見てみると、アメリカが約5割となっており、次いで日本、
フランスと続いています。

EV革命は現在60銘柄で構成されており、もう少し詳しく銘柄を見てみると、
ファンドのイメージが湧くかもしれません。以下が、組入上位の銘柄です。

順位 銘柄 国名 業務内容
1 モノリシック・パワー・システム 米国 エネルギー効率が高く費用対効果の高い半導体ソリューションの生産を可能にする独自プロセス技術を開発。
2 日本電産 日本 ブラシレスDCモーターで世界ナンバーワンのシェア
3 サムスンSDI 韓国 世界的なリチウムイオン電池メーカー。
4 マキシム・インテグレーテッド・プロダクツ 米国 業界をリードする高性能アナログ、ミックスドシグナル半導体製品を設計・製造・販売。
5 ビステオン 米国 デジタル・コックピットや車載インフォテインメントなどを製造する米国の自動車メーカー。

運用体制は?

当ファンドの実際の運用は、ロべコSAMエージ―が行います。

ロベコはオランダの大手資産運用グループ「ロベコ・グループ」の100%出資法人で、
1995年に設立され、ESG分野で高い評価を受けている資産運用会社です。

ちなみ、ESG分野とは、環境(Enviroment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に
配慮している企業を重視・選別して投資を行う方法です。

純資産総額は?

続いて、グローバルEV関連株ファンド『EV革命』の純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、
予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

グローバルEV関連株ファンド『EV革命』の現在の純資産総額は
約1300億円ですので、純資産総額は問題ありませんね。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

グローバルEV関連株ファンド『EV革命』の実質コストは、1.97%となっており、
かなり割高です。テーマ型ファンドはコストが高いことも多いですが、
パフォーマンスが伴わないと、まったく割にあいません。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.7604%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.97%(概算値)

※第1期 運用報告書(決算日2018年7月23日)

グローバルEV関連株ファンド『EV革命』の評価分析

基準価格をどう見る?

EV革命の現在の基準価額は8200円程度です。
1月初旬の世界全体の株式市場の大暴落で10%強下げ、それ以降、波をうちながら、
下落し続けています。

後述しますが、EVの可能性については私も否定はしませんが、一般市場に普及するには
まだ越えなければならないハードルがたくさんあると考えています。

そのため、基準価額にすぐに反映してくると思えません。

評判はどう?

つづいて、EV革命の評判を見てみましょう。
評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけEV革命を購入している人が多い
ということなので、評判がよくなっているということです。

EV革命は毎月流入超過となっているものの、流入額はどんどん減っており、
評判が良くなくなってきているということがわかります。
このパフォーマンスでは当然の結果と言えるでしょう。

グローバルEV関連株ファンド『EV革命』の今後の見通し

まず、世界的な流れとして、多くの炭素燃焼を動力とする自動車を道路から
排除する方向で合意がなされています。

各国で内燃エンジンを搭載した新車の販売を終了する目標期限を設定しており、
ノルウェーであれば2025年、フランスやイギリスは2040年としています。

自動車メーカーもフォルクスワーゲンが2030年までに全モデルを電気自動車にする
と発表し、ゼネラル・モーターズも2023年までに20の完全電気式のモデルを
開発する方針を打ち出しています。

このように世界的な動きはあるものの、実際の普及率は1%以下となっており、
多くの課題が存在しています。

例えば、充電の手間です。充電スタンドも増えてきてはいますが、
ガソリンスタンドほどは充実していません。

車の充電が切れそうになったときにすぐに充電スポットがないとなると、
手を出しづらくなりますよね。

また充電スタンドは1か所に複数あるわけではないので、充電待ちの時間も
かかります。

それ以外では、やはり価格がまだ高く、あえて買い替えるまでには至っていない
と言う点もあげられるでしょう。

下図はデロイトが発表した資料ですが、2030年までに電気自動車の普及率は
全体の10%程度という予測を出しています。

つまりあと10年ほど経っても、その程度しか普及できない障壁が色々とあると
いうことです。

ここからもEV関連株が伸びるには、まだ相応の時間が必要だと考えられ、
高コストを払ってでも今のタイミングから購入する必要はないでしょう。