日興アセットのグローバル・モビリティファンドやBNYメロンの
モビリティ・イノベーションファンドと並んで、注目が集まって
いる大和住銀のEV革命。

同時期にファンドを出すことで、注目を集めようというマーケティングの
戦略ですが、投資家からすると、何がどう違うのかよくわかりません。

実際、中身をよくみると、違いがわかってくるので、
今日は、EV革命について、私が独自の目線で分析、評価していきます。

グローバルEV関連株ファンド『EV革命』の基本情報

投資対象は?

EV革命の投資対象は、EV(電気自動車)の進化や発展に伴い
恩恵を受ける企業です。

国別の構成比率を見てみると、アメリカが約5割となっており、
次いで日本、フランスと続いています。


※引用:マンスリーレポート(2019年4月)

EV革命は現在47銘柄で構成されており、組入上位の銘柄は
以下のようになっています。

まさにEVや自動運転をに注力している企業が上位に組入れ
られています。

※引用:マンスリーレポート(2019年4月)

運用体制は?

EV革命の実際の運用は、ロべコSAMエージ―が行います。

ロベコはオランダの大手資産運用グループ「ロベコ・グループ」
の100%出資法人で、1995年に設立され、ESG分野で高い評価を
受けている資産運用会社です。

ちなみ、ESG分野とは、環境(Enviroment)、社会(Social)、
企業統治(Governance)に配慮している企業を重視・選別して
投資を行う方法です。

純資産総額は?

続いて、グローバルEV関連株ファンド『EV革命』の純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性
がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

グローバルEV関連株ファンド『EV革命』の現在の純資産総額は
約1100億円ですので、純資産総額は問題ありませんね。

ただ、純資産総額の増減を見てもらえばわかるとおり、基準価額
が下落しつづけている影響で、純資産はここ1年ほどほとんど
増えていません。


※引用:マンスリーレポート(2019年4月)

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

グローバルEV関連株ファンド『EV革命』の実質コストは、1.83%と
前期の1.97%よりは下がりましたが、依然割高の水準となっています。

テーマ型ファンドはコストが高いことも多いですが、パフォーマンス
が伴わないと、まったく割にあいません。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.76%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.83%(概算値)

※引用:運用報告書(決算日2019年1月23日)

実質コストを加味しても、EV革命よりはるかに優れたアクティブファンド特集

グローバルEV関連株ファンド『EV革命』の評価分析

基準価格をどう見る?

EV革命の現在の基準価額は8800円程度です。

2018年はとにかく下落をの一途をたどっていましたが、2019年に
入り、ようやく反発してきました。しかし、依然基準価額が
10,000円を割り込んでいるので、10,000円を越えてくるには
まだまだ時間が必要なようです。

後述しますが、EVの可能性については私も否定はしませんが、
一般市場に普及するにはまだ越えなければならないハードルが
たくさんあると考えています。

そのため、基準価額にすぐに反映してくると思えません。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

EV革命の直近1年間の利回りは▲12.35%と、同カテゴリー内でも
ほぼ最下位にパフォーマンスとなっています。

毎年2%近くの信託報酬を払って、このパフォーマンスでは投資
する気になれません。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲12.35% 98%
3年
5年
10年

※2019年4月時点

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、EV革命の
基準価額のブレの大きさを知るには役立ちます。

単年の標準偏差はあまり役立たないのですが、20を超えてくると
国内小型株ファンドと同じくらいに基準価額のブレは大きくなります。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 21.70 83%
3年
5年
10年

※2019年4月時点

年別のパフォーマンスは?

EV革命の年別のパフォーマンスを見てみましょう。

2018年が悲惨な結果でしたので、2019年に入っても、未だ
マイナス分を取り戻せていません。

EV関連銘柄が評価されるまでまだ時間がかかると思いますので、
基準価額の回復にはまだ時間を要すると思われます。

年間利回り
2019年 +10.55%(1-3月)
2018年 ▲20.98%

※2019年4月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

ここでは、他の運用会社が設定しているEV革命と類似したファンド
とパフォーマンスの比較を行いました。

EV革命は橙色です。他にもっと悲惨なパフォーマンスのファンドが
ありますが、EV革命は真ん中くらいに位置しています。

組入銘柄や運用方針が少しずつ異なるので、一概に比較はできませんが、
この中で見ると、グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド
頭ひとつ飛びぬけているようです。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

EV革命に投資をする前に、最大でどの程度下落する可能性が
あるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではEV革命の最大下落率を見てみましょう。最大下落率は
2008年2月~2019年1月の1年間で▲20.74%でした。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲11.79%
3カ月 ▲19.62%
6カ月 ▲19.61%
12カ月 ▲20.74%

※2019年4月時点

評判はどう?

つづいて、EV革命の評判を見てみましょう。

評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけEV革命を購入している
人が多いということなので、評判がよくなっているということです。

EV革命は毎月流入超過となっているものの、流入額はどんどん
減っており、評判が良くなくなってきているということがわかります。

このパフォーマンスでは当然の結果と言えるでしょう。


※引用:モーニングスター

グローバルEV関連株ファンド『EV革命』の今後の見通し

まず、世界的な流れとして、多くの炭素燃焼を動力とする自動車を
道路から排除する方向で合意がなされています。

各国で内燃エンジンを搭載した新車の販売を終了する目標期限を
設定しており、ノルウェーであれば2025年、フランスやイギリスは
2040年としています。

自動車メーカーもフォルクスワーゲンが2030年までに全モデルを
電気自動車にすると発表し、ゼネラル・モーターズも2023年までに
20の完全電気式のモデルを開発する方針を打ち出しています。

このように世界的な動きはあるものの、実際の普及率は1%以下と
なっており、多くの課題が存在しています。

例えば、充電の手間です。充電スタンドも増えてきてはいますが、
ガソリンスタンドほどは充実していません。

車の充電が切れそうになったときにすぐに充電スポットがないと
なると、手を出しづらくなりますよね。

また充電スタンドは1か所に複数あるわけではないので、充電待ち
の時間もかかります。

それ以外では、やはり価格がまだ高く、あえて買い替えるまでには
至っていないと言う点もあげられるでしょう。

下図はデロイトが発表した資料ですが、2030年までに電気自動車の
普及率は全体の10%程度という予測を出しています。

つまりあと10年ほど経っても、その程度しか普及できない障壁が
色々とあるということです。

ここからもEV関連株が伸びるには、まだ相応の時間が必要だと
考えられ、高コストを払ってでも今のタイミングから購入する
必要はないでしょう。

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