企業活動のグローバル化が進み、企業の成長性などの差が広がる中、その企業だけの調査では、
十分ではなくなってきています。仕入先や関係会社はもちろん、グローバルネットワークを
活かして、世界中の競合他社との比較も行う必要があります。

今回は、日本を含むアジアおよびオセアニアの株式をターゲットにした
フィデリティ・日本・アジア成長株について徹底分析していきます。

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の基本情報

投資対象は?

フィデリティ・日本・アジア成長株投信は日本を含むアジアおよびオセアニアの取引所に
上場している株式に投資していきます。

中長期的にMSCI ACパシフィック・インデックスをベンチマークとして、これを上回る
投資成果をあげることを目標とします。

では、フィデリティ・日本・アジア成長株投信の国別構成比率を見てみると、日本が
約4割、中国、台湾、香港と続きます。


※引用:マンスリーレポート(2018年10月時点)

現在の組入銘柄数は41銘柄となっており、業種別の比率で見てみると、
銀行、エネルギーという順に比率が高くなっています。


※引用:マンスリーレポート(2018年10月時点)

純資産総額は?

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで売買できなかったり、コストが
嵩みますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

フィデリティ・日本・アジア成長株投信は2006年の設定から順調に純資産を伸ばし、一時期は
1000億円ほどまでいきましたが、リーマンショックで大きくパフォーマンスが下落して以来、
純資産は増えることなく、50億円程度を推移しています。

規模として50億円あれば、最低ラインはクリアしていると言えるでしょう。


※引用:マンスリーレポート(2018年10月時点)

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の実質コストは、1.99%と同カテゴリー内でも
割高になります。もともと信託報酬の設定が高めですが、ファンドの規模が小さいことも
あり、有価証券等の保管費用のコストが相対的に高くなってしまっています。

購入時手数料 3.13%(税込)
信託報酬 1.6092%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.99%(概算値)

※引用:第24期 運用報告書(決算日2018年6月11日)

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の評価分析

基準価額の推移は?

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の基準価額を見てみましょう。
2016年から2017年末にかけては好調でしたが、2018年は下落トレンドとなっています。
まだ反転上昇の兆しは見えませんね。


※引用:モーニングスターWEBサイト(2018年12月時点)

利回りはどれくらい?

それでは、フィデリティ・日本・アジア成長株投信の利回りはどうでしょうか?

直近1年間の利回りは▲9.88%と大きく下落しています。3年、5年、10年平均利回りは
プラスとなっており、特に10年平均利回りは14.48%とカテゴリーランキングでも1位と
なっています。

長期で高いパフォーマンスを出している点は評価に値しますが、直近3年程度の
パフォーマンスは上位50%程度なので、非常に優れているとは言いづらいですね。


※引用:モーニングスターWEBサイト(2018年12月時点)

四半期別のパフォーマンスは?

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の四半期別のパフォーマンスを見てみると、
毎年プラスのリターンを出しています。その点は評価に値するでしょう。


※引用:モーニングスターWEBサイト(2018年12月時点)

類似ファンドとのパフォーマンス比較

フィデリティ・日本・アジア成長株投信に投資を検討するのであれば、インデックスファンドとの
パフォーマンス比較をしておいて、損はありません。

先進国株式のMSCIコクサイと比較するのは、すこしズレますが、海外株式に分散投資するという
広い意味で考えてください。

黄色線がフィデリティ・日本・アジア成長株ですが、eMAXIS 先進国株式インデックスに勝ったり
負けたりしているようなパフォーマンスです。その下の年別のパフォーマンスを見てみると、
eMAXIS 先進国株式インデックスのほうが優れているようです。

10年リターンで比較すると、フィデリティ・日本・アジア成長株のほうが高くなっているのだと
思いますが、リスクの変動幅を考えると、MSCIコクサイに連動するインデックスファンドでも十分な気がします。


※引用:モーニングスターWEBサイト(2018年12月時点)


※引用:モーニングスターWEBサイト(2018年12月時点)

最大下落率は?

フィデリティ・日本・アジア成長株投信への投資を検討するのであれば、どの程度
下落する可能性があるのかは知っておきたいところです。

標準偏差からある程度の変動範囲は予測できますが、過去に実際にどの程度
下落したのかを確認しておいたほうがよいでしょう。

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の最大下落率は、2007年11月〜2008年10月の
▲67.59%です。アジアの新興国銘柄の比率が高いことからも、下落率もかなり大きく
なっています。


※引用:モーニングスターWEBサイト(2018年12月時点)

分配金は?

そもそも分配金をなぜ出してしまうのか疑問ではありますが、フィデリティ・日本・アジア
成長株投信は2016年に400円、2017年に1000円の分配をしています。

もともと分配金を目当てに投資をするようなファンドではないので、分配金は再投資して、
利益を追求してもらったほうが個人的には良いと思いますね。


※引用:モーニングスターWEBサイト(2018年12月時点)

評判はどう?

資金の流出入を見るのはそのファンドの評判を確認するために有効な手段です。
資金が多く入っていれば人気があるファンドですし、流出が続いているようであれば、
評判が悪いファンドと言えます。

それではフィデリティ・日本・アジア成長株投信はどうでしょうか。

直近はパフォーマンスも優れないことから、資金の流出が続いています。
それだけ評判も良くないということですね。


※引用:モーニングスターWEBサイト(2018年12月時点)

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の今後の見通し

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の長期リターンだけを見ると、カテゴリーランキング
でも1位となっているため、悪くないと思ってしまいますが、やはり直近1、3、5年の
パフォーマンスが何ともいまいちな結果であることが気になります。

リターンのブレは小さいほうが安定していますので、フィデリティ・日本・アジア成長株投信に
投資するくらいであれば、MSCIコクサイに連動する超低コストのインデックスファンドで
十分なのではないでしょうか。