企業活動のグローバル化が進み、企業の成長性などの差が広がる中、
その企業だけの調査では、十分ではなくなってきています。

仕入先や関係会社はもちろん、グローバルネットワークを活かして、
世界中の競合他社との比較も行う必要があります。

今回は、日本を含むアジアおよびオセアニアの株式をターゲットに
したフィデリティ・日本・アジア成長株について徹底分析していきます。

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の基本情報

投資対象は?

フィデリティ・日本・アジア成長株投信は日本を含むアジアおよび
オセアニアの取引所に上場している株式に投資していきます。

中長期的にMSCI ACパシフィック・インデックスをベンチマーク
として、これを上回る投資成果をあげることを目標とします。

では、フィデリティ・日本・アジア成長株投信の国別構成比率を見て
みると、日本が約4割、中国、台湾、香港と続きます。


※引用:マンスリーレポート

現在の組入銘柄数は38銘柄となっており、業種別の比率で見て
みると、銀行、エネルギーという順に比率が高くなっています。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで売買できな
かったり、コストが嵩みますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

フィデリティ・日本・アジア成長株投信は2006年の設定から順調に
純資産を伸ばし、一時期は1000億円ほどまでいきました。

しかし、リーマンショックで大きくパフォーマンスが下落して以来、
純資産は増えることなく、47億円程度を推移しています。

規模として47億円あれば、最低ラインはクリアしていると言えるでしょう。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが
通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の実質コストは、2.32%と
前期と比べて、かなり高くなりました。購入時手数料も加味すると、
かなり割高になっています。

もともと信託報酬の設定が高めですが、ファンドの規模が小さいこと
もあり、有価証券等の保管費用のコストが相対的に高くなってしまって
います。

これでは投資家も手が出しづらいですね。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.13%(税込)
信託報酬 1.60%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 2.32%(概算値)

※引用:運用報告書(決算日2018年12月11日)

実質コストを加味しても、圧倒的に高いリターンを出しているアクティブファンド特集

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の評価分析

基準価額の推移は?

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の基準価額を見てみましょう。

2016年から2017年末にかけては好調でしたが、2018年以降は下落トレンド
となっています。まだ反転上昇の兆しは見えませんね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

それでは、フィデリティ・日本・アジア成長株投信の利回りは
どうでしょうか?

直近1年間の利回りは▲14.12%と大きく下落しています。

3年、5年、10年平均利回りはプラスとなっており、特に10年平均
利回りは16.19%とカテゴリーランキングでも1位となっています。

長期で高いパフォーマンスを出している点は評価に値しますが、
直近3年程度のパフォーマンスはいまいちですので、少し注意は
必要です。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲14.12% 82%
3年 +6.04% 38%
5年 +6.21% 32%
10年 +16.19% 2%

※2019年3月時点

標準偏差は?

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の標準偏差を見てみると、
同カテゴリー内では平均より少し下位にとどまっています。

日経平均に連動するインデックスファンドの標準偏差が15~16程度
なので、同程度の変動幅だと思っておけばよいでしょう。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 19.21 62%
3年 15.30 56%
5年 16.02 58%
10年 20.05 91%

※2019年3月時点

年別のパフォーマンスは?

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の年別のパフォーマンスを見て
みると、2018年はマイナスのリターンで終わってしまいました。

2014~2017年は着実にプラスのリターンを積み増しているので、
その点は評価できます。

年間利回り
2018年 ▲18.04%
2017年 +24.25%
2016年 +1.45%
2015年 +2.23%
2014年 +16.89%

※2019年3月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

フィデリティ・日本・アジア成長株投信に投資を検討するのであれば、
インデックスファンドとのパフォーマンス比較をしておいて、損は
ありません。

先進国株式のMSCIコクサイと比較するのは、すこしズレますが、
海外株式に分散投資するという広い意味で考えてください。

黄色線がフィデリティ・日本・アジア成長株ですが、eMAXIS 先進国
株式インデックスに勝ったり負けたりしているようなパフォーマンス
です。

その下の年別のパフォーマンスを見てみると、eMAXIS 先進国株式
インデックスのほうが優れているようです。

10年リターンで比較すると、フィデリティ・日本・アジア成長株のほうが
高くなっているのだと思いますが、リスクの変動幅を考えると、MSCI
コクサイに連動するインデックスファンドでも十分な気がします。

さらに近年は、eMAXIS Slim先進国株式インデックスという超低コスト
のインデックスファンドが登場していますので、さらにパフォーマンス
には差がつくことになります。


※引用:モーニングスター

フィデリティ・日本・アジア成長株投信 eMAXIS 先進国株式インデックス
1年利回り ▲14.12% ▲6.79%
3年平均 +6.04% +7.78%
5年平均 +6.21% +7.65%
10年平均 +16.19%

※2019年3月時点

最大下落率は?

フィデリティ・日本・アジア成長株投信への投資を検討するのであれば、
どの程度下落する可能性があるのかは知っておきたいところです。

標準偏差からある程度の変動範囲は予測できますが、過去に実際に
どの程度下落したのかを確認しておいたほうがよいでしょう。

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の最大下落率は、2007年11月〜
2008年10月の▲67.59%です。

アジアの新興国銘柄の比率が高いことからも、下落率もかなり大きく
なっています。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲32.34%
3カ月 ▲50.46%
6カ月 ▲60.53%
12カ月 ▲67.59%

※2019年3月時点

分配金は?

そもそも分配金をなぜ出してしまうのか疑問ではありますが、
フィデリティ・日本・アジア成長株投信は2016年に400円、2017年に
1000円の分配をしています。

もともと分配金を目当てに投資をするようなファンドではないので、
分配金は再投資して、利益を追求してもらったほうが個人的には良い
と思いますね。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2018年 600円
2017年 1,000円
2016年 400円
2015年 1,300円

※2019年3月時点

評判はどう?

資金の流出入を見るのはそのファンドの評判を確認するために
有効な手段です。

資金が多く入っていれば人気があるファンドですし、流出が
続いているようであれば、評判が悪いファンドと言えます。

それではフィデリティ・日本・アジア成長株投信はどうでしょうか。

直近はパフォーマンスも優れないことから、資金の流出が続いて
います。それだけ評判も良くないということですね。


※引用:モーニングスター

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の今後の見通し

フィデリティ・日本・アジア成長株投信の長期リターンだけを見ると、
カテゴリーランキングでも1位となっているため、悪くないと思って
しまいますが、やはり直近1、3、5年のパフォーマンスが何とも
いまいちな結果であることが気になります。

リターンのブレは小さいほうが安定していますので、フィデリティ・
日本・アジア成長株投信に投資するくらいであれば、MSCIコクサイに
連動する超低コストのインデックスファンドで十分なのではないでしょうか。

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