投資信託の運用といえば、ファンドマネージャーがいて、調査部や
トレーディング部があって、日々パソコンとにらめっこをしながら、
良い銘柄を物色しているというイメージがあるかもしれません。

しかし、当然、そうなれば、人件費が膨らんできます。
預かり資産が十分にあり、信託報酬が十分にもらえる
運用会社はよいですが、すべての運用会社が順風満帆という
わけにはいきません。

そこで、人件費を抑えつつも良い投資信託を提供する方法は
ないのかということで、ある方法が頻繁に使われるようになりました。

今日は、その点についてお話ししていきます。

投資信託の運用会社も経営は楽ではない。

運用会社の収益構造は、信託報酬という唯一の収入を人件費と
その他費用(システム・情報機器費用)で食いつぶすか、利益を残せるか
という極めて単純なビジネスモデルです。

特徴的なのは、とりわけ人件費の占める割合が高く、
次が経理・勘定系システム費用と情報機器利用料を併せた装置費用という点です。

収入は運用資産の預かり残高に応じて、個々の投資信託の信託報酬が
入ってきますので、運用会社を黒字化するには、預かり残高を増やすか、
費用を減らす、すなわち人員を減らすか装置費用を減らすしかない。
ということになります。

日々の営業活動ももちろん預かり資産額に大きな影響を及ぼしますが、
直接お客様と関係性があるわけではないので、相場が大きく下落すると、
運用会社は、自分たちでは為すすべなく預かり資産残高が減ってしまいます。

そして、資本がある水準を下回ると、金融庁への届け出義務が生じ、
最悪増資ができなければ、投資運用業の認可取り消しで廃業と
ならざるを得なくなるというわけです。

そこで、コストの削減を進めるために、投資信託の運用を
アウトソースするという考えが生まれてきました。

外国籍ファンドを国内籍ファンドにWRAPする投資信託

投資運用業というライセンスは実は簡単に取得できるものではありません。

そのため、例えば外国籍の運用会社が自社の投資信託を
国内で販売したくても、販売できないのが現状なのです。

そこで、外国籍の投資信託を国内籍の投資信託で購入し、
為替ヘッジだけを行って、円建ての投資信託として売る
ビジネスが出てきました。

実質、運用を外国籍の運用会社にアウトソースするようなイメージです。
「楽天USリート・トリプルエンジン」等がまさにその良い例ですね。
こちらの投資信託は楽天投信投資顧問が、クレディ・スイス・インターナショナル、
スター・ヘリオス、ボルト・インベストメントにリート連動債の
運用をアウトソースしているような投資信託です。

こうすることで、外国籍の運用会社にもメリットがあるし、
自社に重装備の運用部隊も不要になりますので、
コスト削減だけでなく、資金繰りや為替ヘッジのオペレーションなど、
新人でも管理ができる投資信託を作れるようになったわけです。

販売資料などをみても一般の人は、アウトソースしている投資信託
なのかはほとんど気にしませんので、運用会社にとっては、
コストを抑えて、投資信託を量産する手段となっています。

私個人としては、こういった投資信託ばかりになってしまうと、
運用会社に本来の運用する力が備わっていかないと考えているので、
あまりこの流れが続くのはよろしくないと思っていますが。

まとめ

投資家目線でいえば、海外の銀行口座を作り、そこから直接、
投資信託を購入すれば、無駄な手数料を取られなくて済むわけですが、
そこまで金融リテラシーが高い人ばかりではないのも事実。

こういった形で今まで購入できなかった外国籍の投資信託を
購入できるようになるということは、ひとつの大きな進歩かと思います。

ただ、こういった形の投資信託ばかりになると、
ファンドマネージャーの育成が進まないので、
運用会社には、ファンドマネージャーの育成もしっかり進めてほしいと思います。