超高齢化社会の到来とともに、確実に増えてくる医療ニーズ。
その将来性を見越して、三井住友DSアセットがバイオ系
ファンドを新規設定しました。

バイオ系のファンドというのは、各企業の開発の成否が
株価に大きく影響されるため、通常の株式ファンドとは、
少し違う値動きをします。

直近、純資産は減少傾向にありますが、果たして、フュー
チャー・バイオテックはどうなのか分析していきます。


フューチャー・バイオテックの基本情報

投資対象は?

投資対象は世界のバイオテクノロジーおよび医療機器関連の
株式へ投資を行います。

バイオテクノロジー関連企業というのは、医薬品の開発を
行う企業のほか、遺伝子検査や科学・実験機器関連の企業を
含みます。

バイオテクノロジーと医療機器の投資比率はおおむね7:3となる
ように投資していきます。

後述しますが、フューチャー・バイオテックは2つのファンドに投資を
するファンド・オブ・ファンズ方式で運用されており、そのうち、
医薬品・バイオテクノロジー銘柄に投資を行うカンドリアム・
エクイティーズの組入比率を見てみます。

現在は約100銘柄で構成されており、そのうち85%超が米国
株式となっています。それ以外の国の銘柄は2~3柄ずつしか
入っていない状況です。


※引用:マンスリーレポート

もう一つのフィデリティ医療機器関連株ファンドの組入銘柄は
現在約50銘柄となっています。こちらも米国株式が85%ほど
入っており、もう米国株式ファンド言っても差し支えないよ
うな状況です。


※引用:マンスリーレポート

運用の体制は?

フューチャー・バイオテックの運用はファンド・オブ・
ファンズ方式で行い、実質的な運用は、バイオテクノロジ
ー関連株式への投資をカンドリアム・ベルギー・エス・
エーが行い、

医療機器関連株式への投資をフィデリティ・マネジメント・
アンド・リサーチ・カンパニーの2社が行います。


※引用:交付目論見書

カンドリアム・インベスターズ・グループは1996年創設で、
ブリュッセルを拠点とし、従業員約500名の運用会社です。

バイオテクノロジー関連株式1000銘柄から、公表されている
臨床試験データや医療的ニーズ、経営者とのミーティングを
交えて、銘柄を選定していきます。

フィデリティ・インターナショナルは1969年創設で従業員
約7000名の巨大な運用会社です。

医療関連企業の投資ユニバースから継続的な安定成長が
見込める企業と破壊的なプロダクトをもつ企業を中心に
投資を行っていきます。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで
銘柄を入れ替えることができなかったり、純資産総額が
大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまく
できず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、
事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

フューチャー・バイオテックは設定から1年たらずで2000億
近くまで膨れ上がりましたが、その後運用状況が芳しく
なかったため、現在では800億円程度まで減少しています。

ただ、2019年後半からは非常にパフォーマンスも好調
なので、今後、資金が流入する可能性は十分にあると
思います。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

フューチャー・バイオテックの実質コストは1.99%とかなり
割高です。

これでパフォーマンスが優れていればよいのですが、運用実績
もいまいちということであれば何のために投資をするのかわか
りません。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.978%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.99%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

フューチャー・バイオテックの評価分析

基準価額の推移は?

フューチャー・バイオテックの基準価額は2019年後半まで
ぱっとしない運用がつづきました。

しかし、2019年後半から大きく上昇し、2020年のコロナ
ショックで大きく急落していますが、その前に大きく上昇
していた分、トータルでの影響は小さく収まっています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

フューチャー・バイオテックの直近1年間の利回りは1.30%
となっており、一見するといまいちなパフォーマンスの
ように見えますが、海外株式カテゴリーの中では上位10%
に入る好成績を残しています。

1.30%で上位1割にランクインできているわけですので、
直近1年間はいかに他のファンドが大きくマイナスになって
いるかがよくわかりますね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 +1.30% 6%
3年
5年
10年

※2020年4月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅の大きさを把握するのに
役立ちます。

他の株式ファンドの大半はコロナショックの影響で、
標準偏差が1.5倍~2.0倍程度に上昇しましたが、
驚くべきことに、フューチャー・バイオテックは
ほとんど変化がありませんでした。

つまり、コロナショックが起きても起きなくても
同じような運用ができているということですね。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 19.40 18%
3年
5年
10年

※2020年4月時点

年別のパフォーマンスは?

フューチャー・バイオテックの年別のパフォーマンスを
見てみましょう。

2019年は+33.96%ととても素晴らしい結果となっています。

2020年は確かにマイナスではあるものの、2019年からの
トータルで見れば、十分許容できる範囲内に収まって
いますね。

年間利回り
2020年 ▲12.88%(1-3月)
2019年 +33.96%
2018年

※2020年4月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

フューチャー・バイオテックに投資を検討する上で、
類似ファンドとのパフォーマンス比較をしておいて
損はありません。

フューチャー・バイオテックは85%が米国株式なので、
今回は米国を代表する指数であるS&P500に連動する
iFree S&P500インデックスとパフォーマンスを比較
してみます。

2020年の2月ごろまではiFree S&P500インデックスのほうが
パフォーマンスで上回っている期間が長かったのですが、
コロナショック以降はそれが逆転しています。

医療系の銘柄はコロナウイルスのワクチン開発などで、
期待されていることも要因の1つだと思います。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

つみた先進国株式に投資をする前に、最大でどの程度
下落する可能性があるのかを知っておくことは非常に
重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、
大きく下落した相場でも落ち着いて保有を続けられる
からです。

それではここでつみたて先進国株式の最大下落率を見て
みましょう。

最大下落率は、2018年10月から12月の▲19.61%です。
今回のコロナショックで最大下落率を更新するかと
思いましたが、2018年のほうが影響が大きかった
ようです。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまう
かもしれません。

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れ
の可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲13.32%
3カ月 ▲19.61%
6カ月 ▲10.44%
12カ月 ▲13.81%

※2020年4月時点

評判はどう?

フューチャー・バイオテックの評判はネットでの書き込み
などで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に
立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを
購入している人が多いということなので、評判が良いという
ことです。

フューチャー・バイオテックは2018年以降、資金流入が
かなり縮小していますが、それでもなんとかプラスを維持
していました。

しかし2019年に入り、資金が流出超過となっており、評判は
悪くなっていることがわかります。

ただ、2019年以降のパフォーマンスは決して悪くありません
ので、今後資金流入が続いてもおかしくありません。


※引用:モーニングスター

フューチャー・バイオテックの今後の見通しと評価まとめ

高齢化社会が進行し、医療のニーズは間違いなく高まっていく
なかで、バイオ関連の企業の株価も伸びるのではないかと考えて
しまいがちですが、注意しておかなければならないことがあります。

それは、医薬品の開発というのは、非常に将来の計画を見通す
のが難しいということです。

1つ革新的な医薬品の開発に成功すれば、株価は急上昇するわけ
ですが、その開発の難易度が非常に高いのです。

特に、臨床試験もフェーズが進み、あと一歩というところまで
きて、予期せぬ副作用が見つかってしまうと、株価下落の要因
になるのですが、最後の最後までうまくいくかどうかは、神のみ
ぞ知ることです。

医療の発展というのは、社会貢献という意味でも投資に値する
テーマではあると思いますが、投資には慎重になったほうが
よいでしょう。

ただ、今回のコロナショックでは、S&P500よりも下落幅を
抑えられたことで、それまでS&P500に連動するインデックス
ファンドにパフォーマンスで負けていましたが、逆転する
ことに成功しています。

今後の運用次第にはなりますが、S&P500を引き続きアウト
パフォームできるようであれば、投資対象としてもどんどん
魅力が増していくでしょう。