2020年の東京オリンピック開催に向けて、ここ数年堅調な動きを
見せていたJリート市場。17年後半から少し停滞気味ではありますが、
今後もっと期待できる市場です。

他の資産との相関比較的低いので、ポートフォリオの一部に組み入れ
ている投資家も多いでしょう。

その中で290円と高水準の分配金を出して一気に注目を浴びた投資信託
があります。

その名は、MHAM Jリートアクティブファンド(毎月決算型)
『愛称:Jインカム』です。

今日はこのJインカムについて詳しく見ていきましょう。

MHAM Jリートアクティブファンド『Jインカム』の基本情報

Jインカムの投資対象は?

Jインカムの投資対象は、国内の金融商品取引所に上場している
不動産投資信託証券(Jリート)です。

東証REIT指数(配当込み)をベンチマークとしています。

現時点での組入業種比率は以下の通りです。総合施設やオフィスの
比率が高いことがわかりますね。


※引用:マンスリーレポート10月号

純資産総額は?

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額
だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで売買できな
かったり、コストが嵩みますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

Jインカムの純資産総額は、158億円です。Jリート内で上位ではあります
が、それほど大きいファンドではありません。

ほとんど0だった純資産総額が2014年の後半あたりに一気に膨れ上がって
いるのがわかります。

このとき何があったのでしょうか?

その少し前で基準価額が急激に上昇し、2014年の12月の分配金が290円
になっています。

これで分配金利回りが高くなり、目先の利益を求めた投資家が一気に
食らいついた形ですね。


※引用:マンスリーレポート10月号

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

では、Jインカムの実質コストはどうなっているでしょうか?

Jインカムの実質コストは、1.1%となっています。

アクティブファンドの中ではまだ割安ですが、購入時手数料を
取る時点で、注意しなければなりません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.16%(税込)※税込
信託報酬 1.08%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.10%(概算値)

※引用:第57期 運用報告書(決算日2018年5月7日)

Jインカムで本当に大丈夫?圧倒的に高いリターンを出しているアクティブファンド特集

MHAM Jリートアクティブファンド『Jインカム』の評価分析

基準価額の推移は?

Jインカムの基準価額の推移を見てみましょう。

分配金再投資基準価額(青線)を見てみると、2016年~2017年に
かけては、下落トレンドが続いており、2018年は大きく戻しています。

一方で、基準価額は横ばいですので、過剰な分配がなされていることが
わかりますね。

 


※引用:モーニングスターWEBサイト

利回りはどれくらい?

Jインカムの年間平均利回りは+10.91%、5年で6.51%です。

同カテゴリー内では真ん中より少し後ろの順位ですので、
パフォーマンスが優れているとは言い難いですね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 10.91% 67%
3年 3.07% 64%
5年 6.51% 57%
10年

※2018年11月時点

標準偏差は?

Jインカムの標準偏差を見てみると、常に上位6~7割の位置に
ランクインしています。

パフォーマンスもいまいち、価格のブレも比較的大きいとなると、
あまり積極的には投資をしたいと思いませんね。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 7.07 50%
3年 7.38 71%
5年 8.60 67%
10年

※2018年11月時点

年別の運用パフォーマンスは?

Jインカムの年別のパフォーマンスを見てみると、マイナスの年と
プラスの年が交互に入れ替わっています。

今年はプラスで終わりそうなので、来年はまたマイナスの年になる
かもしれません。

年間利回り
2018年 9.28(9月末)
2017年 ▲8.18%
2016年 8.40%
2015年 ▲4.49%
2014年 27.41%

※2018年11月時点

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類似ファンドとのパフォーマンス比較

Jインカムへの投資を検討するのであれば、より低コストのインデックス
ファンドとパフォーマンスを比較してからでも損はありません。

今回は、東証REIT指数をベンチマークとする超低コストインデックス
ファンドであるニッセイJリートインデックスファンドと比較してみましょう。

黄色がJインカム、赤色がニッセイJリートインデックスファンドです。
残念ながら、JインカムはパフォーマンスでニッセイJリートインデックス
ファンドに負けてしまっています。

これでは、Jインカムに投資をする理由がありませんね。


※引用:モーニングスターWEBサイト

最大下落率は?

Jインカムに投資をするのであれば、過去にどの程度下落したこと
があるのかは知っておきたいところです。

Jインカムは2013年7月設定のまだ歴史が浅いファンドですので、
最大下落率も12.31%とまだ小さいですが、リートですので株式並みに
下落することも十分にあるということを頭の隅に置いてください。

期間 下落率
1カ月 ▲6.67%
3カ月 ▲11.35%
6カ月 ▲12.31%
12カ月 ▲8.24%

※2018年11月時点

分配金は?

次にJインカムの分配金を見てみましょう。

2017年の後半からは毎月80円で推移しています。
300円、200円と高額の分配を出しているJリートファンドは
ありますが、80円の分配金でも高水準の方です。

基準価額に対する分配金の割合を示す分配金利回りから考えると、
ファンドの収益力より高くなっていますので注意が必要です。

分配金 当期収益以外 繰越対象額
52期 80円 54円 2564円
53期 80円 39円 2530円
54期 80円 51円 2479円
55期 80円 27円 2453円
56期 80円 63円 2390円
57期 80円 58円 2333円

評判はどう?

評判がどうなのかを判断するうえで資金の流出入額が役に立ちます。

資金が流出超過になっているということは、それだけ解約している
人が多いということです。

つまり評判が悪くなっているということですね。

それでは、Jインカムはどうでしょうか?

まず2014年には資金の流入も流出もほぼなかったファンドが、2014年
12円の分配金290円後急激に資金が流入しているのがわかります。

しかしその一時だけで、それ以降は資金の流出入がとても少ないです。

直近で資金が流入超過になっていることにも驚きですが、あえて今
買うべきファンドではありません。

MHAM Jリートアクティブファンド『Jインカム』の今後の見通し

最後にJインカムの今後の見通しを見てみましょう。

分配金の内訳を確認すると、現在80円出している内訳のほとんどが
当期の収益以外から出ています。

翌期繰越分配対象額も減少し続けているので、今後80円の分配金を
出し続けるのは難しいでしょう。

分配金余力はまだ30カ月ほどはありますので、すぐすぐに減配とは
ならないかもしれませんが、注意は必要です。

何よりこのファンドのパフォーマンスがインデックス型に負けている
のが問題です。

手数料や信託報酬を高くとっていて、インデックスファンドに
パフォーマンスが負けてしまっていては投資する意味がありません。

ですので、Jリートを購入するのであれば分配金が出ないインデックス
型のファンドを選んだ方が良いでしょう。

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