労働力不足や高齢化社会で活躍されることが期待されているロボティクス。
多くの偉業が業務効率化や働き方改革への対応を迫られる中で、ロボット
関連技術への注目が一層集まっています。

日興アセットからは、日本株式に絞り込んだジャパン・ロボティクス株式
ファンドと、グローバル・ロボティクス株式ファンドの2つが設定されて
おり、グローバル・ロボティクス株式ファンドは1兆円規模の巨大ファンド
になっています。

ジャパン・ロボティクス株式ファンドは年1回決算型と年2回決算型が
ありますが、今日は、より人気のある年1回決算型を詳しく分析していきます。

ジャパン・ロボティクス株式ファンドの基本情報

投資対象は?

ジャパン・ロボティクス株式ファンドの投資対象は、日本国内の
ロボティクス関連企業の株式です。

ロボティクス技術が特に目覚ましい発展を遂げているのが、
労働、介護・医療、危険、IoT・AIの4分野となっています。

基本的には、この4分野の銘柄を中心に銘柄を選定していきます。


※引用:交付目論見書

現在の組入銘柄数は59銘柄となっており、組入上位銘柄は以下の
ようになっています。

あなたはこれを見てどのように感じたでしょうか?

私はこの組入銘柄を見て、正直面白みに欠けると思ってしまいました。

基本、大手企業であれば、何かしらロボティクス関連ビジネスには
取り組んでいるわけで、単純に将来有望そうな大企業を選定したように
見えてしまいます。

例えば、ロボティクス事業の売上が全体の50%以上とか、もう少し
こだわりをもって銘柄選定をしてもらわないと、何が違うのかわかり
づらいですね。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、ジャパン・ロボティクス株式ファンドの純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性
がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ジャパン・ロボティクス株式ファンドの純資産総額は2017年6月ごろから
急激に成長しており、一時期1000億円まで到達していましたが、直近の
パフォーマンスが悪かったので、現在では700億円程度になっています。

規模の大きさとしては全く問題ありませんね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ジャパン・ロボティクス株式ファンドの実質コストは1.909%と
かなり割高になっています。それに加えて購入時手数料もかかります
ので、本当に支払う価値のあるファンドなのか見極める必要があります。

購入時手数料 3.24%(税込)※上限
信託報酬 1.674%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.909%(概算値)

※引用:運用報告書(2018年1月24日)

ジャパン・ロボティクス株式ファンドの評価分析

基準価額の推移は?

ジャパン・ロボティクス株式ファンドの基準価額は12,300円程度と
なっています。

2017年はモーニングスターのファンド・オブ・ザ・イヤー2017を取るほど、
優れたパフォーマンスでしたが、2018年に入ってからは全く奮っていません。

2018年はひたすら下落トレンドで、いまで復調の兆しは見えませんね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

続いて、ジャパン・ロボティクス株式ファンドの利回りを見てみましょう。
直近1年間利回りは▲19.36%とかなり厳しい結果となっています。

同カテゴリー内のでランキングでも下位30%に入っており、これでは
投資家が解約するの頷けます。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲19.36% 75%
3年
5年
10年

※2019年1月時点

標準偏差は?

ジャパン・ロボティクス株式ファンドの標準偏差を見てみると、
同カテゴリー内では下位10%程度になっています。

パフォーマンスも優れず、基準価額のブレも大きいとなると、
より投資がしづらくなります。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 19.61 87%
3年
5年
10年

※2019年1月時点

年別のパフォーマンスは?

では、ジャパン・ロボティクス株式ファンドの年別のパフォーマンスを
見てみましょう。

2016年、2017年は大きくプラスとなっていますが、2018年はかなり
厳しい結果となしました。

年間利回り
2018年 ▲19.36%
2017年 36.09%
2016年 9.12%(4-12月)
2015年
2014年

※2019年1月時点

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インデックスファンドとのパフォーマンス比較

高いコストをしはらうのであれば、当然、それなりの結果を残して
もらわなければ意味がありません。

ここでは、日経225をベンチマークとする代表的なファンドである
ニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較して
みましょう。

黄線がジャパン・ロボティクス株式ファンドです。直近までは、
ニッセイ 日経225インデックスファンドを上回っていましたが、
この下落相場で逆転されてしまいました。

もう少し様子見をしたいこところではありますが、インデックス
ファンドと同程度のパフォーマンスしか期待できないのであれば、
インデックスファンドで十分です。


※2019年1月時点

最大下落率は?

ジャパン・ロボティクス株式ファンドに投資をするのであれば、
事前に最大でどの程度下落するかは確認しておいたほうが安心です。

本ファンドはまだ運用期間短いので、そこまで大きな下落は経験
していませんが、3カ月で20%程度の下落はしています。

期間 下落率
1カ月 ▲13.22%
3カ月 ▲21.32%
6カ月 ▲15.81%
12カ月 ▲19.36%

※2019年1月時点

評判はどう?

ジャパン・ロボティクス株式ファンドの評判はネットでの書き込み
などで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、
月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけジャパン・ロボティクス
株式ファンドを購入している人が多いということなので、評判が良い
ということです。

ジャパン・ロボティクス株式ファンドは6月以降毎月資金が流出して
おり、初期のころの人気は今やなく、評判は悪くなる一方です。

インデックスファンドと同程度の利回りしか期待できないのであれば、
仕方ないですね。


※引用:モーニングスター

ジャパン・ロボティクス株式ファンドの今後の見通し

米中貿易摩擦の動向が世界的な株式市場の変動性を高めており、米中の
通称問題の影響が読み切れないとなると、企業は設備投資の先送りや
在庫調整を行うなど、様子見の姿勢を強めています。

そうなると、外需系の銘柄はかなり変動が大きくなる可能性を秘めており、
内需系の銘柄の比率を高めることで、海外の貿易摩擦の問題を極力抑える
方針です。

さきほど、日経平均と比較した図をお見せしましたが、だいたい値動きが
連動していますので、年5~6%であれば、安定的に収益を上げられるのでは
ないかと思います。

一方で、その程度の利回りを目指すなら、高いコストを払ってまで、
アクティブファンドに投資をしなくても、インデックスファンドで十分です。

ジャパン・ロボティクス株式ファンドについては、ロボティクスと
いう名前はついているものの、実際は国内の大手企業に投資をする
ファンドという印象で、あまり魅力を感じないというのが正直なところです。

もう少し、ロボティクスに特化した企業、ロボティクス関連の売上の
比率が50%超を占める企業などが上位に組み込まれるのであれば、面白いですね。