毎年といっていいほど、イノベーションという単語の入ったファンドが
設定されていますが、三菱UFJ国際が今年は出してきました。

新しいもの=良いものという消費者の心理をうまく利用して、実際ほとんど
中身は変わらないファンドを出すのが通例となってきていますが、
はたして未来イノベーション成長株ファンドはどうなのでしょうか?

今日は徹底的に分析していきます。

未来イノベーション成長株ファンドの基本情報

投資対象は?

まず投資対象は、次の時代を創るイノベーションを起こせる企業としています。

投資テーマは、毎年変わる可能性があるようですが、現在は、以下のように
情報通信、環境、ヘルスケア、新素材がテーマとなっています。

特に目新しいテーマが入っているかで言うと、そういうわけでもありませんが、
将来性がある分野であることは間違いありませんね。

現在、どのテーマを中心に投資をしているかを下図に示していますが、
情報通信、ヘルスケア、環境の順に組入比率が高くなっています。

国別の資産構成比を見てみると、ほぼ国内株式ファンドですが、
15%ほどは海外に銘柄もいれているようですね。

もう少しイメージしやすいうように具体的な銘柄を見てみましょう。

1位のエムスリーはインターネットを通じた医療従事者向けに医療関連情報を
提供したり、医薬品メーカーのマーケティング支援も行っています。

2位の朝日インテックはカテーテルやガイドワイヤーなどの医療用器具を
販売しています。トップ10を見ても、よく見る銘柄が多いですね。


※2018年9月時点

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額
だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認
すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

未来イノベーション成長株ファンドは2018年の3月に設定以来、順調に
純資産を伸ばし、すでに800億円規模まで来ています。

販売会社は三菱UFJモルガン・スタンレー証券しかありませんが、
そうとう販促活動に力を入れているのでしょう。

パフォーマンスも悪くないので、まだまだ今後純資産総額は増えていくでしょう。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

未来イノベーション成長株ファンドの実質コスト2.143%と異常な高さとなっています。

販売手数料と併せると初年度は5%程度取られてしまうので、普通に考えればかなり高いですね。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.6632%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 2.143%(概算値)

未来イノベーション成長株ファンドの評価分析

基準価格をどう見る?

未来イノベーション成長株ファンドの基準価額は現在9900円程度です。
まだ設定から半年程度なので、今後に期待というところではありますが、
今年度は厳しい結果になりそうです。

利回りはどれくらい?

未来イノベーション成長株ファンドは、三菱UFJ国際が以前から設定している
三菱UFJ グローバルイノベーション『愛称:ニュートン』と非常に類似しており、
上位10銘柄のうち8銘柄が同じ銘柄となっています。

ニュートンは2017年にファンド・オブ・ザ・イヤー2017を受賞しており、
パフォーマンスも優れています。

ですので、下表のニュートンの利回りは参考になると思います。
ニュートンは5年平均利回りが19.00%、10年平均利回りが10.98%と
かなり高い水準になっています。

運用体制も同じチームが行っていますので、同レベルのパフォーマンスを
期待していいと思います。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法


※2018年9月時点

最大下落率はどれくらい?

投資するにあたって、最大どの程度下落する可能性があるのか知っておくことは
非常に重要です。

結局、多くの人が、大きな下落を経験すると、もうこれ以上は損をしたくないと思い、
基準価額が大きく下がったタイミングで売却してしまうのです。

しかし、大きく下げたあとは、大きく戻るというのが基本であり、事前にどの程度
下落するかを知っておくことで、一番下げきったところで売却してしまうことを
避けることができます。

未来イノベーション成長株ファンドはまだ設定期間が短いですが、
類似ファンドであるニュートンの下落率が参考になります。

下落率は2007年11月~2008年10月で最大-53.05%となっており、
リーマンショックの影響をもろに受けたかたちです。

しかし長期保有をすれば、しっかり利益も出ていますので、
うろたえずに保有しつづけましょう。

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、
月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している人が多い
ということなので、評判がいいということです。

未来イノベーション成長株ファンドは、設定からまだ数か月ですが、
すでに800億円近く集まっており、非常に人気です。

未来イノベーション成長株ファンドの今後の見通し

アクティブファンドにおいて一番重要視すべきポイントは運用体制が
どのようになっているかです。

未来イノベーション成長株ファンドについては、類似ファンドである
ニュートンが10年平均リターンでもカテゴリーランキングで6位に入っており、
経験豊富な運用体制があると想像できます。

実際、株式運用部の部長の宮崎さんは運用経験年数30年のベテランです。

ですので、未来のイノベーション成長株ファンドについては、期待できると
思っています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

正直、私は三菱UFJのこのやり方が好きではありません。

高いパフォーマンスを出しているニュートンという類似ファンドを餌に、
未来イノベーションという新ファンドを設立し、販売手数料を稼ごうとしています。

レポートにもあたかも当ファンドがファンド・オブ・ザ・イヤーを受賞したか
のような記載となっており、素人投資家であれば、勘違いしてしまうでしょう。

コストは正直高いので、無理して購入するファンドではないと思いますが、
十分伸びる余地はありますので、少額であれば購入してみても面白いと思いますよ。