G20の構成国・地域を投資対象としていることを大きく掲げ、安心感を
与え資金を集めた世界標準債券ファンド 『愛称:ニューサミット』。

しかし、蓋を開けてみれば、最高格付けAAAの先進国であるオースト
ラリアには30%しか投資しておらず、他の70%近くが新興国に
投資しています。

果たしてパフォーマンスはどうなのでしょうか?
今日は、ニューサミットを徹底分析したいと思います。

世界標準債券ファンド 『ニューサミット』の基本情報

投資対象は?

ニューサミットの投資対象は、国際経済・政治の動向に大きな影響を
与えるとみられる国や地域、つまりG20の構成国・地域の通貨を
投資対象としています。

その中から3通貨ほど選定し、その通貨建てのソブリン債に投資します。

また3通貨の選定基準は、原則BBB(Baa)以上、その中の最低1通貨は
AAマイナス(Aa3)格以上の格付けが付与されているソブリン債とします。
今現在、G20の構成国は以下通りです。


※引用:交付目論見書

その中でニューサミットの国別の組入比率はインドネシアルピア、
オーストラリアドル、メキシコペソがそれぞれ30%ほど組み入れられ、
ロシアルーブルが1%ほど入っています。

また平均格付けはAAマイナスです。オーストラリアがAAAに対し、
メキシコがAマイナス、インドネシアがBBBマイナスとなっています。


※引用:マンスリーレポート10月号

純資産総額は?

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで売買できな
かったり、コストが嵩みますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ニューサミットの純資産総額はどうでしょうか?

2015年から基準価額の下落とともに純資産総額も減っていることが
わかります。800億近くあった純資産総額は現在は114億円程度です。


※引用:マンスリーレポート10月号

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ニューサミットの実質コストは1.45%で、同じ国際債券に投資する
ファンドの中では、平均的なコストになります。

ただ、購入時手数料が3%かかりますし、このパフォーマンスでは、
高いと思ってしまうのも無理はありません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.4%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 1.45%(概算値)

※引用:第100期 運用報告書(決算日2018年7月17日)

実質コストを加味しても、圧倒的に高いリターンを出している海外債券ファンドランキング

世界標準債券ファンド 『ニューサミット』の評価分析

基準価額の推移は?

ニューサミットの基準価額は直近3年間で35%ほど下落しています。

分配金再投資基準価額(青線)を見てみると、今年はパフォーマンス
自体がマイナスであることもあり、基準価額の下落スピードが
速まっています。当然ながらタコ足配当になっています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

ニューサミットの利回りはどうでしょうか。

直近1年間の利回りは▲8.40%、3年平均利回りが▲5.05%、5年平均
利回りが▲2.80%です。

カテゴリー内の順位は全てほぼ最下位となっており、ここまで
ひどいパフォーマンスのファンドも珍しいです。

投資対象には全くなりませんが、ニューサミットのようなファンドが
なぜこのような結果となっているかを分析することで、今後自分たち
がドツボにはまらずに済むことになりますよ。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲8.40% 96%
3年 ▲5.05% 100%
5年 ▲2.80% 99%
10年

※2018年11月時点

標準偏差は?

ニューサミットの標準偏差を見てみるとほぼ最下位を推移しています。

パフォーマンスがひどいだけでなく、価格のブレも大きいということ
で何一つ良さがないファンドと言えます。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 8.05 96%
3年 8.92 90%
5年 10.18 96%
10年

※2018年11月時点

年別のパフォーマンスは?

ニューサミットの年別のパフォーマンスを見てみると、プラスにも
マイナスにも10%を超えている年があり、思った以上にリスクの大きい
ファンドであることがわかります。

年間利回り
2018年 ▲3.24%(9月時点)
2017年 4.36%
2016年 ▲8.66%
2015年 ▲15.22%
2014年 15.68%

※2018年11月時点

最大下落率は?

ニューサミットに投資をするのであれば、最大どの程度下落したことが
あるのかは知っておきたいところです。

ニューサミットの最大下落率は、2015年7月から2016年6月の1年で
▲23.43%です。

設定が2010年3月で、リーマンショックの影響を受けてないので
この値ですが、新興国の債券のリスクの大きさというのがよくわかりますね。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲11.36%
3カ月 ▲14.22%
6カ月 ▲13.77%
12カ月 ▲23.43%

※2018年11月時点

分配金は?

次にニューサミットの分配金を確認してみましょう。

2017年の半ばに70円からその半分近くの40円に引き下げているのが
わかります。

これだけ酷いパフォーマンスにもかかわらず、分配金利回りが10%を
超えていますので、当然、基準価額の下落は止まりませんし、さらに
減配となってもおかしくありませんね。

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
95期 40円 14円 729円
96期 40円 13円 715円
97期 40円 10円 705円
98期
40円
13円
691円
99期
40円
14円
677円
100期
40円
10円
666円

評判はどう?

評判がどうなのかを判断するうえで資金の流出入額が役に立ちます。
資金が流入超過になっているということは、それだけ購入している
人が多いということです。つまり評判が良いということです。

それではニューサミットはどうでしょうか。

2014年後半の基準価額が上昇基調だった頃に資金が流入しましたが、
それ以降は、資金の流出が続いています。

ここからも人気があるファンドとは言えませんね。


※引用:モーニングスター

世界標準債券ファンド 『ニューサミット』の今後の見通し

最後にニューサミットの今後の見通しについて見てみましょう。

まず分配金を半分近くに引き下げたにも関わらず、当期の収益以外
から分配金を補充している状況です。

また運用成績が5年間ほぼ最下位となっており、全く投資価値が
ありません。

高い利回りを目指し新興国に70%近く投資していますが、ここ
数年の新興国通貨の大暴落で新興国債券の高利回りの恩恵も受け
れませんでした。投資先の選択が間違っていたようですね。

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