岡三アセットマネジメントが運用する次世代モビリティオープン。
日興アセットやBNYメロンからもすでに同じテーマのファンドが出ており、
そこに追随したような形となっています。

次世代モビリティオープンは為替ヘッジあり・なしの2コースがありますが、
今日は人気の高いヘッジ無を分析していきます。とは言っても、ヘッジ有を
保有しているもしくは購入を検討している方にも参考になるように書いて
いますので、ぜひ参考にしてください。

次世代モビリティオープンの基本情報

投資対象は?

次世代モビリティオープンの投資対象は、日本を含む世界のモビリティ関連企業の株式です。
モビリティ関連企業というのは、人・モノの移動に関する幅広い分野で新規性・成長性の
高い事業に取り組み、事業の実現性や収益成長が見込まれる企業を指します。

業種別の組入比率を見てみると、自動車・自動車部品が38.4%で最も高く、
次いで、半導体の比率が24.4%と高くなっています。

あまりイメージが湧かないかもしれませんが、自動運転等の技術には、
半導体が必要不可欠なので、比率が高くなっていると考えておけばよいでしょう。
国別の組入比率は米国が44.7%と最も高く、次いで日本、ドイツとなっています。

運用体制は?

運用にあたっては、世界的な運用会社であるTCWインベストメント・マネジメント・
カンパニーの助言を受けています。

ほとんどの日本の運用会社に言えることですが、助言を受けていると言っても
果たして岡三アセットがどこまで自分たちで判断して銘柄を決定しているのか、
そして1%という高額の委託者報酬のうちどの程度がTCWの取り分なのか不透明です。

とりあえず、手数料が高くなることだけは間違いないですね。

純資産総額は?

次世代モビリティオープン(ヘッジ無)の純資産総額は、現在約84億円です。
20社を超える販売会社が付いていますが、ネット証券と中堅中小証券が中心のため、
今ひとつ精彩に欠けます。

岡三アセットとしては、新たな販売会社に加わって欲しいところですが、
銀行は本ファンドのようなテーマ型を新たな商品ラインナップに加えることについて
消極的ですし、大手証券は類似ファンドをすでに扱っているので、積極的に
取り扱うことはありません。

投資家目線で言えば、特にリスクのある純資産規模ではないので、安心してください。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

次世代モビリティオープンの実質コストはまだ最新の運用報告書が出ていないため
わかりませんが、だいたい1.78~1.88%の間であると想定されます。
初年度は購入時手数料と合わせて、5%近くになるので、慎重に検討する必要があります。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.7712%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.78~1.88%(概算値)

次世代モビリティオープンの評価分析

基準価額をどう見る?

次世代モビリティオープン(為替ヘッジ無)の基準価額は、10,249円です。
見てわかる通り、なかなか上昇トレンドに乗れておらず、上がっては下げ、上がっては下げ
を繰り返しています。

これだけでは、果たして良いのか悪いのかわかりませんので、他社から出ている
モビリティをテーマにしたファンドと比較してみました。プラスが出ているのは、
2社で次世代モビリティオープンは2位につけています。

しかし、全体として、盛り上がっているマーケットではないですね。

分配金の見込みは?

初回決算日は2019年3月設定のため、まだ分配金実績はありません。
ファンドのコンセプトや分配金に対する昨今の厳しい目を考慮すると、
相当に押さえた分配金になると予想されます。

もちろん、それまでに運用がうまくいって分配原資の捻出が可能な状態であれば、
の話です。

評判は?

次世代モビリティオープンの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけ次世代モビリティオープンを購入している人が
多いということなので、評判が良いということです。次世代モビリティオープンは設定以来、
毎月資金が流入超過となっており、人気の高さが伺えます。

次世代モビリティオープン今後の見通し

モビリティを投資コンセプトにしたファンドは決して不自然ではありませんが、
私個人としては、まだ時期早尚のイメージがあります。モビリティやEV関連の事業が
盛り上がってくるのは、2020年代に入ってからではないかと考えています。

実際、本ファンドよりも早くから設定された類似ファンドのパフォーマンスを見てみると、
2018年1月22日設定のモビリティ・イノベーション・ファンド(BNYメロン)は9,578円、
2018年1月28日設定のモビリティ革命(三井住友トラストアセット)は9,440円と、
どれも散々なパフォーマンスです。

これだけ見ても、3番煎じ以降の本ファンドを購入する理由は見当たりません。

また、決算発表のピークを過ぎたモビリティやEV関連のセクターに目立った好材料が見受けられない
ことから、今後TOPIXやMSCIコクサイなどのインデックスをアウトパフォームできるかという点には
疑問を感じます。

高いコスト・テーマ型アクティブファンド・テーマに好材料無し、これだけの要素が揃えば
次世代モビリティオープンに購入する価値があるか否かは自ずと分かります。
くれぐれも、次世代云々ような耳障りの良い謳い文句に踊らされないようにしましょう。