内資の運用会社では珍しく、ファンドマネージャーを全面に押し出して
販促をおこなっているニッセイアセットのげんせん投信。

どう考えてもスパークスの厳選投資をまねたようにしか見えず、
ネーミングセンスは下の下だと思いますが、実際の運用はどうなのでしょうか?

今日はげんせん投信の評価や今後の見通しについて分析していきます。

げんせん投信の基本情報

投資対象は?

まず投資対象は、日本の株式で、CFROI(Cash Flow Return On Investment)という
キャッシュフロー投下資本利益率が大幅に改善が予想される銘柄を厳選していきます。

また財務データとして確認できる情報だけでなく、企業の競争力の源泉でもある
経営力や組織力など目に見えない資産を重視し銘柄選定をしていきます。


※引用:交付目論見書

現在の組み入れ銘柄数は50銘柄となっており、業種別比率は
以下のようになっています。個人的には「げんせん」というからには、
スパークスの厳選投資のようにもう少し銘柄を絞ってほしいところです。


※引用:マンスリーレポート

運用体制は?

げんせん投信のファンドマネージャーの伊藤琢さんを中心に、5年後までの
業績予想を行い、銘柄選定を行っています。

5年後までの業績予想を出しているアナリストチームは機関投資家でもほとんどなく、
ジェイリバイブの運用助言を行っているエンジェルジャパンくらいしか私も知りません。

日本の運用会社はファンドマネージャーを表に出したがらない中、自らが積極的に
色々な場所に顔を出して、情報発信している姿勢は非常に好感が持てます。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、監査費用など必ずかかるコストの占める比率が高くなり、
全体として、コストが割高になっている可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

げんせん投信の純資産総額は現在5億円ほど、純資産総額としては心許ない規模です。
後述しますが、純資産総額の規模が小さいため、実質コストが割高になっていますね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

げんせん投信の実質コストは1.396%です。信託報酬と比較すると、40%ほど
高くなっています。ここまで高くなってしまうのも純資産総額がまだ小さいからです。

純資産総額が増えると信託報酬が下がる設計になっていますので、
早く1000億円を突破するのを願いたいところです。

購入時手数料 2.16%(税込)※上限
信託報酬 1.0098%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.396%(概算値)

※引用:第2期 運用報告書(決算日2018年8月31日)

げんせん投信の評価分析

基準価額をどう見る?

げんせん投信の基準価額は約11200円となっています。
2018年は年初来から運用がうまくいっていませんでしたが、10月に市場が大きく
下がったタイミングで、げんせん投信も大きく下落してしまっています。


※引用:モーニングスターWEBサイト

利回りはどれくらい?

続いて、げんせん投信の利回りを見ていきます。直近1年間の利回りは
▲4.10%となっており、ついにマイナスになってしまいました。

多くの日本株ファンドが10月の暴落で影響を受けていますので、
げんせん投信も同じように影響を受けてしまったと言えます。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法


※引用:モーニングスターWEBサイト

四半期別のパフォーマンスは?

げんせん投信の四半期別のパフォーマンスを見てみると、7~9月期までは
何とかプラスで維持できていたようですが、まだ集計が終わっていない
10~12月期で大きく下げてしまった形です。


※引用:モーニングスターWEBサイト

インデックスファンドとの比較

アクティブファンドに投資を検討するのであれば、低コストのインデックスファンド
とパフォーマンスを比較したうえで、投資をするべきです。

今回は、げんせん投信とニッセイ 日経225インデックスファンドのパフォーマンス
を比較してみました。運用期間がまだ短いですが、計測期間においては、
ニッセイ 日経225インデックスファンドのほうが優秀な結果を残しています。

今後、げんせん投信もパフォーマンスがよくなるかもしれませんが、現状あえて
高コストのげんせん投信に投資をする理由が見つかりません。


※引用:モーニングスターWEBサイト

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している人が
多いということなので、評判が良いということです。

げんせん投信は毎月資金が流入していますので、評判は上々だったのですが、
10月に基準価額が大きく下落したタイミングで、純資産総額も流出超過となりました。
ここから考えても、評判は悪くなってきていることが伺えます。


※引用:モーニングスターWEBサイト

げんせん投信の今後の見通し

いかがでしたでしょうか?
まだ運用から約1年しか経っていないため、今後次第ということころではありますが、
インデックスファンドにパフォーマンスで負けてしまうようでは、先行き不安です。

また冒頭でも述べましたが、「げんせん」という割には、銘柄数も50程度となっており、
そこまで厳選できてはいないと思います。良く中身を調べない投資家から見れば、何となく
将来性の高い銘柄だけに絞り込んでくれるように思えますが、実態はそこまで、
絞り込んでいないというわけです。

もしやるのであれば、スパークスの厳選投資のように本当に自信のある銘柄を20程度まで
絞り込んでくれたほうが逆にそのファンドマネージャーを信用したくなりますね。