2020年のオリンピックに向けて、野村アセットマネジメントが仕掛けてきました。
その名も、野村 日本最高益更新企業ファンド 『自己ベスト』。

一見すると、野村アセットが過去に設定した「高配当株」「ブランド株」といった
ネーミングと似たような気がしますが、実際の狙いは違います。

目論見書の表紙が完全にオリンピックを意識した作りになっており、おっ?と
目を引きましたが、よくよく中身を見てみると、

「アスリートにとっての挑戦=自己記録の更新」と「企業にとっての挑戦=最高益の更新」
というのを掛け合わせ、無理やりオリンピック感を出しに来ています。

そこを重ね合わせることに何の意味があるのかよくわかりませんが・・・
今日は、そのあたりも含めて、徹底分析していきます。

野村 日本最高益更新企業ファンド 『自己ベスト』の基本情報

投資対象は?

投資対象は、日本国内の株式に投資をしていきます。
その中でも最高益達成企業および、ポテンシャル企業を中心に銘柄を選定していきます。

ここでいう「最高益達成企業」というのは、過去10事業年度において、5事業年度以上で
経常利益が最高益を更新した銘柄をいいます。

また「ポテンシャル企業」というのは、今後の決算において、経常利益が最高益を更新し、
「最高益を更新してきた銘柄」となることが期待できる銘柄を指します。

まだ最新の情報はわかりませんが、4/27時点では、組入銘柄が55銘柄となっており、
業種配分比率は下図のようになっています。

ただ、当時から3カ月超たっていますので、下図の比率も少し変わってくると思います。

純資産総額は?

誰が、こんなにすぐに買っているか知りませんが、すでに242億円にまで達しています。
強力な販社である野村證券とオリンピックというビッグイベントが重なっていますので、
よくわからず、購入してしまう投資家も多いのでしょう。

もう少し自分の頭で考える癖をつけてほしいものです。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

野村 日本最高益更新企業ファンド 『自己ベスト』の実質コストはまだ最新の運用報告書が
出ていないため正確にはわかりませんが、1.6~1.7%程度になると思います。

初年度の手数料が5%近くになるので、本当に良いファンドなのかしっかり吟味してから
投資するか検討しましょう。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.566%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.6~1.7%(概算値)

野村 日本最高益更新企業ファンド 『自己ベスト』の評価分析

下図は、2000年以降、最高益を更新した日本企業の数を表しています。

2009年以降は、右肩上がりに企業数が増えており、2018年には1000社近くまで
増えることが予想されています。

さて、ここで問題になってくるのが、今回組入られる「最高益達成企業」や
「ポテンシャル企業」以外にも、実際は多くの最高益達成企業が存在している
ということです。

「最高益達成企業」と「ポテンシャル企業」合わせて、500社は少なくとも
存在するのではないでしょうか?

そうすると、その中から、50~100銘柄を選定するわけですが、
果たして、うまく選定できるのか疑問が残ります。

アクティブファンド全般において言えることですが、アクティブファンドは
大きなリターンが狙える一方で、コストが高いので、銘柄の選定は慎重に
行わなければなりません。(購入時手数料がかからないファンドは別)

多くのファンドが初年度5%程度のコストをとっていくわけですから、
勢いにまかせて購入するのではなく、まず様子をみてから購入しても
全く遅いことはありません。

野村 日本最高益更新企業ファンド 『自己ベスト』のように、
過去に似たような運用をしたことがないファンドや、
ファンドマネージャーの素性がわからないときは、まず様子を見るのが正解です。