ついに野村アセットマネジメントからも損失限定型の
ストップライン付 野村 ワールドボンド・ファンド『ほっとステップ』が登場しました。

「プロテクトライン」、「見まもり水準」、「ストップライン」など、
色々な呼び方をされていますが、損失限定型のファンドは、損をしたくない
投資初心者にとにかく人気です。

過去の損失限定型ファンドを見ると、たいがい、リスクを取らなさすぎることにより、
まったく増えないといった状態に陥っているのですが、ストップライン付
野村 ワールドボンド・ファンド『ほっとステップ』はどうでしょうか?

今日は、徹底的に分析していきます。

そもそもストップラインとは?

まず、ストップラインについて簡単に説明しておきます。

もしあなたが基準価額10,000円のときに、ストップライン付 野村 ワールドボンド・
ファンドを購入したとしましょう。そうすると、自動的に5%下の9500円に
ストップラインが設定されます。

そして、一定期間運用され、基準価額が上下した後、基準価額が10000円から9500円まで
下がってしまいました。、そうすると、ストップラインの9500円で繰り上げ償還になるので、
あなたは5%の損失は出ますが、それ以上の損失をしなくて済むということです。

大きな値下がりが怖いという初心者投資家にとっては、安心に思える仕組みとなっています。

そして、もう1つの特徴がこのストップラインはある一定のルールで上昇していく
ということです。正確に言えば、各月末時点において、ストップラインに500円
足した価格と、基準価額を比べ、約8%以上になれば、ストップラインが引きあがります。

もし、基準価額10,000円でスタートしたのであれば、ストップラインが9500円から
10000円に上がった時点で、損はほぼしないことになりますね。

ストップライン付 野村 ワールドボンド・ファンド『ほっとステップ』の基本情報

投資対象は?

グローバル債券マザーファンドを通じて、世界各国の公社債に投資し、
野村短期日本国債マザーファンドを通じて残存期間の短い日本国債を投資していきます。

債券ファンドで最も注意すべきなのが、どういった格付の債券が組み込まれているか
という点です。格付とは、元本・利息がちゃんと返ってくる確率を示しており、
BBB以上の評価であれば、ほぼ安全と思ってよいでしょう。

逆にBB以下の格付の債券は、投資のプロである機関投資家も見向きをしませんので、
注意してください。ストップライン付 野村 ワールドボンド・ファンドにおいては、
BBB以上の格付が89%程度となっていますので、安全性は高いと言えます。

国別でみると、また少し特徴があり、グローバル債券ファンドであれば、
利回りも格付も高いアメリカ国債やオーストラリア国債の比率を高める
ファンドが多いのですが、カナダやイタリアの比率が高くなっています。

リスクヘッジだと思いますが、日本国債を14%も入れる理由は正直見当たりません。

そして、過去のシュミレーションデータを見ると、
グローバル債券マザーファンドへの投資比率がかなり高くなるようです。

注意していただきたいのですが、パフォーマンスの資産が右肩上がりに
綺麗に成長しており、ストップラインもきれいに上昇していますが、
このようにうまく行く確率は極めて低いので、注意してください。

純資産総額は?

募集開始してみないわからない部分ではありますが、あの野村アセットマネジメントが
出した損失限定型ファンドですので、初週から数百億円単位で資金が集まる
のではないでしょうか?個人的には、初心者投資家にかなり人気が出ると思います。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ストップライン付 野村 ワールドボンド・ファンド『ほっとステップ』の実質コストは
まだ最新の運用報告書が出ていないため正確にはわかりませんが、
1.2~1.3%程度になると思います。

購入時手数料がゼロということで、その点は非常に好感が、損失限定するための
保証料が上乗せされており、ストップラインを一段押し上げることをより難しく
させてしまっています。

購入時手数料 0
信託報酬 1.1944%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.2~1.3%(概算値)

ストップライン付 野村 ワールドボンド・ファンド『ほっとステップ』の評価分析

ストップライン付 野村 ワールドボンド・ファンド『ほっとステップ』を検討する上で、
一番考えなければいけないのは、ちゃんと資産が増えるのかという点です。

多くの方が損失が限定されるというメリットだけしか見えなくなり、
本質的な意味を見失ってしまっていると思います。

そして、ストップラインが毎月右肩上がりに成長していくような図を
よく見かけますが、まずこんなうまくはいきません。

そもそも投資対象が債券であり、かつリスクの低い債券に投資をしているわけですから、
年間で考えても8%もリターンが出るというのは考えにくいです。

良くて、年間の利回りは3~4%ではないでしょうか。
そうすると、ストップラインが上がるのも2年か3年に1回程度だと思います。

さらに、損失限定型のファンドの問題点として、基準価額が下がったとき、
つまりストップラインに近づいたときは、リスクを下げて日本国債の割合を高める
運用になっています。

それが何を意味するかといえば、それ以上下落するリスクは抑えられますが、
逆に上昇する可能性をも切り捨てていることになります。

下図が、昨年圧倒的な人気を見せたSMBC・アムンディ プロテクト&スイッチファンド
『あんしんスイッチ』です。ストップラインと同じような仕組みであんしんスイッチという
下限のラインを設定して運用をしています。

肝心の運用はどうなっているかで言うと、2018年1月末の市場の大暴落の影響で、
安全資産の比率を高めるしかなくなり、その結果、上昇の糸口を全くつかめないまま
10000円の下をノロノロしています。

以上のように、一見、損失が限定されていることは素晴らしいことのように思えますが、
あなたが本当に実現したいことが実現できるかは甚だ疑問が残ります。

よく考えてから投資するようにしてください。