毎月分配型ファンドに投資をしている人の悩みとして、ファンドが収益をあげてくれないと、
分配金がどんどん減っていくという問題があります。そんな悩みを解決しようと作られたのが、
グローバル・アロケーション・ファンド『愛称:世界街道』です。

このファンドは目標払出し型となっており、毎月決められた率の分配金をファンドの収益に
かかわらず払い出そうというものです。一見すると、非常にメリットのある内容にも思えますが、
世界街道には大きな落とし穴があります。

それは、運用がうまく行っていない場合、分配金は決められた金額が支払われますが、
結局、それはあなたの投資元本から払い出されているだけであるということです。
というわけで、何も知らずに投資をしてしまうとドツボにはまるである世界街道について
今日は徹底分析していきます。

グローバル・アロケーション・ファンド『世界街道』の基本情報

投資対象は?

世界街道は、世界各国の株式や債券などを投資対象とし、分散投資と機動的な資産配分により
収益の獲得を目指します。現在は、約6割が株式、約3割が債券、残りが短期金融資産と
なっています。

株式の地域別の組入比率を見てみると、北米の比率が5割強となっており、
次いで日本、欧州となっています。


※引用:2018年9月時点のマンスリーレポート

債券の地域別の組入比率を見ると、85%超が北米となっています。

※引用:2018年9月時点のマンスリーレポート

株式(ETFを含む)の組入銘柄を見てみると、アップル、アルファベット、
マイクロソフトと名だたる企業が上位に名を連ねていることがわかります。


※引用:2018年9月時点のマンスリーレポート

目標払い出し型ファンドとは?

世界街道は、目標払い出し型となっていますが、あまりなじみのない言葉だと思いますので、
簡単に説明しておきます。通常のファンドでは分配金はファンドの収益により変動しますが、
目標払い出し型の場合、あらかじめ決められた分配金をファンドの損益にかかわらず払い出す
というものです。

特に年金変わりに毎月分配型に投資をしている人からすると、毎月の分配金に変動がなくなる
ため、生活費の変動を心配しなくてもよくなるというわけです。

一見すると、メリットがあるように思えますが、運用がうまく行かなくても、払い出しをする
ということは、結局タコ足配当をしているだけに過ぎず、投資元本を取り崩しているだけなので、
正直、目標払い出し型ファンドの需要がそんなにあるとは思えません。

純資産総額は?

続いて、世界街道の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで売買できなかったり、コストが
嵩みますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

世界街道の純資産総額は、現在400億円程度です。一時期は2000億円規模のファンドでしたが、
パフォーマンスの悪化とともに、資金の流出が続いています。


※引用:2018年9月時点のマンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

世界街道の実質コストは1.952%と カテゴリー内では割高です。
購入時手数料も3.78%と異常に高くなっており、この程度のパフォーマンスで
このコストはさすがに受け入れがたいです。

購入時手数料 3.78%(税込)
信託報酬 1.942%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.952%(概算値)

※引用:第66期 運用報告書(決算日2018年7月27日)

グローバル・アロケーション・ファンド『世界街道』の評価分析

基準価額の推移は?

世界街道の基準価額は直近3年間で30%程度下落しています。
分配金再投資基準価額(青線)を見てみると、2016年以降は上昇していますが、
基準価額は下落していますので、ファンドの収益力に対して、過剰な分配が
行われていることがわかります。


※引用:モーニングスターHP

利回りはどれくらい?

世界街道の直近1年の利回りは+2.17%となっています。
3年平均利回りで2.99%、5年平均利回りで5.06%です。

バランス型ファンドなので、そこまで高いパフォーマンスを求めている方は少ない
と思いますが、カテゴリーランキングでも下位1割に入るようなパフォーマンスと
なっているので、おすすめできるファンドではないですね。


※引用:モーニングスターHP(2018年10月時点)

四半期別のパフォーマンスは?

続いて、世界街道の四半期別のパフォーマンスを見てみましょう。
過去5年間では年始のパフォーマンスは優れず、年末になるにつれて
パフォーマンスがよくなる傾向にあるようです。


※引用:モーニングスターHP

最大下落率は?

投資を検討するのであれば、基準価額がどの程度下落する可能性があるのは
知っておきたいところです。標準偏差からある程度は予測できますが、
最大下落率を直接確認したほうがイメージがわきますね。

世界街道の最大下落率は、2015年7月~2016年6月までの間に▲24.74%下落しています。
まだ設定されてから5年程ですし、市況も好調でしたので下げ幅は狭いです。

株式比率は全体の60%程度にコントロールされていることを考えると、
40%超の大幅な下落までは起こりづらいでしょう。


※引用:モーニングスターHP

分配金は?

世界街道は、2016年には毎月126円の分配をしていましたが、毎年切り下げており、
現在は79円となっています。

大きく減配しないことで、投資家の流出を避ける狙いがあるように思いますが、
分配金利回りが17%となっており、ファンドの収益力からすると、明らかに高いので、
今後も基準価額の下落と分配金の減額は続くものと思われます。


※引用:モーニングスターHP

評判はどう?

続いて、世界街道の評判を見ていきましょう。評判を見る上で役に立つのが、
月次の資金流入額です。資金が流出超過となっていれば、購入する人よりも
解約する人のほうが多いわけですから、人気が落ちていることがわかりますね。

世界街道は2015年に大きく資金が流入しましたが、2016年以降、毎月資金が
流出しています。

パフォーマンスが優れないこと、毎月分配型の風当たりが強くなっていること、
高コスト体質であることなどが原因でしょう。

評判が落ちても仕方ない状況にあると思います。


※引用:モーニングスターHP

グローバル・アロケーション・ファンド『世界街道』の今後の見通し

世界街道は50%以上を北米の株式と債券に投資をしていますので、最低限のパフォーマンスは
維持できると思います。ただ、高コスト体質であることと、目標払出し型という私からすると、
なぜこのようなファンドを作ったかが全く理解できない仕組みとなっていますので、
まず投資しないほうがよいでしょう。