米国株式への人気が高まるにつれて、「S&P500に投資を
したいけれど、結局どれに投資をすればよいのか?」と
いう問い合わせが最近とても増えてきました。

特にこのブログでは、様々な投資手段を紹介しているの
で、逆に混乱させてしまっていると少し反省しています。

よくよく考えると、私も自分のブログでS&P500を推奨
していながら、どのような選択肢がありえるのかまとめ
ていなかったので、今回S&P500について徹底的にまとめ
たいと思います。

S&P500とは

まず、S&P500とはそもそも何なのか。S&P500とは米国
の大企業500銘柄の株価をもとに算出される株価指数です。

時価総額ベースで見ると、米国株市場の75%~80%を占め
ており、米国経済全体の動向を把握する指標として、多く
の機関投資家が注目しています。

ニュースで現在値を読み上げることもあるので、名前くら
いは聞いたことがあるのではないでしょうか。

少し変わった切り口でS&P500のパフォーマンスを切り出してみる

私もS&P500に連動する投資信託をよくおすすめするの
ですが、なぜそこまでお勧めできるのか、今回は、少し
変わった切り口で紹介します。

以下のデータは米国のwikipediaから取得した1970年以降
のS&P500のリターンをもとに作成した利回りデータです。

データを加工をして、1970~1979年の10年間、1971~1980年
の10年間、1972~1981年の10年間といった形で1970~2019年
を10年間ずつに区切り、平均利回りを計算してみました。

その結果が、以下になります。

表の見方は一番パフォーマンスの良かった10年間では年
平均利回りが19.21%という見方をします。

一方で、一番パフォーマンスの悪かった10年間は年平均
利回りが▲1.38%となっています。

中央値の年平均利回りは12.07%です。

計測期間:10年 年平均利回り
最高 19.21%
最低 ▲1.38%
中央値 12.07%

※1970年~2019年

これを15年区切りにしてデータを加工したのが次の表です。

15年間区切りで最もパフォーマンスが良かった15年間は
年平均18.93%、最もパフォーマンスが悪かった15年間で
は4.24%となりました。

注目すべきは、どんなに投資を始めるタイミングが悪か
ったとしても、15年間保有していれば、年4%以上の利回
りが獲得できていたことになります。

もちろん、過去の実績ではありますが、この結果はかなり
心強いですね。

計測期間:15年 年平均利回り
最高 18.93%
最低 4.24%
中央値 10.85%

※1970年~2019年

計測期間を20年区切り、25年区切りにした場合の結果も
以下に載せておきます。

特筆すべきは、期間の最大平均利回りは計測期間が長く
なればなるほど、低下していき、期間の最低平均利回り
は計測期間が長ければ長くなるほど、上昇していきます。

つまり、長期保有をすればするほど、平均からの乖離率
が小さくなっており、平均利回りが安定してくると言う
ことです。

また過去どの20年間、25年間を見ても、平均利回りが
マイナスにはなっていません。

つまり、今後も中長期で運用したとして、平均リターン
がマイナスになる可能性というのはかなり低いという
ことがわかります。

計測期間:20年 年平均利回り
最高 17.88%
最低 5.62%
中央値 11.80%

※1970年~2019年

計測期間:25年 年平均利回り
最高 17.25%
最低 9.07%
中央値 11.60%

※1970年~2019年

このパフォーマンスの事実を知らない人も多いのですが、
こういう過去のデータをしっかり分析すれば、大きな下落
相場が来たとしても、感情的になってすぐに売却したりせず、
長期保有を続けられると思います。

さて、ここからはS&P500に投資をするのであれば、どの
ような投資信託があるのか紹介していきます。

S&P500に連動しているインデックスファンドにはどんなものがある?

現在、S&P500に投資ができるインデックスファンドは5本
あります。

どれもS&P500に連動するので実質的には信託報酬でパフォ
ーマンスが変わります。

ファンド名 信託報酬
SBI・バンガード・S&P500 0.0926%
eMAXIS slim米国株式(S&P500) 0.0968%
iFree S&P500インデックス 0.2475%
iシェアーズ 米国株式インデックス 0.4125%
農中<パートナーズ>米国株式S&P500 0.605%

たいていの人は積立投資でS&P500に連動するインデックス
ファンドを検討していると思いますが、iDeCoやつみたて
NISAの対応可否を確認しておきましょう。

つみたてNISAは多くのファンドで対応していますが、
iDeCoの対応があるのはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
だけです。

iDeCoを使って、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に投資
をするのであれば、SBI証券かマネックス証券経由でつみ
たてをしてください。

ファンド名 iDeCo つみたてNISA
SBI・バンガード・S&P500
eMAXIS slim米国株式(S&P500)
iFree S&P500インデックス
iシェアーズ 米国株式インデックス
農中<パートナーズ>米国株式S&P500

 

S&P500に連動しているインデックスファンドを判断する基準は?

では、結局何を基準に選べばよいのでしょうか。

これはとてもシンプルで、実質コストベースが一番安い
ファンドを選びましょう。

実質コストとは、信託報酬以外のコスト(印刷費、保管費等)
も含めたトータルのコストのことです。

どのファンドもS&P500指数(円換算ベース)に連動する
ように設計されていますので、利益は変わりません。

細かく見れば、ベンチマークからの乖離率が小さいファンド
のほうが良いには良いですが、ほとんど誤差に過ぎません。

純資産額は大きいに越したことはありませんが、純資産が
大きいほど信託報酬と実質コストの乖離が小さくなります
ので、実質コストベースでファンドを比較していれば、
純資産はほとんど気にしなくても大丈夫です。

ファンド名 実質コスト
SBI・バンガード・S&P500 不明
eMAXIS slim米国株式(S&P500) 0.1423%
iFree S&P500インデックス 0.2992%
iシェアーズ 米国株式インデックス 0.4518%
農中<パートナーズ>米国株式S&P500 不明

S&P500に連動するおすすめのインデックスファンドは結局どれ?

では、結局のところ、上記のファンドの中でどのファンド
に投資をするのがベストなのか。

1本に絞るのであれば、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。

SBI・バンガード・S&P500でも良いには良いのですが、
やはり、eMAIXS Slimシリーズはコスト最安値宣言を
しているので、今後他社が信託報酬を下げれば、追随
して下げてくれます。

あとは、ファンドの人気度合いから見てもeMAXIS Slim
シリーズは圧倒的であり、純資産の規模もeMAIXIS Slim
米国株式(S&P500)を超えることはないと思います。

そうすると、信託報酬がほぼ同じだった場合、実質コスト
は純資産が大きいほど、信託報酬から乖離しにくいので、
実質コストも小さくて済むはずです。

さて、ここまではS&P500に連動するインデックスファンド
であれば、どれが良いのかと言う話をしてきました。

しかし、たいていの人が悩んでいるのが、米国の株式指数
に投資をするなら、S&P500がいいのか、NYダウやそれ以外
の指数がいいのかという問題です。

はたして、そこはどう判断するのが良いのでしょうか?

S&P500に連動する投資信託とよく比較されるインデックスファンドは?

今回は、S&P500に連動するインデックスファンドとよく
比較対象として挙げられるNYダウとCRSP USトータル・
マーケット・インデックスに連動するファンドを紹介します。

NYダウは米国の代表的な30社を選定した指数です。CRSP
USトータル・マーケット・インデックスというのは、大型株
~小型株まで米国株市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバー
しています。

コスト面から見て、以下の2ファンドが良いでしょう。

正直、どの指数を選んだからといって、そこまで大きく
パフォーマンスが変わるというわけではありません。

ただ、大きく下落したときに感情的になって売却しない
だけの根拠を持てる指標かどうかで決めるとよいと思って
います。

それは過去の実績なのか、上述したようなS&P500の
データなのかもしれません。私の場合はS&P500が今後も
信じられると思えるだけのデータ分析はしてきたので、
今後もS&P500を中心に投資をしていきます。

ファンド名 信託報酬
たわらノーロード NYダウ 0.2475%
楽天・全米株式インデックスファンド 0.162%

 

S&P500に連動するETFはどうなの?

さて、S&P500に投資を検討するのであれば、投資信託で
なくてもETFで投資をすることも可能です。

ただ、ご覧のように国内ETFであれば、ほぼ、ETFも投資
信託も信託報酬が変わらないレベルまで投資信託のコスト
が下がってきています。

あとはETFのほうが、最低購入単価が数万円~なので、
少しハードルが高いというのもありますね。

国内ETF Ticker 信託報酬
上場S&P500米国株 1547 0.165%
iシェアーズ S&P500 米国株ETF 1655 0.165%
MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信 2558 0.0858%

 

海外ETFは信託報酬だけを見ると、投資信託の半分くらい
のコストになっており、とても魅力的です。

ただし、購入時の手数料が取られるので、少なくとも5年
程度は保有を続けないと、投資信託と比較をして余分に
コストを支払うことになります。

あとは、米ドルでの買い付けになりますので、少し購入
するのに手間がかかります。

ETFの購入に慣れている人であれば、海外ETFのほうが
おすすめですが、あまり投資をしたことがない人であれば、
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を購入しつづければ十分です。

海外ETF Ticker 信託報酬
SPDR S&P500 ETF SPY 0.0945%
iシェアーズ・コア S&P500ETF IVV 0.04%
バンガード・S&P500ETF VOO 0.03%

 

一癖あるS&P500に連動する投資信託はどうなの?

S&P500に連動するインデックスファンドはさきほど紹介
したとおりですが、少し変わり種として、S&P500の日々
の値動きに対して約2倍の変動をするファンドがあります。

米国株の調子が非常に良いので、パフォーマンスはかなり
高くなっており、リスクを取ってでも資産を増やしたいと
いう人は一度検討してみる価値はあるでしょう。

ファンド名 信託報酬
iFree レバレッジS&P500 0.99%

S&P500をベンチマークとするアクティブファンドはどうなの?

S&P500に投資をするとなれば、基本はインデックスファ
ンドかETFを思い浮かべると思いますが、アクティブファ
ンドでもS&P500をベンチマークとして、それを上回る
パフォーマンスをあげることを目標としているファンドが
あります。

それが、アライアンス・バーンスタインの米国成長株投信です。

最近では毎年モーニングスターのファンド・オブ・ザ・
イヤーを受賞しており、S&P500を上回る実績を出してい
る数少ないアクティブファンドです。

コストは高いですが、確かな実績がありますので、超過収益
を狙いたい人は、検討する価値があると思います。

ファンド名 信託報酬
アライアンス・バーンスタイン 米国成長株投信 1.73%

 

S&P500をCFDで取引するのはどうなの?

そして、最後がCFDです。

CFDとは差金決済のことで、投資信託というよりは、株
取引の感覚に近く、リアルタイムにS&P500を売買する
ことができます。

通常、投資信託やETFは基準価額が上昇することを期待
して、投資をしていきます。

逆に言えば、下落局面ではなすすべがなく、いつ下落が
収まるのかをただ傍観するしかできません。

その点、CFDであれば、売りから入ることもできるので、
下落局面で利益を狙うことも可能です。

どちらかと言うとトレードの発想に近いので、ただ積み
立てるだけでなく、タイミングを狙って下落局面でも
超過収益を狙っていきたい人はCFDでS&P500を取引する
というのも面白いと思います。

まとめ

こうやって、比較をしてみると、一口にS&P500に投資を
したいと言っても、投資のスタンスによって色々な選択肢
があることがわかったと思います。

投資を始めたばかりの人であれば、やはりeMAXIS Slim
米国株式(S&P500)を積み立てるのが一番無難な戦略です。

一方、S&P500もかなり高い利回りで運用できますが、
インデックスファンドよりもさらに高いリターンを目指す
のであれば、アライアンス・バーンスタインの米国成長株
投信という選択肢が出てきます。

レバレッジを効かせたiFreeレバレッジS&P500は紹介は
しましたが、そこまでリスクを取るのはあまりおすすめ
しません。

そして、基本的には株式相場が上昇することを狙った戦略
ですが、明らかに相場が下落トレンドに入ってしまったと
いうことがわかったときは、投信などはそのまま保有をつ
づけ、CFDでS&P500を売り、下落による投信の損失を補う
ような戦略も良いと思います。

ただ、ここまで来ると、かなり高度な投資になりますので、
まずは投資信託を購入するところからはじめましょう。