最近、損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントから、
新しい投資信託が設定されました。

ターゲット・リターン戦略ファンド『愛称: ターゲット4U』。
その名の通り、リターン目標を4%と明記し、ゴールベースの
資産形成ができるということを売りにした投資信託です。

あたかも年率4%での運用が続くかのうように商品紹介されているので、
販売員にとっては非常に売りやすい商品になっています。

逆に、投資家目線で見ると、勘違いして購入する人が多い商品に
なっている気がします。

果たして、どのような投資信託なのか、紐解いていきたいと思います。

ターゲット4Uの特徴

①「資産を守りながら、しっかり増やす」
景気サイクル5年で「リターン4%,リスク5%、最大下落率8%」を目標しています。

「守りながら増やす」という言葉は、最近よく聞く言葉ですが、
あまりピンと来ないのではないでしょうか。

要は、景気の動向に合わせて、先進国債券と国内債券の割合を60~100%の間で
機動的に変化させることにより、リスクを抑えながら、
株式部分(国内株式と先進国株式)で収益も狙っていくという手法ですね。

こういった投資信託は、得てしてリスクを取らない運用になりがちで、
その結果目標のリターンを達成できないことが多々ありますので注意が必要です。

②独自定量モデルによる運用
上記の組み入れ比率は、定性的な判断は一切入れず、定量的にルール化されています。
この独自の定量モデルというのが、今回の目玉といったところだと思います。

各資産価格の将来の高値・安値を予測することはせず、
「上がるか」「下がるか」の方向性を予測し、組み入れ比率を変えていきます。

ファンダメンタルズと市場動向のデータを定量的に分析し、
4つの資産の価格が「上昇するか」「下落するか」を予測します。

上昇予測であれば〇、方向感に乏しいという予測であれば△、下落予測であれば×
といった感じです。

下記の図のように、基本配分比率をもとに、ファンダメンタルズと市場動向を
定量的に〇、△、×なのかを判断し、投資判断をするわけですね。

これを1カ月のサイクルで行っていきます。

2002年からのバックテストの結果では、年率目標4%に対して、
年率リターンが5.81%とアウトパフォームしているようです。

ただ、このようなバックテストの結果は要注意です。
基本は独自定量モデルのあてはまりが一番良い時期を切り取って
載せている場合がほとんどです。

私は仕事柄、こういったバックテストの結果を分析するのですが、
大概はバックテストのとおりうまく運用がいくことはありません。

もう少し詳細な分析シュミレーションを出すところであれば、
2002年12月末~2016年12月末でくみ上げた定量モデルを
2017年1月以降で運用した結果(フォワードテスト)を公開します。

この投資信託はそのようなデータを載せていないことから、
2017年以降の運用には、あまりあてはまりがよくないモデル=
実際は年率4%を出せるのか怪しいということになります。

ターゲット4Uの運用コスト
購入時手数料:上限 2.0%(税抜)
信託報酬:年率 0.929%(税抜)
シンプルなストラクチャーと投資対象を考慮すると、類似の公募投資信託と比較してコストに優位性があるとは言えないですね。

ターゲット4Uの運用残高

2018年3月19日時点の運用残高(純資産額)は、約5.11億円です。
決して高い水準とは言えませんが、ファンドのテーマに目新しさが無いことと、
指定販売会社(SBI証券、 マネックス証券、楽天証券、高木証券)に対面営業で
積極的に個人投資家にセールスする会社がいないため、仕方ない面もあります。

なお、投資対象を考慮すると、残高の少なさがファンドのパフォーマンスや
流動性に影響を与える懸念は無いでしょう。

ターゲット4Uの運用状況

この投資信託の各種指標に対する超過収益力の源泉は、委託会社の債券運用と
リバランスの機動力にあります。2018年3月19日時点の基準価額は、9,955 円です。

直近の市況環境を考慮すると、10,000 円割れとなっている主因は
日本株式と先進国債券の下落と考えられます。

これを踏まえ、 3月のアロケーションは日本 債券を55%(基準配分比率比+15%)、
先進国債券 25%(同-15%)、先進国株式 20%(同 +10%)、日本株式 0%(同-10%)をモデルとしています。
完全にリスク回避の方向に組み替えてますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
ターゲット4Uは、目標リターン4%と明確に謳っているため、あまり知識のない投資家が
この4%のリターンが永続するものだと勘違いして、購入してしまうと思います。
バックテストの結果も、後押しの材料になるでしょうね。

しかし、このブログを読みに来ていただいてる読者の方は、冷静に分析して
購入の判断をしてください。少なくとも私は率先して買おうと思うファンドではないというところです。