2013年、2017年にモーニングスターのファンド・オブ・ザ・イヤー最優秀賞を受賞し、
2014年、2015年にも優秀賞を受賞している優良日本株ファンド『ちから株』。

これだけ受賞していれば、かなりの資金が集まっているかと思いきや、
純資産総額は400億円ほどと思ったより、規模が大きくなっていません。

さて、ちから株は連続受賞するほどの優秀なファンドなのか、
早速分析していきたいと思います。

優良日本株ファンド『ちから株』の基本情報

投資対象は?

優良日本株ファンド『ちから株』の投資対象は日本国内の株式で、
競争力があり、割安な銘柄(ちから株)を厳選して投資していきます。

競争力があるかは、財務の健全性、業界内でのシェア、株主還元の姿勢などの
観点で選定していきます。

割安かどうかは、PER、PBR、配当利回りなど、一般的な指標で選定します。

組入銘柄を具体的に見ていくと、現在は52銘柄で構成されており、
上位銘柄は大手の企業が並んでいます。

優良日本株ファンド『ちから株』の面白いところは、チーフファンドマネージャーの
野崎さんが明言しているように、毎月組み入れている銘柄をすべて公表していることです。

ファンドの中身をすべて公表するということは、運用方法を
すべて開示してしまうようなものなで、普通やらないのですが、
ちから株だけは、すべて開示しています。

ですので、やろうと思えば、ちから株と同じポートフォリオを
自分でも作れてしまうということですね。

運用体制は?

野崎さんとリーダーとする株式運用部は9名のファンドマネージャーと
アナリストで構成されており、33業種を8人でカバーしています。

銘柄分析においては、三菱UFJ信託銀行で、運用調査を行っている
19名のアナリストからの情報もうまく活用しているのが、強みの源泉となっています。

純資産総額は?

続いて、優良日本株ファンド『ちから株』の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、
予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

2013年にファンド・オブ・ザ・イヤーを受賞して以来、純資産総額を伸ばして
いますが、現在は400億円程度となっています。規模としては全く問題ありません。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

優良日本株ファンド『ちから株』の実質コストは、1.356%となっており、
見た目の信託報酬の額と比べるとかなり高くなっています。
これは、銘柄を入れ替えるときの株式売買手数料が高くついていることが要因です。

実質コストは思ったより安くないので注意してください。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.08%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.356%(概算値)

優良日本株ファンド『ちから株』の評価分析

基準価額をどう見る?

優良日本株ファンド『ちから株』の現在の基準価額は、17,438円となっています。
日本の大型株全般に言えることですが、2018年1月末の水準まで戻せていないので、
直近の運用はそこまでうまく行っていないようです。

利回りはどれくらい?

優良日本株ファンド『ちから株』の直近1年間の利回りは17.50%となっています。
3年平均利回りは5.06%、5年平均利回りは13.71%とTOPIXを十分
上回る結果となっています。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

最大下落率は?

投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の範囲をある程度は
予想できますが、やはり実際に下落した度合いをみたほうがイメージがわきます。

優良日本株ファンド『ちから株』は2015年7月~2016年6月で最大▲21.14%の下落を記録しています。
20%下落したとしても、長期で保有をつづければ、しっかりプラスが出ていますので、
慌てて売ってしまわないようにしてください。

分配金の推移は?

つづいて分配金の推移を見ていきましょう。

分配金は毎年6月と12月に支払われています。正直、分配金を出さないほうが
パフォーマンスは高まるのですが、ファンドの方針なので仕方がありません。

収益が大きくでた年は分配金が大きくなるので、2018年の分配金は
かなり少ないと思っておいたほうがよいでしょう。

評判はどう?

優良日本株ファンド『ちから株』の評判はネットでの書き込みなどで調べる方法も
ありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけちから株を解約している人が
多いということなので、評判が悪いということです。

ちから株は思ったより、資金流出をしている月が多く、
ファンド・オブ・ザ・イヤーを毎年受賞している割に評判がよくないことがわかります。

優良日本株ファンド『ちから株』の今後の見通し

ファンド・オブ・ザ・イヤーを毎年受賞しているだけはあって、
悪くないファンドではあります。

実際、TOPIXや日経225よりは高いパフォーマンスを出せていますので、
インデックスファンドに投資するよりは、資産が増えるファンドです。

しかし、国内株式カテゴリーの中で、上位1割に入るようなファンドであるか
というと、そこまで優れたファンドとは言えません。

下記のように、私が投資をしているスパークスの新・国際優良日本株ファンド
(厳選投資)と比べると、パフォーマンスが明らかに下がってしまいます。
同じカテゴリーであえて、パフォーマンスが低いファンドを選ぶ理由もありません。

ですので、ちから株自体、今後もTOPIXや日経225を上回るパフォーマンスは
出せると思いますが、圧倒的な成果を出せるかでいうと、そこまでは厳しいと思います。