近年、リスクを4%以内に抑え堅実に増やしていける投資として、
注目を集めている投資のソムリエ。

下落リスクが嫌な人にとっては、またとない商品のように見えます。
しかし大概の場合、こういった商品には隠れたデメリットが存在します。
今日は、私が独自の目線で、投資のソムリエを分析していきます。

投資のソムリエの基本情報

投資対象は?

まず投資対象は、国内、先進国、新興国の公社債、株式、リートで、
下図のように安定資産と、リスク性資産を分けることで、適宜資産配分を変更していきます。

現在は、安定資産の割合が50%程度、リスク性資産が40%、現金等が10%程度となっています。

※2018年9月時点

そして、組み入れ銘柄は下記のようにパッシブ・ファンドを購入しています。

運用の特徴は?

投資のソムリエの一番の運用の特徴は、基準価額の変動リスクが年率4%程度になるように
リスクを抑えながら、運用すると言う点です。

勘違いしてはいけないのが、年率4%程度のリターンを目指すというわけではない
ということですね。

そして、市場環境に合わせて、下図のように、リスク性資産の価格が下落する局面では、
安定資産の比率を高め、安定資産が下落する局面では、リスク性資産の割合を増やすという
運用を機動的に行います。

とまぁ、非常に都合のよいことが書いてあるのですが、機動的にポートフォリオの中身を
変えるというのは、経験上ほぼ不可能です。

運用のプロであれば、このようなことが可能だと思わないほうがいいですね。

純資産総額は?

続いて、投資のソムリエの純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

投資のソムリエの現在の純資産総額は1000億円の大台を突破しており、
純資産額は問題ありませんね。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

投資のソムリエの実質コストは、1.548%となっており、非常に割高になっています。
実際投資をしているのが、インデックスファンドなので、この手数料は取り過ぎですね。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.512%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.548%

※第13期 運用報告書(決算期2018年7月11日)より

投資のソムリエの評価分析

基準価格をどう見る?

投資のソムリエの現在の基準価額は11000円程度です。
2018年1月末に大きく下落して以来、なかなか上昇のきっかけを
掴めていません。

またリスクを4%以内に収めるという運用を行っている関係で、
これ以上下落しないようにリスクを抑えた運用を行うしかないという
事情もあります。

利回りはどれくらい?

直近1年間の利回りは+0.88%、3年平均利回りで+2.03%となっています。

標準偏差は4%以内に収まっていますので、ルール通りに運用ができているといえば、
そのとおりということになります。

安定な運用が好きな方にとっては、魅力的なのかもしれません。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

※2018年9月時点

四半期別運用パフォーマンス

毎年のパフォーマンスがどうだったのかも気になるところだと思いますので、
載せておきます。参考にしてください。

最大下落率はどれくらい?

リスクが4%以内に収まるとは言っても、投資をするにあたって、
どの程度下落する可能性があるのかは知っておきたいものです。

過去の最大下落率をみると、2015年2月~2016年1月までで
最大-4.35%ほど下落しています。ほぼ4%以内に収まっているといえますね。

分配金の推移は?

分配金は毎年1月、7月に決定して分配が行われますが、直近3年間は
毎年30円の分配がなされています。

年間60円程度であれば、基準価額の1%以下ですので、健全な分配が行われていると言えますね。

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している人が多い
ということなので、評判がいいということです。

直近、投資のソムリエも資金が毎月流入していますので、評判は良いと言えます。

投資のソムリエの今後の見通し

投資のソムリエはリスクを取ることを毛嫌いする日本人にとても好かれる
設計になっていると思います。

一方で、利回りをみればわかるとおり、コストが高すぎてリターンが
ほぼないような状況です。

結局、リスクを4%以内に制限するということは、よく言えば下落局面で基準価額が
下がりにくいと言えますが、上昇局面で利益を追求していかない運用になると言うことです。

今後も微増はしていくと思いますが、投資妙味があるとは思えません。

だいたい、8つの資産に分散するほうがリスクが下がると思ってしまいがちですが、
良いか悪いかよくわからないファンドを8本買うくらいであれば、自分がよく
分析研究してこれだ!と思える1本に投資をしたほうがよほど、うまくいくと思います。

リスクが高くなると思いがちですが、投資する資金の量を減らせばその分リスクを
調整できますので、どちらに投資をしてもリスクはそこまで変わりません。

つらつらと書いてきましたが、根本的に私はバランスファンドはあまりおすすめしません。
バランス型ファンドの本当のデメリット。なぜ私はおすすめしないのか