近年、リスクを4%以内に抑え堅実に増やしていける投資として、
注目を集めている投資のソムリエ。

下落リスクが嫌な人にとっては、またとない商品のように見えます。
しかし大概の場合、こういった商品には隠れたデメリットが存在します。
今日は、私が独自の目線で、投資のソムリエを分析していきます。

投資のソムリエの基本情報

投資対象は?

まず投資対象は、国内、先進国、新興国の公社債、株式、リートで、
下図のように安定資産と、リスク性資産を分けることで、適宜
資産配分を変更していきます。

そして投資対象はすべてインデックスファンドとなっています。


※引用:交付目論見書

現在は、安定資産として、国内債券・先進国債券の割合が55%程度、
リスク性資産が株式・リート・新興国債券で割合が45%程度となっています。


※引用:マンスリーレポート

運用の特徴は?

投資のソムリエの一番の運用の特徴は、基準価額の変動リスクが
年率4%程度になるようにリスクを抑えながら、運用すると言う点です。

勘違いしてはいけないのが、年率4%程度のリターンを目指すと
いうわけではないということですね。

そして、市場環境に合わせて、下図のように、リスク性資産の価格が
下落する局面では、安定資産の比率を高め、安定資産が下落する局面
では、リスク性資産の割合を増やすという運用を機動的に行います。


※引用:交付目論見書

とまぁ、非常に都合のよいことが書いてあるのですが、機動的に
ポートフォリオの中身を変えるというのは、経験上ほぼ不可能です。

運用のプロであれば、このようなことが可能だと思わないほうが
いいですね。

純資産総額は?

続いて、投資のソムリエの純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

投資のソムリエの現在の純資産総額は1400億円を突破しており、
2018年の株式相場の下落の影響をほぼ受けずに着実に純資産を
増やしています。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

投資のソムリエの実質コストは、1.548%となっており、非常に割高に
なっています。何より、投資対象はパッシブファンドであるにも
かかわらず、この手数料はさすがにないでしょう。

これだけコストが高いと債券部分はほとんど収益に結び付いていない
可能性が高いですね。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.54%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.548%

※引用:最新運用報告書

まだ投資のソムリエに投資しているの?投資のソムリエよりはるかに優れたアクティブファンド特集

投資のソムリエの評価分析

基準価格をどう見る?

投資のソムリエの現在の基準価額は12000円程度です。

2018年1月末と10月末に大きく下落しましたが、2019年に入って
からの大きな伸びは非常に素晴らしいですね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

投資のソムリエの直近1年間の利回りは+6.31%と同カテゴリー内では
上位10%程度に入る高パフォーマンスです。

一方、中長期のパフォーマンスを見てみると、3年平均、5年平均
利回りでは2%程度の利回りとなっており、カテゴリー内では平均的な
水準です。

リスクを極力とらない運用なので、リターンが小さいのはわかりますが、
実質コストが1.5%程度ですので、ファンドの収益の40%程度は運用会社に
取られているということになります。なかなかのひどさですね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 +6.31% 4%
3年 +2.64% 64%
5年 +2.62% 49%
10年

※2019年9月時点

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、投資のソムリエの
基準価額のブレの大きさを知るには役立ちます。

標準偏差は2~3程度となっており、かなり基準価額のブレ幅は
抑えられています。この点は非常に評価できると言えるでしょう。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 3.53 5%
3年 2.80 4%
5年 3.26 4%
10年

※2019年9月時点

年別のパフォーマンスは?

投資のソムリエの年別のパフォーマンスも見てみましょう。

マイナスの年は3%程度のマイナスにしかなっていないので、
リスクは極力抑えた運用ができています。一方で、プラスを
出せた年も3%程度なので、相殺して終わってしまっています。

このようなリスクの低い運用は人によって好みがわかれる部分
ですが、やはり手数料の高さはどうしても引っかかります。

年間利回り
2019年 +5.67%(1-6月)
2018年 ▲3.00%
2017年 +3.74%
2016年 +3.27%
2015年 ▲3.29%
2014年 +7.77%

※2019年9月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

投資のソムリエに投資を検討する上で、類似ファンドとのパフォー
マンス比較をしてみましょう。

投資のソムリエほどリスクをとっていないファンドがなかなかない
ため、今回は投資のソムリエと同様に8つの資産に分散投資をする
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)と比較してみます。

リスクの大きさが違うというのもあって、eMAXIS Sim バランス
(8資産均等型)の圧勝です。

リスクとリターンのバランスから考えると、投資のソムリエに投資する
資金の半分程度でeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)に投資をして、
残り半分を現金で保有していたとしても投資のソムリエと大差のない
運用ができます。

インデックスファンドへの投資のほうがコストは圧倒的に低いですし、
当然、現金で保有している部分には余計なコストもかかりませんので、
お得ですし、チャンスが来たときのために手元資金は豊富に準備してあった
ほうがよいので、このような運用戦略のほうがおすすめですね。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

投資のソムリエに投資をする前に、最大でどの程度下落する可能性が
あるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここで投資のソムリエの最大下落率を見てみましょう。

最大下落率は半年間で4.85%となっています。リスクをかなり抑えた
運用をしていますので、下落率もかなり小さいですね。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲2.92%
3カ月 ▲4.50%
6カ月 ▲4.85%
12カ月 ▲4.35%

※2019年9月時点

分配金の内訳と余力は?

投資のソムリエは年2回の分配をしています。金額にして30円ですので、
運用に大きな影響を与えることはなさそうです。

ただ、あってもなくても変わらないような分配をするくらいであれば、
分配金は再投資に回したほうが間違いなくおすすめですね。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2019年 60円
2018年 60円
2017年 60円
2016年 60円
2015年 60円
2014年 60円

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入して
いる人が多いということなので、評判がいいということです。

直近、投資のソムリエも資金が毎月流入していますので、評判は
良いと言えます。リスクを取りたくない投資家からの評判が高い
のだと思います。

ただ、リスクを取らなさ過ぎて期待リターンを実現できない可能性が
あるというデメリットを忘れてはいけませんね。


※引用:モーニングスター

投資のソムリエの今後の見通し

投資のソムリエはリスクを取ることを毛嫌いする日本人にとても
好かれる設計になっていると思います。

一方で、利回りをみればわかるとおり、コストが高すぎてリターンが
かなり圧迫されています。

結局、リスクを4%以内に制限するということは、よく言えば下落局面で
基準価額が下がりにくいと言えますが、上昇局面で利益を追求していかない
運用になると言うことです。

今後も微増はしていくと思いますが、投資妙味があるとは思えません。

だいたい、8つの資産に分散するほうがリスクが下がると思ってしまいがちですが、
良いか悪いかよくわからないファンドを8本買うくらいであれば、自分がよく
分析研究してこれだ!と思える1本に投資をしたほうがよほど、うまくいきます。

リスクが高くなると思いがちですが、投資する資金の量を減らせばその分リスクを
調整できますので、どちらに投資をしてもリスクはそこまで変わりません。

つらつらと書いてきましたが、根本的に私はバランスファンドはあまりおすすめしません。
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