SBIアセットが出しているG・リート・トリプル・プレミアムファンド
『愛称:トリプル・プレミアム』。

単純に世界のリートに投資するというわけではなく、リートと通貨でカバード・コール戦略を
用いることで、追加の収益の獲得を狙っていきます。

一見、通常のリートより複雑な戦略をとっているため、儲かりそうだと思ってしまいがちですが、
得てして投資戦略はシンプルなほうがリターンが大きかったりします。

果たして、トリプル・プレミアムはどうなのか?
今日は、トリプル・プレミアムについて徹底分析していきます。

G・リート・トリプル・プレミアムファンド『トリプル・プレミアム』の基本情報

投資対象は?

トリプル・プレミアムの投資対象は、CSグローバル・リート・トリプル・プレミアムファンドへ
の投資を通じて、世界のリートに投資していきます。

リートの投資対象は、下図のようになっており、7割以上が米国リートで、次いで日本となっています。

また下に示すトリプル・プレミアム戦略を用いることで、追加のインカム収入の獲得を目指します。
カバードコール戦略はわかりづらいので、後述します。為替取引・プレミアム戦略はたいそうな
名前がついていますが、やっていることは非常にシンプルです。

要は、米ドルより高い金利の通貨を保有して、差分の金利収入を得るという手法です。
そのときに、為替がどう動いても損失がでないように為替予約をしているということですね。

カバードコール戦略とは?

カバードコール戦略は対象となるリート、選択通貨(対円)にかかるコール・オプションの売りを
行うことで、オプション・プレミアム(インカム収入)を得る戦略です。

オプションに関する知識がある人はすぐにわかるのですが、いきなり理解するのは難しいので、
今日は、どういった効果があるのかだけ、説明しておきたいと思います。

カバードコール戦略が効果を発揮するのは、次の場合です。
1つ目は、リート、選択通貨が上昇したが、権利行使価格に到達しなかった場合です。
このとき、オプション・プレミアムを獲得できます。

権利行使価格というのは、オプションを売るときに、予め決めておく価格のことです。
例えば、現在のリート価格が10000円だったとしたら、12000円や13000円を権利行使価格
として、コール・オプションを売ることになります。

そして、もうひとつは、リート、選択通貨の価格が下落したときです。
この場合も、オプション・プレミアムを獲得できますので、通常の損失より
損失額を減らすことができます。

カバード・コール戦略はリート、選択通貨の価格が大きく上昇するとき以外に、
プラスの効果を発揮すると覚えておけば十分でしょう。

純資産総額は?

続いて、トリプル・プレミアムの純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

トリプル・プレミアムの純資産総額は、約270億円となっています。
異常に高い分配金を出しているため、未だ一部の投資家からは人気があるようです。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

トリプル・プレミアムの実質コストは1.8812%となっており、カテゴリー内でかなり
割高になっています。この手数料取られるのであれば、相当なパフォーマンスに
なっていないとやってられないですね。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.8712%(税込)
信託財産留保額 0.5%
実質コスト 1.8812%(概算値)

※第60期 運用報告書(決算日2018年6月18日)より

G・リート・トリプル・プレミアムファンド『トリプル・プレミアム』の評価分析

基準価額の推移は?

トリプル・プレミアムの基準価額は、ここ3年間で50%ほど下落しています。
分配金を支払わなかった場合の基準価額である分配金再投資基準価額(青線)は
増えていますので、いかに、過剰な分配金を出してきたかがわかりますね。

利回りはどれくらい?

トリプル・プレミアムの利回りを見てみましょう。
直近1年間の利回りは▲8.36%、3年平均利回りは+7.82%、5年平均利回りが
+5.30%となっています。

プレミアム戦略がうまく作用しているときは高いリターンとなっていますが、
はまらなかった場合のマイナスも大きくなっています。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法


※2018年9月時点

四半期別運用パフォーマンスは?

トリプル・プレミアムの四半期別の運用パフォーマンスも下に載せておきます。
こちらもあわせて検討材料として利用してください。

分配金の推移は?

続いて、分配金の推移を見てみましょう。2017年には毎月100円だった分配金ですが、
2018年には毎月40円にまで下落しています。

分配金余力は60カ月程度ありますので、まだ余力はありますが、基準価額に対する
分配金の割合を示す分配利回りが30%を超えていますので、基準価額の下落は止まりません。
完全なタコ足配当になっているので、気を付けてください。

評判はどう?

トリプル・プレミアムの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけトリプル・プレミアムを解約している人が
多いということなので、評判が悪くなっているということです。

トリプル・プレミアムは、2017年に分配金を下げて以来、毎年資金が流出超過となっています。

G・リート・トリプル・プレミアムファンド『トリプル・プレミアム』の今後の見通し

トリプル・プレミアムは土台にリートの収益がありますが、カバード・コール戦略が
うまくはまらない予想外の損失を出すことになります。

実際、直近の1年間の利回りが大きくマイナスになっているのは、プレミアム戦略が
うまくいかなかったことが原因です。通常の米国リートファンドであれば、
4~5%のリターンは出しています。

ですので、戦略がはまれば、超過の収益が期待できますが、はまらなければ、
超過の収益が期待できないということで、リスクの大きな運用をしているわけです。

実際、米国リートに投資をしているフィデリティ・USリート(ヘッジ無)と
パフォーマンスの比較をしてみると、5年、10年リターンではフィデリティ・USリート
のほうが勝っています。

どちらも毎月分配型のファンドなので、そもそも私はおすすめしませんが、
どうしても毎月分配型がいいというのであれば、フィデリティ・USリートのほうが
まだましでしょう。