REITによる値上がり益だけでなく、カバードコール戦略によるプレミアム収入と
為替取引よる為替収入を狙う好配当グローバルREITプレミアム・ファンド
通貨セレクトコース『トリプルストラテジー』。

他のREITファンドと差別化するためにオプション取引と為替取引で追加収益を
目指す戦略ですが、果たして運用はうまくいっているのでしょうか?

今日は、トリプルストラテジーについて徹底分析していきます。

トリプルストラテジー の基本情報

投資対象は?

トリプルストラテジーとあるように、このファンドには3つの投資対象があります。
1つ目が日本を含む世界各国のREIT及び不動産関連の株式で、相対的に高い配当収入の
確保を目指します。

2つ目がREITプレミアム戦略(カバードコール戦略)を活用することで、
プレミアム収入を獲得し、ファンドのトータルリターンの向上を目指します。

3つ目が金利水準が高く成長性が高い6通貨で、為替取引によるプレミアム収入の獲得を
目指します。

3つの投資戦略が組み合わせているので、通常のファンドよりも収益が高くなるのではないか
と思ってしまいがちですが、必ずしもリターンが高くなるわけではないので、しっかり
運用を確認する必要があります。

念のため補足しておくと、REITプレミアム戦略という、あまり聞いたことがない戦略が
あると思いますが、これはコールオプションを活用した戦略です。一度理解するまで、
非常に時間がかかりますので、簡単にだけ解説しておきます。

まずコールオプションを戦略に取り込むことで、リート価格の上昇分に
上乗せされる形でプレミアム収入を得ることができます。

また、リート価格が下落したときは、オプションのプレミアム収入分だけ
マイナスを軽減できます。

これだけ聞くと、良いことづくめのように聞こえてしまいますが、
1つだけデメリットがあります。

それは、リート価格が大きく上昇したときに、その上昇分の利益をすべて
受け取ることができないということです。

ですので、REITプレミアム戦略(カバードコール戦略)は大幅にREIT価格が上昇したとき
以外はプレミアム収入が上乗せされるので、追加の利益が出ると思っておいてください。

REITの投資対象は、アメリカが約7割で、フランス、イギリス、ドイツが続いています。
為替取引では、メキシコペソ、インドネシア・ルピア、インド・ルピー、
ブラジル・レアル、人民元、トルコ・リラとハイリスクな通貨が投資対象となっています。

純資産総額は?

続いて、トリプルストラテジー の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

トリプルストラテジー は、一時期3000億円を超えるほどの規模になりましたが、
現在では、430億円程度となっています。規模としてのデメリットはなさそうですね。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

トリプルストラテジー の実質コストは1.9204%となっており、かなり高くなっています。
購入時手数料もさることながら、REITは期待利回りも1桁台ですので、この実質コストは
高すぎます。

購入時手数料 3.78%(税込)
信託報酬 1.9204%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.9204%(概算値)

トリプルストラテジー の評価分析

基準価額をどう見る?

トリプルストラテジー の基準価額は、右肩下がりに下がり続けており、
3年間で約半分になっています。分配金再投資基準価額を見ても、
3年間ほぼ変わらない水準となっており、運用がうまくいっていないことがわかります。

利回りはどれくらい?

トリプルストラテジー の直近1年間の利回りは、▲7.61%。3年平均利回りが▲3.26%と
なっており、カテゴリーランキングで見ても、常に最下位争いになっています。
これでは、なかなか投資をしようとは思えませんね。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

最大下落率は?

投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の範囲をある程度は予想できますが、
やはり実際に下落した度合いをみたほうがイメージがわきます。

トリプルストラテジー は2015年2月~2016年1月までに最大▲19.86%下落しました。
たいしたパフォーマンスも残せていないにもかからわず、20%近く下落するようでは、
投資をするメリットが全くありません。

分配金の推移は?

続いて、分配金の推移を見ていきましょう。2015年の1月時点では、
200円あった分配金ですが、毎年減配が行われており、2018年にはついに
30円にまで下がってきています。

分配金余力は50カ月以上ありますので、減配が直近で行われる可能性は低いですが、
基準価額に対する分配金の割合を示す分配金利回りが、15.8%となっており、
ファンドの収益力に対して、はるかに高い分配を行っています。

これでは、基準価額の下落は止まりませんね。

評判はどう?

トリプルストラテジー の評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけトリプルストラテジー を解約している人が
多いということなので、評判が悪くなっているということです。

トリプルストラテジーは2015年に減配して以降、毎年資金が流出しており、
評判はよくないことがわかります。このパフォーマンスでは当然と言えば当然ですね。

トリプルストラテジー の今後の見通し

ファンドの運用がうまくいっていないことはパフォーマンスを見れば誰でも
すぐにわかりますが、この要因となっているのは、為替取引による損失です。

相対的に金利水準が高いトルコリラやブラジルレアルなどを中心に為替取引を
行ったことが原因です。5年間運用してきてこのような結果ですので、今後、
急激にパフォーマンスが上がってくるということは期待しづらく、
早めに解約し、ほかの優れたファンドに乗り換えるほうがよいと思います。