世界銀行という世界一信用力の高い債券に投資しているのに高利回りのファンドとして
一気に注目され、資金を集めた世界銀行債券ファンド(毎月分配型) 『ワールドサポーター』。

世界初の世界銀行との共同開発ファンドとしても注目をされていたのですが、
今では基準価額が2000円台と惨敗の一途をたどっています。

今日はその理由を探るため、ワールドサポーターを徹底分析していきます。

世界銀行債券ファンド(毎月分配型)『ワールドサポーター』の基本情報

投資対象は?

ワールドサポーターの主な投資対象は信用力の高い世界銀行が発行する短期債券です。
世界銀行というのは、世界の主要各国から出資・支援されている国際機関で、
経済復興を目的に設立された機関の1つです。

構成比率をみるとわかりますが、ほぼすべてAAA(Aaa)格の債券となっており、
信用力の高い債券にのみ投資をしていることがわかりますね。


※引用:マンスリーレポート(2018年9月末)

過去には2500億円ほどの規模まで膨れ上がった巨大ファンドでしたが、
この「信用力が高い債券に投資する」という点だけに着目し、「それなら安心だろう」
とたくさんの資金が集まってきたのでしょう。

しかし、このファンドは「新興国通貨建てで投資する」という点に一番注目して
投資判断するべきファンドです。

それは、投資対象が短期債券ですので、債券自体からの収益はほとんどなく、
為替による収益がメインとなるからです。

要は、多くの国の通貨を分散して購入しているようなものですね。

ワールドサポーターの通貨別構成比を見てみましょう。
新興国通貨に幅広く分散されていることがわかります。


※引用:マンスリーレポート(2018年9月末)

純資産総額は?

純資産総額は投資信託を見極める際にとても大切なポイントとなります。
純資産総額が多い方が、ファンドマネージャーが資金を投資する際に有利であったり、
他の投資家の解約の際の影響が小さくなるので、余計なコストが減ります。

また純資産総額が減少しているファンドは、解約が増えているということですので、
何らかの理由で投資信託自体の魅力が減っているという判断ができます。

それでは、ワールドサポーターの純資産総額はどうでしょうか?
現在の純資産総額は、180億円です。

以下のグラフを見てください。

純資産総額の水色の部分が、斜面の急な山のようになっていますね。
2011年ごろまでは2500億円ちかくありましたが、それからどんどん急激に落ちていき、
今では180億円まで下落しています。


※引用:マンスリーレポート(2018年9月末)

実質コストは?

投資信託にかかる費用について、皆さんがよく目にするのは、販売時の手数料・
信託報酬・信託財産保留金といったところだと思います。

しかし、これ以外にも費用がかかっているのをご存知でしたでしょうか?

これを実質コストというのですが、実質コストは売買時の手数料や取引の際の税金、
保管費用などが含まれ、運用報告書の「1万口当たりの費用明細」で確認することができます。

ワールドサポーターの実質コスト1.323%となっており、コストは割安に設定されています。
ただ、購入時手数料もかかりますし、このパフォーマンスではやる気をなくしてしまいますね。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.295%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.323%(概算値)

※引用:第130期 運用報告書(決算日2018年4月12日)

世界銀行債券ファンド(毎月分配型)『ワールドサポーター』の評価分析

基準価額の推移は?

ワールドサポーターは直近3年間で約30%ほど下落しています。
分配金再投資基準価額を見ると、3000円~3500円のレンジをうろうろしていますので、
この下落は分配金が過剰になっていることによります。


※引用:モーニングスターHP

利回りはどれくらい?

ワールドサポーターの直近1年間の利回りは▲4.76%となっています。
3年、5年、10年平均利回りは±1%程度となっており、ほぼ損益ゼロの状態です。

3年以上のリターンでは、カテゴリーランキングが下位2割に入っており、
さすがに今から投資する状況にはないですね。むしろ早く解約するべきでしょう。


※引用:モーニングスターHP

最大下落率は?

ワールドサポーターの最大下落率は以下の通りです。驚く方もいると思いますが、
2008年~2009年にかけて、30%超も下落しています。

債券だからリスクは低いであろうと思っていた人にとっては、衝撃の事実でしょう。
これをきっかけにぜひ覚えておいてほしいのですが、いくら投資対象が債券だからと
言っても、新興国通貨建てになっている時点で、為替のリスクが大きくなっていることを
忘れないでください。

30%超下落するのであれば、株式に投資しているのとリスクはさほど変わりませんね。


※引用:モーニングスターHP

分配金は?

それではワールドサポーターの分配金はどうでしょう。
2016年の初めには40円だった分配金が現在では20円となっています。

分配金余力はまだ30カ月程度ありますが、今のパフォーマンスを続けているようでは、
すぐ減配になると思います。


※引用:モーニングスターHP

評判はどう?

次にワールドサポーターの評価はどうでしょうか?資金の流出入はそのファンドの
評価にとって有益な参考情報になります。以下のグラフをご覧ください。

資金の流出が止まらないといった状況です。2017、2018年は流出金額が減ってきては
いますが、これは、単純に純資産の規模が小さくなったことによるもので、
5年間毎月資金が流出しているという異常事態にしっかり向き合う必要があります。

評判がよいはずありませんね。


※引用:モーニングスターHP)

世界銀行債券ファンド(毎月分配型)『ワールドサポーター』の今後の見通し

新興国の通貨はもともとボラティリティが大きく、ギャンブル要素が非常に強い投資先です。
そのため、素人が手を出していいような投資先ではないとお考え下さい。

ワールドサポートがさらにひどいのは、ファンドの収益がまったく上がっていないため、
分配金の原資をすべて、当期の収益以外で賄っています。

つまり、あなたの投資した元本で支払われているというわけです。


引用:第150期 運用報告書(決算日2018年4月12日)

「世界初、世界銀行との共同ファンド」「AAAの高格付け債券で信用リスクが低い」
などと言われても、このようなパフォーマンスでは全く検討対象になりません。

逆に、現在まだワールドサポーターを保有している人は早めに売却することをおすすめします。