これまでの話の中で売買注文の流れを生む原動力という観点から
値動きを理解すればするほど、値動きの方向を常に正しく予測
できる分析手法があるとは思えなくなります。

売買注文の流れを生み出す力はあまりにも多様で、常に正しい
予測は不可能であり、いくら分析スキルを向上させても、たかが
知れているという事実に行きつきます。

一方で、個々のトレードで見れば、分析することは不可能でも、
5年や10年といったサンプルサイズが十分なデータを分析して
発見した勝ちパターンは、多くの市場参加者が類似した行動を
取る可能性が高いことの証明であり、利益を生む余地が十分に
あります。

ただし、そこで問題となるのは、多くの投資家が勝ちパターンの
チャートが出現したときに、毎回同じルールで取引することが
できないということです。

つまり、自分の過去の成功や失敗が記憶されているので、例えば
5回連続で負けが続いていると、また負けるかもしれないと思い、
エントリーするのをやめてしまったり、もしくは様子を見すぎて
エントリーするのが遅れてりまったりします。

その結果、自分が過去のチャートパターンで分析した結果から
遠のいてしまうことになります。

あなたが分析して見つけた勝ちパターンは、トレードルールを
守ったうえである程度の回数トレードした結果、現れてくる
勝率であることを決して忘れてはいけません。

途中で自分の都合のいいようにトレードルールを変えてしまえば、
あなたが見つけた勝ちパターンからはずれてしまうので、当然
そのような適当なトレードを続けても最終的に勝てる保証は
なくなってしまいます。

では、どうすれば自分の勝ちパターンを信じてトレードを淡々
と続けることができるのでしょうか。

正しいことを楽にやるにはスロットマシンのプレーヤーの思考を身につける

あなたが勝ちパターンのシグナルが出たときに着実にトレードを
行うには、次のような信念を持つ必要があります。

●注文の流れから見れば、どんなことでも起こる可能性があると
いう事実を完全に受け入れて、自分の期待をコントロールする。

●仮に判断を誤って失敗しても、後悔・負け犬の気分・雪辱を
果たしたいという気持ち・シグナルに裏切られたという感情を
抱かないようにコントロールする。

●いくら負ける状況が続いても、目的達成のためには適切な行動
をとることが何より重要だと感じるように自分の行動をコント
ロールする。

そして、このような信念をもってトレードするために最適なのが、
実はスロットマシンプレーヤーの視点を学ぶことなのです。

さて、ここで考えてほしいのですが、スロットを回しても
何回かは負けるとわかっていながら、怖がらずにボタンを
押し続けられるのはなぜでしょうか。

なぜ怖くなって気弱にならないのでしょう?

一般的に、損をするのは苦痛なはずです。しかし、スロットで
プレーをしている何百万の人たちは、なぜ負けたあとでも淡々
とボタンを押すことができるのでしょうか?

これは、スロットの仕組みが「マイナスの感情から自由」だから
です。

つまり、スロットの結果はまったくランダムなので、勝ち負けも
いつ、いかなる順序ででも現れます。そのため、毎回勝つとは
思わないようになります。

そして、スロットがコンピューターによってランダムに結果を
出すので、ボタンを押したあとに、どのような結果が出るかを
絶えず正しく予測する方法はありません。

結果がランダムである以上、結果を予測しても無意味だと悟る
わけです。また、スロットを回す過程で私たちが決めることは
何もありません。

つまり結果に及ぼすためにできることはただ、ひたすらにボタン
を押す以外に何もありません。だから結果をコントロールする
ことはできません。

そして最後に結果を予測するどんな方法もないと知っていれば、
他の場合なら勝てたと責任を感じないで済みます。

結果に対して責任がなければ、自分を失敗者と考える理由もない
ということです。自分を責める理由がなければ、負けた経験に
よって、本当に負けていると感じません。

ですので、ボタンを押そうと決めるために、どんな結果が出よう
と何の責任もないと考えるのです。

ここまで読んでもなぜスロットマシンのプレーヤーの心理が重要
なのかいまいち理解できない人もいるかもしれません。

改めて考えてみますと、個々のトレードというのは多くの市場
参加者が様々な思惑をもって参加するで実際はランダムに値動き
しています。

この点を見れば、あなたはスロットマシンを回しているのと
変わらないということです。

そして、個々のトレードとスロットが同じなのであれば、1回1回
のトレードの結果にこだわり過ぎないようになることで、同じ
ルールで着実にトレードをすることができるようになります。

トレードはギャンブルなのか?

しかし、ここまで来ると、じゃあトレードはギャンブルなのか?
と疑問を持つ人も多いでしょう。

結論を言ってしまえば、私たちがしているのはギャンブルです。
ただし、プレーヤーとしてのギャンブルではありません。

一般のギャンブルではプレーヤーの勝率は低く設定されて
いるため、ギャンブルを続ければ続けるほどあなたの資産が
減っていくことになります。

しかし、カジノのオーナー側でギャンブルをしていると考えれば
どうでしょう?

カジノのオーナー側は1回1回の勝負では負けることもありますが、
プレー全体でみれば、勝率が高くなるように設定されているので、
プレーを続けさえすれば勝つことができるわけです。

ここで言いたいのは、私たちがしているのはギャンブルではある
けれども、カジノでプレーするようなギャンブルではなく、カジノ
のオーナーのようなギャンブルをしているということです。

つまり、過去のチャートを分析し、勝率の高い方法を見つけ、
ルールに基づき、トレードを続えさえすれば、あなたはカジノの
オーナーのように利益を上げることができると言うわけです。

人によっては抵抗があるかもしれませんが、自分がカジノの
オーナーとしてギャンブルをしていると思うと、思わぬメリット
があります。

一般的な投資家はトレードで負けが続くと、負の感情に囚われて
しまい、正しくルールどおりのトレードができなくなります。

しかし、カジノのオーナー目線で考えれば、トレードは経費を
支払う必要のあるビジネスであり、トレードでの負けは着実な
成果を出すために必要な事業経費であり、うまくいかないトレ
ードのコストはうまく行くトレードのために支払う代償だと
考えられるようになるのです。

ここは必ず覚えておいてほしいことですが、1回1回のトレード
の結果にこだわっているようでは、この先も長期的に勝てる
投資家になることはできません。

そうではなく、カジノのオーナーのように、勝負を確率で考える
ことで、1回1回の失敗にはこだわらず、中長期に勝率を高める
ことを意識すれば、あなたはトレードでも勝ち続けることが
できるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

この書籍では具体的にどのようなトレードをすればよいかあまり
語られておらず、とにかくトレードの考え方について書かれて
います。

それはなぜかと言えば、マーク・ダグラス曰く、優位性のある
トレード方法(勝ちパターン)を見つけることよりも、勝ち
パターンに沿ってトレードを続けることのほうが難しいと
考えているからです。

マーク・ダグラスの教えはこの書籍を読むことで頭では理解
できますが、いざ実践しようとすると色々な弊害がでてきます。

ですので、何度もこの基本原則に立ち戻り、一貫したトレード
を心がけてください。