あなたはニコラス・ダーバスをご存じでしょうか?

ダーバスはプロのダンサーとして活躍しながら、あることが
きっかけで株式投資の世界にのめりこみます。

そして、素人が陥る典型的な失敗を繰り返し、破産寸前まで
追い込まれながら、独自の投資理論である「ボックス理論」
を編み出し、個人投資家でありながら、わずか18カ月で当時
の金額で200万ドルを稼いだ人物です。

発刊されてから数十年が経っていますが、今なお株式投資の
教科書として多くの人々に支持されています。

金融マーケットに携わっている人であれば、知らない人のほう
が少ないでしょう。

その彼の著書である「私は株で200万ドル儲けた」はダーバスが
株式投資を始めたきっかけから始まり、数多くの失敗、どん底を
経験しながら、独自の投資哲学を築き上げていく過程が事細かに
書かれており、現代のマーケットの魔術師達がこぞって推薦図書
にあげるほど、伝説的な著書となっています。

このブログの読者さんの中には株式投資をしたことがない人も
いるかもしれませんが、ダーバスの投資に関する考え方は、株式
投資以外にも十分利用することが可能です。

今日は、ニコラス・ダーバスの「私は株で200万ドル儲けた」の
中から、ぜひ押さえておきたいポイントをまとめていきたいと
思います。

投資初心者が必ず陥る失敗

ニコール・ダーバスは投資を始めたばかりのころ、投資顧問会社
から送られてくるニュースレターで推奨されている株式を買い漁
っていました。

薦められた株を買っても、なぜか値下がりしてしまう。それでも、
投資のプロが薦めているのだから、今度こそは値上がりするであ
ろうと同じ失敗を繰り返しました。

これは、投資初心者が本当によくやってしまうことですが、金融
雑誌等で値上がり間違いなしと個人投資家に推奨するのは、玄人筋
がもっと早い時期に内部情報に基づいて仕込んだ株の価格を吊り上
げて、手仕舞うためです。

彼らは多くの個人投資家にリーチができる情報雑誌であえて、銘柄
を推奨することで、株価を吊り上げ自分たちは吊り上がったところ
で保有株を売却して儲けているのです。

投資経験がないうちは、誰か投資の専門家のアドバイスを参考に
して銘柄を選定したいという考えになるのはよくわかりますが、
雑誌やニュースレターで特定銘柄を推奨する専門家のアドバイス
であれば100%安心というわけではありません。

マーケットで100%勝つことなど無理なのです。ですので、専門家
の意見は参考までに聞きながら、自分でしっかりと投資する理論、
ルールを確立していく必要があります。

ボックス理論とは?

「株価はどのような動きをするかわからない」という人もいます
が、ニコール・ダーバスは数百の株価チャートを研究し続ける中で、
あることに気づきます。

それは、株の動きは必ずしも出鱈目なものではないということです。
株は磁石に引き寄せられるように上のほうへ、下のほうへトレンド
を作り、ひとたびトレンドが形成されれば、そのトレンドが持続
する傾向があるのです。

下図を参照してもらうとイメージがわきやすいかもしれませんが、
株価はボックスの中の高値と安値の間を行き来し、ボックスの高値
を突き抜ける(ブレイクポイント)と、一段上のボックスを形成し
始めます。

下降トレンドの場合は逆の動きになりますね。ニコール・ダーバス
は、このボックスが上へ上へと形成される銘柄にとにかく注目して
いました。

そして、ブレイクポイントに到達した銘柄を積極的に購入するよう
にしました。ただ、問題となったのは100%上昇するというわけでは
ないということです。

ブレイクポイントに到達しても、すぐに下落してしまう銘柄もあり
ました。そこで、考え付いたのがストップロスという方法です。

損失を最小限に抑えるクイック・ロスとは?

ニコール・ダーバスは本書の中で面白いことを言っています。

彼はマーケットを確実に読み切ることは不可能であり、10回中
5回は間違えると想定しているということです。

だからこそ、絶対上がるに違いないという根拠なきプライドや
エゴは捨てる必要があると言っています。

そこで思いついたのが、クイックロスと呼ぶ注文です。これは、
株を特定の価格で買うときに、併せて「ストップ・オーダー
(逆指値注文)」を出し、予想に反して株価が値下がりしたら、
自動的に手じまいの売り注文が発動するような取引です。

明確には定義されてはいませんでしたが、購入価格の5%程度下
に設定されていることが多いようです。

これにより、ブレイクポイントで上抜けなかった銘柄はさっと
手仕舞いして、再度ブレイクポイントをうわ抜けるタイミングを
待つというわけですね。

クイックロスで損失は最小限に抑えることができるようになり
ましたが、次の問題として、せっかく上抜けたとしても、すぐに
利食いをしたくなるという問題が残っていました。

これはトレードをしたことがある人であれば、誰もが思い当たる
節があるでしょう。それを解決するのがトレイリングストップでした。

利益を追求するトレイリング・ストップとは?

トレイリング・ストップとは価格の上昇に合わせて、ストップ
ロス・オーダー(手仕舞いの逆指値)も吊り上げていくという
方法です。

下図のように購入価格から現在価格①まで上昇したとしましょう。
そのときに下落しても利益が確保できるようにストップロス①を
設定しておきます。

相場を見ていないうちに大きく下落してしまった経験をしたこと
がある人ならわかりますが、このストップロス・オーダーは心の
安定につながります。

そして、現在価格が②まで上昇したときには、ストップロス②の
位置までストップロスオーダーを切り上げるわけです。

このようにストップロス・オーダーは株価に合わせてあげていく
ことで、利益を確実に確保しつつ、上値を狙っていけるわけですね。

情報を遮断の重要性

ニコール・ダーバスは、投資顧問会社のニュースレターや証券
会社の販売員からの情報、投資仲間との情報交換をし過ぎたこと
で適切な判断ができなくなった時期がありました。

これは、満員の劇場の中で「火事だ!」と叫んだ人がいると、
観客は理性を失って適切な判断ができなくなり、出口に殺到し、
お互いに傷つけあったり、死にそうな目に遭いながらなんとか
自分だけは助かろうとする行動と同じです。

要は、周りの意見に耳を傾けると、噂話を無視できなくなり、
自分のトレードが正しく行えなくなるということです。

一見すると、投資に関する情報は大いに越したことがないように
思えますが、多ければ多いほど良いというわけではないということ
です。

ですから、自分にとって必要な情報以外は遮断することが重要に
なってくるわけですね。

トレードの記録をつける重要性

ニコール・ダーバスは、ある株を買ったときには買った理由を
記入し、売却したときの理由も書き留めていました。

とくに、損失出した時のメモは一人前の投資家になるうえで
最も重要な経験の1つとなったとまで言っています。

私も自分が失敗したときの投資については、記録するようにして
おり、なぜ失敗したのかを記録しておくことで、同じ過ちを繰り
返さないように注意することができます。

トレードの記録というのは、面倒なのでなかなか記録をつけない
人がほとんどですが、コツコツこういったことをやれる人が最終
的には生き残れるのだと思っています。

まとめ

いかがでしたしょうか?

ニコラス・ダーバスは最後に非常に重要なことを言っています。

それは、自分で作り上げたルールは断固従わなければいけない。
このルールを少しでも逸脱してしまうと、資産は減り続けること
になるということです。

株価が自分の想定していた動きと異なるとどうしても不安がよぎ
ってしまうものです。結局そこでルールを破る癖がついてしまうと、
ルールはルールでなくなってしまいます。

そういう意味では、ニコラス・ダーバスのボックス理論とクイック
ロス、トレイリングストップを活用すれば、限りなく心理的な影響
を抑えることができますので、ぜひ自分の運用にも活かしていただ
きたいと思います。