VIX関連の投資商品は2018年のVIXショックを受けて以来、
レバレッジをかけて投資を行うことが難しくなっています。

一方で、未だにS&P500VIX短期先物指数の日次の変動率の
2.0倍動くように設定されている商品があります。

それが、ヴェロシティーシェアーズ・デイリー・2×・VIX・
ショートターム・ETN『TVIX』です。

今日はこのTVIXについて徹底分析していきます。

ヴェロシティーシェアーズ・デイリー・2×・VIX・ショートターム・ETN『TVIX』 とは?

TVIXとは、S&P500 VIX短期先物指数の日次の騰落率の
2.0倍変動するように設計されたETNです。

ETNが何のことかわからない方はこちらをご覧ください。

ETNって何?ETFとETNの違いは?

S&P500 VIX短期先物指数というのは、VIX指数先物の
満期が常に1カ月になるように直近の先物と翌月の先物を
ロールオーバーしていく商品です。

そのため、TVIXは相場が安定していると、仕組み上、
価格が下落していくように設計されています。

一方で、VIX指数が急騰すると、大きく上昇するように
設計されています。

そのため、S&P500のボラティリティが大きくなり、
VIX指数が上昇し始めるタイミングで、短期トレードに
利用されるのが本来の使い方となります。

ただ、TVIXは右肩下がりのグラフになることから、多くの
投資家が空売りをして、利益を獲得しようとします。

ヴェロシティーシェアーズ・デイリー・2×・VIX・ショートターム・ETN『TVIX』の値動きは?

では、TVIXの値動きを見てみましょう。2010年の設定来の
推移は以下のようになっています。

設定からわずか3年程度でほぼ横一直線の推移となって
いますので、2.0倍のレバレッジの効果がいかにすごいか
というのがわかります。

2013年以降は長期のチャートで見ると、ほぼ真横に見える
のですが、直近2年間の価格の推移は以下のようになっており、
ちゃんと下落していることがわかります。

ただし、下落はするものの、VIX指数が急騰したときは大きく
反発するように設計されており、3倍~4倍に跳ね上がるという
のは日常茶飯事です。

ヴェロシティーシェアーズ・デイリー・2×・VIX・ショートターム・ETN『TVIX』のパフォーマンスは?

TVIXが仕組み上、下落することはわかってもらえたと
思いますが、実際のパフォーマンスはどうなのでしょうか?

2011年以降の各年のパフォーマンスは以下のようになって
います。

2011年から2018年までは毎年50%~100%程度の下落を
安定的に続けており、このパフォーマンスだけを見ると、
空売りをしておけば利益が出るようなイメージをもって
しまいます。

たしかに、ある程度の資金余力を持って、空売りすれば、
まったく問題ありませんが、平気で3~4倍に跳ね上がり
ますので、急騰を想定した資金管理をしなければ、一瞬で
金融資産がゼロ、もしくはマイナスになってしまいます。

TVIX、UVXY、VXX、VXZの騰落率比較

つづいて、同じVIX指数先物でもレバレッジの違い等に
よって、どの程度騰落率に差が出るのかを比較しました。

VXX(青)→1.0倍、UVXY(灰)→1.5倍、TVIX(黄)→2.0倍の
レバレッジとなっています。

当然ではありますが、レバレッジが大きいほど、下落率は
大きく、急騰するときの上昇率も高くなっていることが
わかります。

ヴェロシティーシェアーズ・デイリー・2×・VIX・ショートターム・ETN『TVIX』 で利益を出す投資戦略は?

では、TVIXに投資をするのであれば、どのような投資戦略が
考えられるでしょうか?

チャートをパッと見て、まず気づくのがTVIXを売りから入る
戦略でしょう。

ある程度投資経験のある人であれば、TVIXのチャートを見て
売ることで利益をあげられるのでは?と考えると思います。

空売りをしたことがない人のために簡単に説明しておくと、
TVIXを売るというのは、TVIXを先に高値で売っておいて、
後から安値で買い戻すという方法です。

毎年50%~100%近く下落するわけですから、うまく運用が
できれば、倍々に資産が増えていくように思えてしまいます。

しかし、年間でみると、右肩下がりに下落しているものの、
実際には何度も急騰する場面があります。

そして急騰するときは、10%~20%程度のかわいい上昇では
なく、3~4倍の上昇が起きます。

つまり、TVIXは急騰したときに大きな含み損を抱えるわけ
ですが、追証にかからないようにかなり多めの資金を口座に
入れておかなければなりません。

最低でも5~6倍の資金は用意しておかないと、怖くて空売り
することはできません。

あまり知識のないまま空売りをして、TVIX急騰時に大きな
損失を抱えて一発退場する人が後を絶ちませんので、くれ
ぐれも注意してください。

このように売りから入る投資戦略は資金が無限にあるので
あれば、100%勝てますが、私たちのように投資資金に限り
があると、思った以上にうまくいきません。

売りの投資戦略でもう1つ思いつくのが、TVIXが急騰した
タイミングでうまく売ることができれば、かなり高い確率で
利益が出るのでは?と考える人がいます。

確かに、TVIXが急騰したタイミングで売ることができれば、
普通に売るよりも高い確率で利益を上げることができます。

しかし、これにも問題があります。

それは、多くの投資家が同じように考えるので、TVIXが
急騰時には、TVIXに売りの規制がかかり、トレードが
できなくなってしまうのです。

これは証券会社によって、規制がかかったりかからなかったり
するので、一概には言えませんが、そうそう美味しい話はない
ということです。

仮に急騰時に売りポジションを保有できたとしても、そこから
さらにTVIXが上昇する可能性もあるので、結局余剰資金は
かなり用意しておかなければいけないというのは同じことです。

そして、これは実際にトレードしてみるとわかりますが、
TVIXが急騰すると心理的にはかなり不安を感じます。

もし、TVIXが過去にない急騰を見せれば、投資した資金の何倍
もの資金を一度に失うことになりますので、正直気が気ではなく
なります。

そのため、必ずロスカットの注文を事前に入れておくということを
忘れないようにしてください。

ここまで見てくると、TVIXで利益を上げるのはそうそう
簡単なものではないことがわかっていただけたかと思います。

実は売りの投資戦略で一番有利なトレードができると考えて
いるのがオプションを使ったトレードなのですが、オプション
は仕組みを話すのもかなり時間を要しますので、また別の機会に
紹介したいと思います。