投信ブロガーが選ぶファンド・オブ・ザ・イヤー2019で
見事1位にランクインしたeMAXIS Slim全世界株式(オール
・カントリー)のETF版が三菱UFJ国際投信から登場しました。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)も超低コスト
ですが、MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信は
さらに割安です。
ただ、投資信託とETFでは、コストのかかり方が少し異なり
ますので、実際のところどちらが割安なのか判断が難しい
ところです。
では、早速内容を見ていきましょう。
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信の基本情報
投資対象は?
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信 の投資
対象は先進国と新興国の株式です。
MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(配当
込み・円換算ベース)に連動する投資成果を目指します。
先進国株式と新興国株式の比率で見ると、新興国株式が
約10%程度含まれています。
MSCI AWをベンチマークとしている点はeMAIXS Slim
全世界株式(オール・カントリー)と同じなので、組入
比率や銘柄も基本同じになります。
※引用:マンスリーレポート
国別のポートフォリオを見ると、アメリカが約50%、
残りはほとんど先進国が占めていますが、中国株も
上位にランクインしています。
このあたりが、先進国株式インデックスと大きく異なる
点ですね。
※引用:マンスリーレポート
現在の組入銘柄数は約3000ですが、その上位を見て
みると、ほとんどがアメリカ株式です。
そして、ほとんどの銘柄があなたが名前を聞いたこと
のある企業なのではないでしょうか。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するように
してください。
純資産総額は大きいほうが、ファンドマネージャーが資金
を運用する際に効率よくできたり、保管費用や監査費用が
相対的に低くなりますので、コストが低く抑えられます。
また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその
投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなる
こともありますので注意が必要です。
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信はまだ
設定されてからの期間が短いため、純資産は8億円程度
です。
超低コストでMSCI AWに投資ができますので、今後、
純資産総額は増えてくるでしょう。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用が
かかっていることをご存知ですか?
これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式
売買手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれて
います。
特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストが
かなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信 の実質
コストはまだ運用報告書が出ていないのでわかりません。
ただ、信託報酬は0,0858%となっており、eMAXIS Slim
全世界(オール・カントリー)の0.1144%と比べて20%程度、
信託報酬が安くなっています。
注意したいのは、ETFの場合、証券取引所で取引できる
ようにするための上場コストや商標の使用料がかかるため、
実質コストベースで見ると、どちらが割安なのか、現状
判別できません。
またETFの場合、売買手数料がかかることもあるので、
注意が必要です。
売買手数料 | 証券会社により異なる |
信託報酬 | 0.0858%(税込) |
信託財産留保額 | 0.1% |
実質コスト | まだ不明 |
※引用:最新運用報告書
実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。
無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信の評価分析
基準価額の推移は?
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信の基準
価額はコロナショックの影響をもろに受け、すでに20%
ほど下落してしまっています。
市場ではすでにリセッションに入ったと言われており、
このまま下がり続けるとなるとかなり厳しい結果とな
りそうです。
※引用:モーニングスター
インデックスファンドとのパフォーマンス比較
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信への投資
を検討する人の多くが、他のETFとどちらが良いのかを
検討しています。
本来であれば、MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)と、
MAXIS海外株式(MSCIコクサイ)上場投信と、MAXIS 米国
株式(S&P500)上場投信を比較したいのですが、まだ運用
期間が短く比較できません。
そのため、それぞれのETFとベンチマークを同じくする
eMAXIS SlimシリーズのeMAXIS Slim 全世界株式(オール・
カントリー)と、eMAXIS Slim先進国株式インデックス
とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と比較をしました。
大部分が米国株という点が同じなので、どのファンドに
投資をしても基本的に似たような値動きをしていること
がわかります。
直近のパフォーマンスだけを見るとeMAXIS Slim 米国
株式(S&P500)が一番優れていますね。
※引用:モーニングスター
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信の評価まとめと今後の見通し
この記事を読むと、eMAIXS Slim 全世界株式(オール・
カントリー)とMAXIS 全世界株式(オール・カントリー)と
どちらを選択すべきか迷う人も多いと思います。
実質コストはもう少し時間が経ってからでないと比較は
できませんが、つみたて投資を検討している人であれば、
つみたてNISAを活用できますので、eMAIXS Slim 全世界
(オール・カントリー)にすべきでしょう。
一括投資を検討している人であれば、売買手数料を相対的
に抑えられますので、NISA枠を活用したMAXIS 全世界株
式(オール・カントリー)上場投信という選択肢もあります。
ただ、やはり実質コストを見てからでも遅くはないので、
コロナショックで相場が下落しているタイミングでもあり
ますし、いったんは様子見するのが正解だと思います。
商品としては十分に検討する価値があることは間違いあり
ません。
考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。
ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは
当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。
その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点