ブラジルのレアルと日本の為替取引、株式指数オプション、通貨
オプション等を高度に組み合わせたファンドということで、一時期
注目を集めていた日本株アルファ・カルテット。

 

高度な運用戦略を組み入れること自体は良いのですが、それに
見合ったパフォーマンスが本当に得られるかは別問題です。

 

実際のところ運用状況どうなっているのか、今日は日本株アルファ
・カルテットについて詳しく分析していきます。

 

 

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)は日本国内の株式への
投資に加え、「高金利通貨戦略」「株式カバードコール戦略」
「通貨カバードコール戦略」を組み合わせることで、インカム
ゲインとオプションプレミアムの確保を目指します。

 


※引用:交付目論見書

 

株式は115銘柄を組み入れており、TOPIX上位銘柄で構成
されています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

カバードコール戦略とは、オプションというデリバティブ
を活用した戦略で、一般の個人投資家はあまり手を出さ
ないため、なじみが薄いかもしれませんが、よくある戦略
のひとつです。

 

もう少しわかりやすいように下記の図を見てください。

 

ここでいう原資産というのは、TOPIX等の指数を指しています。

 

細かいオブションの仕組みを一から話をしても仕方がないので、
大きく指数(原資産)の動きに合わせて、3つ基準価額の動きが
想定されます。


※引用:交付目論見書

 

覚えておいてほしいのは、色々と難しい言葉が出てきて
いますが、指数が上昇すれば、基準価額も上昇し、
指数が下落するか、もしくは横ばいのときは基準価額が
下落するということです。

 

それ以上のことは知らなくてもいいでしょう。

 

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)の純資産総額は
520億円程度となっており、毎年着実に資産が減少して
います。

 

規模としては全く問題ありませんね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)の実質コストは1.9225%と
なっており、カテゴリー内ではかなり高い水準です。

 

購入時手数料も信託報酬も高く、積極的におすすめできる商品では
ありません。

購入時手数料 3.85%(税込)※上限
信託報酬 1.9225%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.9225%(概算値)

※引用:最新運用報告書

日本株アルファ・カルテットよりはるかに優れたアクティブファンド特集

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)の評価分析

基準価額をどう見る?

では、日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)の基準価額の
推移を見てみましょう。

 

直近3年間で70%超も下落するという急落ぶりです。

 

分配金を受け取らず運用に回した場合の基準価額(青線)を
見ても、3年間で下落をしており、悲惨な状況となっています。

 

ファンドマネジャーはいったい何をやっているのか疑い
たくなる内容ですね。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)直近の利回りを
見てみると、1年平均利回りは▲28.53と悲惨な結果になっています。

 

3年平均、5年平均利回りも10%近いマイナスとなっており、
未だ、純資産総額が500億円もあることが信じられません。

 

これにさらに、高い信託報酬を取られていては、投資家は
ただ、運用会社を儲けさせるために投資をしているような
ものです。

 

分配金を受け取っているからと安心している投資家も
いるかもしれませんが、早急に解約すべきファンドです。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年1月 2020年7月
1年 13.37% ▲28.53%
3年 ▲0.41% ▲15.30%
5年 0.52% ▲8.29%
10年

※2020年7月時点

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)は、国内大型株の
ブレンドカテゴリーに属しています。

 

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンス
のファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォー
マンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

 

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)は、すべての期間
において最下位となっており、私もここまでパフォーマンスが
ひどいファンドは初めて見ました。

 

半年前から変わらず、安定して酷いパフォーマンスです。

2020年1月 2020年7月
1年 94% 100%
3年 100% 100%
5年 94% 99%
10年

※2020年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)の年別のパフォー
マンスを見てみましょう。

 

せっかく20%超のプラスのリターンを出しても、大きな
マイナスを出してしまっているため、リターンが相殺
されてしまっています。

 

このような運用では投資家は恐くて投資をする気になれません。

年間利回り
2020年 ▲33.95%(1-6月)
2019年 13.37%
2018年 ▲28.96%
2017年 22.66%
2016年 20.52%
2015年 ▲13.79%

※2020年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)に投資をするのであれば、
より低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンス
を比較しておいて損はありません。

 

今回は日経225に連動するニッセイ 日経225インデックス
ファンド
とパフォーマンスを比較しました。

 

ニッセイ 日経225インデックスファンドも決してパフォー
マンスが良いわけではないのですが、日本株アルファ・
カルテット(毎月分配型)が悪すぎるて、よく見えます。

 

これでは高いコストを支払ってまで投資をするメリットが
ありません。

 


※引用:モーニングスター

 

アルファ・カルテット ニッセイ 日経225
1年 ▲28.53% 6.78%
3年 ▲15.30% 5.52%
5年 ▲8.29% 3.70%
10年 10.82%

※2020年7月時点

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

どのようなファンドでもそうですが、類似ファンドとパフォー
マンスを比較してから投資をしても遅くはありません。

 

日本株アルファ・カルテットと類似するファンドというのは、
なかなかありませんので、その代わりに毎月分配型のファンドで
私が唯一と言っていいくらいおすすめしているアライアンスの
米国成長株投信Dコースと比較をしてみました。

 

結果は米国成長株投信Dコースの圧勝です。

 

毎月分配金を受け取るのであれば、当然ファンドの収益が高い
ほうが、あなたが受け取れる収益も増えます。

 

未だに日本株アルファ・カルテットに投資をしているのであれば、
早急に解約してください。

 


※引用:モーニングスター

 

アルファ・カルテット 米国成長株投信D
1年 ▲28.53% 21.99%
3年 ▲15.30% 16.96%
5年 ▲8.29% 12.39%
10年

※2020年7月時点

最大下落率は?

投資をするうえで、日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)が
どの程度下落する可能性があるのかは把握しておきたいところです。

 

標準偏差などからある程度の範囲は予測することができますが、
やはり実際にどの程度下落したことがあるのかは知っておきたいですね。

 

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)は2020年1月~6月で
最大33.83%下落しています。

 

半年間でこの下落はかなり大きいです。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲23.25%
3カ月 ▲33.59%
6カ月 ▲33.83%
12カ月 ▲32.05%

※2020年7月時点

 

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

 

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

 

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
▲881円 360円 ▲144%

※2019/8/1~2020/7/31



日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)の直近1年間の
分配健全度は▲144%となっています。

 

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

 

ここまで分配健全度がマイナスになるファンドも珍しいですが、
ファンドの運用がうまくいっていないにもかかわらず、高い
分配金を支払っているようなファンドだとこのような数値に
なりがちですので、注意が必要です。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

 

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

 

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

 

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

 

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)の分配金利回りは
これだけ減配を繰り返しているにもかかわらず、未だ10%
もあります。

 

ファンドの運用利回りが大きなマイナスであるにもかかわらず、
この分配金を出し続けると、もうどうしようもありませんね。

運用利回り 分配利回り
1年 ▲28.53% 10.3%
3年 ▲15.30%
5年 ▲8.29%
10年

※2020年7月時点

 

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

 

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

 

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

 

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

 

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)の分配金余力は、
すでに20カ月程度しかなく、来年には再度減配される
可能性があります。

分配金 繰越対象額 分配金余力
60期 60円 643円 11.7カ月
61期 60円 663円 12.0カ月
62期 60円 685円 12.4カ月
63期 60円 709円 12.8カ月
64期 40円 753円 18.9カ月
65期 40円 799円 20.9カ月
66期 40円 804円 21.1カ月
67期 40円 809円 21.2カ月
68期 40円 812円 21.3カ月
69期 40円 817円 21.4カ月
70期 40円 821円 21.5カ月
71期 40円 826円 21.6カ月

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

積立NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

 

そこで、積立NISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

積立NISA iDeCo
× ×

※2020年7月時点

 

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知る
うえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

 

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入
している人が多いということなので、評判が良いということです。

 

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)は直近、資金が流出
し続けています。

 

このパフォーマンスであれば、当然の結果と言えるでしょう。


※引用:モーニングスター

 

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)の評価まとめと今後の見通し

複雑な投資戦略が使われているとどうしてもパフォーマンスが
よくなるのでは?と思ってしまいがちですが、いかにまとはずれな
考えであるかがわかりましたでしょうか?

 

利益を出したいのであれば、シンプルに投資をするだけでも
十分勝つことができるのです。

 

兎にも角にも、日本株アルファ・カルテットには投資をしていては
いけません。即刻乗り換えるべきです。

 

自分には理解できない高度な運用戦略が使われていると聞くと、
なんとなく凄いのではないかと思ってしまいがちですが、中身を
しっかり分析しなければその良し悪しは判断できません。

 

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)に限らず、投資信託は
5000本以上もあるわけですから、いまいちだと思ったら、もっと
優良なアクティブファンドを選ぶことをおすすめします。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点