オーストラリアのリートに特化したDIAMオーストラリアリート
オープン『A-REIT』。

 

リートというと、米国に特化したファンドや世界に分散投資する
ファンドが多い中で、オーストラリアに特化しているというのが
ひとつの特徴です。

 

リートが好きな人は本当にリートばかりに投資をしているので、
エリアを分散するという意味では役立つファンドかもしれません。

 

今日は、DIAMオーストラリアリートオープン『A-REIT』について、
徹底分析していきます。

 

 

DIAMオーストラリアリートオープン『A-REIT』の基本情報

投資対象は?

A-REIT の投資対象は、オーストラリアのリートです。

 

リートというのは、多数の投資家から集めた資金などで、
不動産を取得・管理・運用し、そこから生じる賃貸収入や
売買益などを配当として投資家に分配する仕組みです。

 

少額で、様々な不動産に間接的に投資ができるということで、
不動産好きの投資家から非常に人気があります。

 

 

業種別の組入比率を見てみると、店舗用不動産、各種不動産
(2種類以上の不動産タイプにわたって多角的に経営を展開する)
の比率が高くなっているのが特徴です。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、A-REIT の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性
がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

A-REIT は一時期750億円まで、資産規模が膨らんでいましたが、
現在は約220億円まで減少しています。

 

220億円あれば、規模としては問題ありませんが、毎月分配型
に対する風当たりが強くなっているのが要因でしょう。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが
通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

A-REIT の実質コストは1.80%とかなり高くなっています。

 

REITは期待利回りがそこまで高いわけではないので、この
コストの高さは厳しいですね。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.738%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.80%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

DIAMオーストラリアリートオープン『A-REIT』の評価分析

基準価額をどう見る?

A-REIT の基準価額は、3年間で10%近く下落しています。

 

一方で、分配金を受け取らずに運用をした場合の、分配金
再投資基準価額(青線)を見ると、3年間で20%弱は上がって
いますので、分配金を過剰に出していますね。

 

毎月分配型で7年近く運用していて、基準価額がまだ10,00近辺に
あるのはある意味、健全な分配が行われていることを示しています。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

A-REIT の直近1年間の利回りは+9.50%となっており、3年平均
利回りが+7.93%、5年平均利回りが+4.04%となっています。

 

最低限、利回りがプラスになっているので、良しとするという
見方もありますが、カテゴリー内のランキングでは上位50%程度
のパフォーマンスなので、まだまだ他に優れた実績を出している
リートが存在しているということです。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 9.50% 68%
3年 7.93% 43%
5年 4.04% 47%
10年

※2019年12月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外REIT ランキング

 

標準偏差は?

標準偏差は年間の基準価額の変動幅を把握するときに役立ちます。

 

5年平均で14.36なので、J-REITよりも日経225に連動する
インデックスファンドや先進国株式ファンドのほうに値動きの
幅は近いようです。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 13.90 45%
3年 12.72 60%
5年 14.36 44%
10年

※2019年12月時点

 

年別のパフォーマンスは?

A-REITの年別の運用パフォーマンスも見てみましょう。

 

可もなく、不可もなくといったパフォーマンスです。

 

分配金目的で投資をするのであれば、次に紹介する
アライアンス・バーンスタインの米国成長株投信の
ほうがはるかに優れていますね。

年間利回り
2019年 10.56%(1-9月)
2018年 ▲7.41%
2017年 10.11%
2016年 3.90%
2015年 ▲4.36%
2014年 31.04%

※2019年12月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

毎月分配型のファンドへの投資を検討するのであれば、他の
毎月分配型ファンドとも比較をしておいて損はありません。

 

今回は、毎月分配型のファンドの中でも健全に運用されている
アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信とパフォーマンスを
比較してみました。

 

結果は見るまでもなくA-REIT(黄線)の惨敗です。

 

毎月分配型ファンドの場合、分配金額がいくらなのかに注目しすぎて
パフォーマンスをおろそかにしがちですが、ちゃんとファンドが収益
を上げていないファンドに投資するのはそもそもナンセンスだと忘れ
ないでください。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の範囲をある
程度は予想できますが、やはり実際に下落した度合いをみたほうが
イメージがわきます。

 

A-REIT は2013年5月~2013年7月の間に最大▲15.30%ほど下落
しています。

 

1年間の下落率で見ると、10%を切っています。最大下落率が10%
程度で収まっているというのは非常に好感が持てますね。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲7.97%
3カ月 ▲15.30%
6カ月 ▲13.67%
12カ月 ▲9.25%

※2019年12月時点

 

分配金の推移は?

続いて、分配金の推移を見ていきましょう。

 

A-REITは、2016年に分配金を150円から80円に引き下げ、
2018年末には40円にまで分配金を引き下げました。

 

40円になったことにより、分配金余力は40カ月以上に
なりましたが、当期収益以外から分配金が支払われており、
タコ足配当が続いています。

 

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情が
ない限りは毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
83期 40円 40円 1,386円
84期 40円 39円 1,347円
85期 40円 1,610円
86期 40円 28円 1,581円
87期 40円 1,588円
88期 40円 35円 1,553円

評判はどう?

A-REIT の評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

 

資金が流出しているということは、それだけA-REIT を解約している
人が多いということなので、評判が悪くなっているということです。

 

A-REIT は、2105年に資金が大量流入しましたが、それ以降は、
資金の流出が続いています。

 

やはり、毎月分配型のデメリットが知り渡りはじめたことにより、
A-REITも解約が増えているということでしょう。

 


※引用:モーニングスター

 

DIAMオーストラリアリートオープン『A-REIT』の今後の見通し

豪州のリート市場は、短期的には日米豪の金融政策に対する
市場の思惑や、米中貿易摩擦問題に伴う投資家にリスク許容度の
変化に左右される展開が続くと予想されます。

 

中長期的には、RBA(オーストラリア準備銀行)による緩和的な
金融政策が続くとみられること、好調な不動産市況を背景にした
利益成長や、相対的に高い配当利回り水準を魅力的に感じる
投資家からの資金流入などにより、底堅い展開が続くと予想されます。

 

シンプルに豪州のリートに投資をするファンドであれば、ポート
フォリオの一部に組み込んでも面白いかもしれませんが、
毎月分配型でかつ過剰な分配を行っているようなファンドでは、
おすすめできないですね。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点