今年も「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」が発表されました。
私も投票できる権利があったのですが、投票日が2018年11月30日まで
であることを知らずに投票できませんでした。
自分で言うのもなんですが、私ほどファンドの分析記事を書いている人は
知らないので、投票できず非常に悔しい思いをしています。
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」について知らない方の
ために簡単に補足しておくと、投資信託について一般投資家の目線で
常に考え、情報を集め、ブログを書いている投信ブロガーが自分たちの
支持する投資信託に投票してランキングづけするというものです。
モーニングスターが毎年行っているファンド オブ ザ イヤーはアクティブ
ファンドが中心であり、運用会社の都合が反映されがちなので、ほんとに
このファンドは優秀なのか?と思ってしまうものがランクインしています。
その点、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」では投資家目線で
ファンドが選定されているので、納得感は高いです。
さて、今年はどのようなファンドが上位にランクインしているのか早速
見ていきましょう。
第1位 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
第1位は三菱UFJ投信のeMAXIS Slim 先進国株式インデックスでした。
投票したブロガーの選定コメントを見てみましょう。
・このファンドの登場により、2018年の先進国株式の信託報酬引き下げラッシュが始まったと思います。守りに回らずこれからも革命児でいて欲しいです。
・低コスト競争の雄として。ニッセイよりも運用成績が良いのもプラス評価。運用実績は短いですが、これからは従来の受益者を置いてけぼりにされないことを期待します。
・挑戦的な信託報酬。このファンド設定で海外ETFに投資しなくても負けなくなった気がします。
・業界最低水準の運用コストは伊達でない。新たに超低コストファンドが新規設定された場合や既存のファンドが信託報酬を引き下げても、現在までは必ず追随している。この一本を選択し保有するだけで、大間違いでない資産形成となる。
引用:投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018
やはりMSCIコクサイ インデックスに連動するファンドの中で最も
コストが安いという点が評価されています。
それ以外にも常に業界最安値の信託報酬を目指すと宣言しており、
他社が下げれば同じレベルまで下げる姿勢が見て取れるのも大きい
ですね。
純資産総額も200億を超えており、運用効率も高いという点もある
ようです。eMAXIS Slim 先進国株式インデックスが1位というのは
納得の結果でしょう。
もう少し詳しくファンドの内容を確認しておきたいという人は
こちらをご覧ください。
eMAXIS Slim先進国株式インデックスの評価や評判は?実質コストはどれくらい?
第2位 ニッセイ 外国株式インデックスファンド
第2位はニッセイアセットのニッセイ 外国株式インデックスファンドでした。
投票したブロガーの選定コメントを見てみましょう。
・スリムシリーズとともに低コスト競争を戦い抜く姿勢は素晴らしいです。コスト最安を戦略として標榜している三菱に比べて、純資産増大の恩恵を自発的に投資家に還元する姿勢が素晴らしいので最高点としました。
・外国株式を対象とする国内投信の中では、純資産残高が頭ひとつ抜けているため、持続可能性が高いと判断できる。2018年が「つみたてNISA 元年」であることを勘案すると、20年間の外国株投資に用いる乗り物として、これを推薦したい。
・本年も信託報酬を大幅に引き下げた一方で、純資産総額はついに1,000億円の大台を突破。本ファンドのキーワードである「好循環」が今年は特に顕著に見られたように思います。今後も、他ファンドの動向如何にかかわらず、投資していれば必ず「信託報酬の引下げ」という形で報いてくれるでしょう!
引用:投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018
信託報酬がここまで下がるには、競合他社の存在が不可欠なわけですが、
eMAXIS Slimシリーズとニッセイが競争してくれることで、私たちは
超低コストで先進国株式に投資ができていることを考えると非常に
ありがたい存在です。
何より、純資産総額は1000億円を突破しており、投資家から大きな
信頼を得ていることがよくわかります。
もう少し詳しくファンドの内容を確認しておきたいという人は
こちらをご覧ください。
ニッセイ 外国株式インデックスファンドの評価や評判は?実質コストや利回りはどう?
第3位 eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
第2位は三菱UFJ投信のeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)でした。
投票したブロガーの選定コメントを見てみましょう。
・全世界の株式にこれ1本で投資できるツールであり、資産形成のコアとなるべきファンド。このクラスはこれまで良いファンドがなく、VTや楽天VTの独壇場であったが、手軽で低コストを実現すべく登場した事を評価しました。
・MSCIジャパン・インデックス連動型マザーファンドの新規設定を含め、MSCI ACWI(含む日本)連動型インデックスファンドへの並々ならぬ熱意や意気込みに心打たれました。この1本で全世界の株式に投資できるという手軽さにも、信託報酬率0.142%という超低コストにも、将来大物になる予感を強く抱かせます。今後、すくすくと順調に成長することを願っています。
・日本を含む全世界の株式に一本で投資できる投資信託であり、信託報酬が現時点で最安クラス。昨年、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017」で1位を受賞した「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」のライバルとして、非常に魅力的なファンドだと思います。
引用:投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018
私もeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)に1票いれようと
思っていましたが、やはり超低コストでMSCI ACWIに連動する
インデックスファンドが出てきたのは大きいですね。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドとコスト争いをしてもらって、
さらなる信託報酬の引き下げに期待したいところです。
第4位 楽天・全米株式インデックス・ファンド
第4位は楽天投資顧問の楽天・全米株式インデックス・ファンドでした。
投票したブロガーの選定コメントを見てみましょう。
・米国ETFでしか買えなかったVTIを低コストで日本円のまま購入できるのはとても嬉しいです。大型株だけでなく、小型株も含めてアメリカ市場に丸ごと投資できるところが魅力的です。
・円建てでVTIに投資可能であり、経費率も低い。こちらもつみたてNISAやidecoで利用したい投資信託の1つ。
・切り取る期間によってはS&P500以上のリターンも生み出す全米株への投資ができるファンドの最適解だから投票しました。コストがやや割高という指摘もありますが、比較しているファンドはベンチマークとする指数が違うのでこのファンドも十分投資対象となります。
引用:投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018
昨年もトップ5入りしている楽天・全米株式インデックス・ファンド
ですが、私からすると少し驚きでした。
どちらかと言えば、今年はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が
トップ5入りすると思っていたのですが、大型株だけでなく小型株にも
投資ができるこちらのファンドのほうが多くの投信ブロガーにとっては
魅力的だったのでしょう。
とは言っても、優秀なファンドであることには間違いありませんね。
第5位 eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
第5位は三菱UFJ投信のeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)でした。
投票したブロガーの選定コメントを見てみましょう。
・数多くの8資産均等型バランスファンドが登場するなかもっとも低いコストを実現したのはすごいと思います。これ一つでほぼすべてのアセットをローコストで投資できるのでイチオシです。
・ほったらかしの国際分散投資による資産形成のファイナルアンサーのひとつになりえる投資信託かも。
・いろんな投信を見てきて、やっぱりバランスファンドを持っておきたいと思った。なかでもeMAXISスリムの8資産均等型は純資産も大きくいずれ積立を始めたいと思ったから
引用:投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018
昨年に続き2年連続のトップ5入りです。株式ファンドに投資するほど
リスクは取りたくない人向けのファンドであり、8資産に均等に分散
投資ができるという投資家からもわかりやすい設計と低コストが評価
されたようです。
もう少し詳しくファンドの内容を確認しておきたいという人は
こちらをご覧ください。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の評価や評判は?実質コストはどれくらい?
以上が投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018のトップ5となります。
6位以降については、以下のランキングをご確認ください。
投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018 ランキングベスト20
順位 | ファンド |
1位 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス |
2位 | ニッセイ 外国株式インデックスファンド |
3位 | eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー) |
4位 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド |
5位 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) |
6位 | セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド |
7位 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) |
8位 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) |
9位 | 楽天・全世界株式インデックスファンド |
10位 | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) |
11位 | ひふみ投信 |
12位 | 野村つみたて外国投信 |
13位 | eMAXIS Slim 新興国株式インデックス |
14位 | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI) |
15位 | 結い2101 |
16位 | バンガード・米国高配当株式ETF(VYM) |
17位 | iFree S&P500インデックス |
18位 | eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) |
19位 | 農林中金<パートナーズ> 米国株式長期厳選 |
20位 | コモンズ30 |
まとめ
いかがでしたでしょうか?
投資信託をよく分析しているブロガーが投票していますので、信憑性は
高いと思ってよさそうです。
私も上位にランクインしているファンドについては、納得のいくものが
ほとんどでした。
アクティブファンドを200本以上分析してきた私からすると、東京海上
アセットの東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンがランクインして
しかるべきだったと思います。
ひふみ投信がランクインできるのであれば、こちらのファンドのほうが
確実に優れています。
ブロガーの多くがインデックスファンド中心に投資していることもあり、
アクティブファンドについてはあまり詳しくないというのもあると思いますが、
もう少しアクティブファンドもランクインしてくると面白いと思いますね。
多くの銘柄がNISAやiDeCoの対象商品となっていますので、ぜひ参考に
してください。
考えずに投資をしてしまいがちです。 しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
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当然ながら、弱点もあります。 今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
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