ファンドのカテゴリーといえば、株式、債券、リートなど
がまず思い浮かびますが、高い配当利回りで注目を集めて
いるのがMLP(エムエルピー)というカテゴリーです。

MLPというのは、マスター・リミテッド・パートナーシップの
略称で、石油・天然ガスの精製、備蓄、輸送(パイプライン)
施設などのエネルギーインフラに間接的に投資ができる形態です。

MLPはエネルギー版のREITとも呼ばれており、分散投資に
欠かせない資産クラスとして、一部の投資家の間では有名です。

今日は、そんなMLPに投資ができる野村アセットマネジメントの
米国エネルギー革命ファンド Bコース『愛称:エネルギーレボリュ
ーション』について徹底分析していきます。

「エネルギーレボリューションって投資対象としてどうなの?」

「エネルギーレボリューションって持ってて大丈夫なの?」

「エネルギーレボリューションより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。


米国エネルギー革命ファンド Bコース『エネルギーレボリューション』の基本情報

投資対象は?

エネルギーレボリューションは、アメリカに上場している
エネルギー関連事業に投資するMLPを実質的な投資対象と
しています。

組入資産を見たほうが早いですが、現在はほぼパイプラインに
投資をしていることがわかります。


※引用:マンスリーレポート

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

エネルギーレボリューションのつみたてNISAと
iDeCoの対応状況を確認しておきましょう。

残念ながらどちらも対応していません。

つみたてNISA iDeCo
×

※2021年4月時点

純資産総額は?

続いて、エネルギーレボリューションの純資産総額はどう
なっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで売買
できなかったり、コストが嵩みますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

エネルギーレボリューションの純資産総額は、現在100億円
程度です。

一時期は、1000億円をこえる大規模ファンドでしたが、
2015年に大きく基準価額が下落してからは、純資産総額は
右肩下がりとなっています。

このパフォーマンスではどうしようもありませんね。

※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

エネルギーレボリューションの実質コストは1.80%と
カテゴリー内では割高です。

かつ購入時手数料が3.85%と異常に高くなっており、手を
出してはいけない水準になっています。

パフォーマンスが優れているならまだしも、マイナスに
なっているようでは、投資する気にもなれません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.85%(税込)※上限
信託報酬 1.793%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.80%(概算値)

※引用:最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

米国エネルギー革命ファンド Bコース『エネルギーレボリューション』の評価分析

基準価額をどう見る?

エネルギーレボリューションの基準価額は、直近3年間で
20%ほど下落しています。

コロナショックの影響で基準価額が50%以上下落していますので、
相当ダメージが大きかったことがわかりますね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

エネルギーレボリューションの利回りを見てみましょう。

直近1年間の利回りは+100%を超える高い利回りです。

ただ、3年平均、5年平均利回りがほぼゼロ付近である
通り、直近以外のパフォーマンスは悲惨な結果となって
います。

このような酷いパフォーマンスに加え、高コスト体質
なので、すぐにでも解約するべきファンドです。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 +107.02%
3年 +0.55%
5年 ▲1.75%
10年

※2021年4月時点

同カテゴリー内での利回りランキングは?

エネルギーレボリューションは、北米株式カテゴリーに
属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。

エネルギーレボリューションは直近1年以外は、下位
10%に入っており、これでは高いコストを支払う
メリットが一切ありません。

上位●%
1年 8%
3年 91%
5年 95%
10年

※2021年4月時点

年別の運用利回りは?

エネルギーレボリューションの年別のパフォーマンスを
見てみると、毎年かなり大きくプラスマイナスに振れて
いることがわかります。

マイナスになる年は10%以上のマイナスを出しており、これでは
いくらプラスのリターンを出したとしても、トータルリターンが
プラスになるのは相当難易度が高くなります。

年間利回り
2021年 +28.93%(1-3月)
2020年 ▲29.28%
2019年 +9.57%
2018年 ▲16.42%
2017年 ▲14.77%
2016年 +15.28%
2015年 ▲34.13%
2014年 +21.05%

※2021年4月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

インデックスファンドとの利回り比較

エネルギーレボリューションに投資を検討する上で、
低コストのインデックスファンドとパフォーマンスを
比較しておいて損はありません。

今回はS&P500を参考指数としているeMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
とパフォーマンスを比較してみましょう。


※引用:モーニングスター

結果はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の圧勝です。

これでは、わざわざ高いコストを支払って、
エネルギーレボリューションに投資をする理由がありません。

エネルギーレボリューション slim米国株式
1年 +107.02% 55.49%
3年 +0.55%
5年 ▲1.75%
10年

※2021年4月時点

最大下落率は?

投資をする上で、最大どの程度下落する可能性があるかと
いうのは、気になるところでしょう。

標準偏差からある程度の範囲は予測できますが、やはり直接
確認したほうがイメージが湧きます。

エネルギーレボリューションは2019年4月~2020年3月までの
1年間で最大▲57.61%の下落を記録しています。

コロナショックの影響がいかに大きかったのかよくわかります。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲46.10%
3カ月 ▲55.95%
6カ月 ▲54.30%
12カ月 ▲57.61%

※2021年4月時点

評判はどう?

エネルギーレボリューションの評判はネットでの書き込み
などで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役
に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけエネルギー
レボリューションを解約している人が多いということ
なので、評判が悪くなっているということです。

エネルギーレボリューションは、2015年以降、毎月資金が
流出しており、評判は良くない状況です。

パフォーマンスを見れば当然ともいえますが、MLPに対し
て投資家は悲観的な見方をしています。


※引用:モーニングスター

米国エネルギー革命ファンド Bコース『エネルギーレボリューション』の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

エネルギーレボリューションはエネルギー関連事業の中でも
川中に位置するガス・石油の精製・備蓄・エネルギー輸送など
の事業を中心に行っています。

なので、原油や天然ガスを輸送するパイプライン事業の比率が
高かったわけです。

本来であれば、資源の生産者とMLPがパイプラインの使用に
関して長期契約を結ぶことが多く、ビジネス上のキャッシュ
フローも安定するはずなのですが、基準価額がかなり上下に
振れています。

安定的な収益を求める投資家にとっては、リスクが高すぎており、
これならまだREITに投資をしたほうが安心して見守れると思います。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点