ファンドのカテゴリーといえば、株式、債券、リートなど
がまず思い浮かびますが、高い配当利回りで注目を集めて
いるのがMLP(エムエルピー)というカテゴリーです。

 

MLPというのは、マスター・リミテッド・パートナーシップの
略称で、石油・天然ガスの精製、備蓄、輸送(パイプライン)
施設などのエネルギーインフラに間接的に投資ができる形態です。

 

MLPはエネルギー版のREITとも呼ばれており、分散投資に
欠かせない資産クラスとして、一部の投資家の間では有名です。

 

今日は、そんなMLPに投資ができる野村アセットマネジメントの
米国エネルギー革命ファンド Bコース『愛称:エネルギーレボリュ
ーション』について徹底分析していきます。

 

 

米国エネルギー革命ファンド Bコース『エネルギーレボリューション』の基本情報

投資対象は?

エネルギーレボリューションは、アメリカに上場している
エネルギー関連事業に投資するMLPを実質的な投資対象と
しています。

 

組入資産を見たほうが早いですが、現在はほぼパイプラインに
投資をしていることがわかります。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、エネルギーレボリューションの純資産総額はどう
なっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで売買
できなかったり、コストが嵩みますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

エネルギーレボリューションの純資産総額は、現在73億円
程度です。

 

一時期は、1000億円をこえる大規模ファンドでしたが、
2015年に大きく基準価額が下落してからは、純資産総額は
右肩下がりとなっています。


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

エネルギーレボリューションの実質コストは1.80%と
カテゴリー内では割高です。

 

かつ購入時手数料が3.78%と異常に高くなっており、手を
出してはいけない水準になっています。

 

パフォーマンスが優れているならまだしも、マイナスに
なっているようでは、投資する気にもなれません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.85%(税込)※上限
信託報酬 1.793%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.80%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コストを加味しても、圧倒的に高いリターンを出しているアクティブファンド特集

 

米国エネルギー革命ファンド Bコース『エネルギーレボリューション』の評価分析

基準価額の推移は?

エネルギーレボリューションの基準価額は、直近3年間で
約3分の1程度にまで減少しています。

 

コロナショックでは株式や債券だけでなく、原油関係も
大きく下落したこともあり、エネルギーレボリューション
も大きな影響を受けました。


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

エネルギーレボリューションの利回りを見てみましょう。

 

直近1年間の利回りは▲57.61%となっています。3年平均
5年平均利回りも20%以上のマイナスを記録しており、
どこをとっても全くいいところが見当たりません。

 

このような酷いパフォーマンスに加え、高コスト体質
なので、本当にすぐにでも解約するべきです。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲57.61% 98%
3年+ ▲29.14% 98%
5年 ▲22.41% 95%
10年

※2020年4月時点

 

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅の大きさを把握するときに
役立ちます。

 

標準偏差が48という見たことのないような数値になって
おり、いかにコロナショックで基準価額が暴落したかを
よく物語っています。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じ
でしょうか?

 

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいて
くださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 48.80 98%
3年 34.05 97%
5年 31.91 95%
10年

※2020年4月時点

 

年別のパフォーマンスは?

エネルギーレボリューションの年別のパフォーマンスを
見てみると、毎年かなり大きくプラスマイナスに振れて
いることがわかります。

 

マイナスになる年は10%以上のマイナスを出しており、これでは
いくらプラスのリターンを出したとしても、トータルリターンが
プラスになるのは相当難易度が高くなります。

年間利回り
2020年 ▲55.95%(1-3月)
2019年 +9.57%
2018年 ▲16.42%
2017年 ▲14.77%
2016年 +15.28%
2015年 ▲34.13%
2014年 +21.05%

※2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

最大下落率は?

投資をする上で、最大どの程度下落する可能性があるかと
いうのは、気になるところでしょう。

 

標準偏差からある程度の範囲は予測できますが、やはり直接
確認したほうがイメージが湧きます。

 

エネルギーレボリューションは2019年4月~2020年3月までで最大
▲57.61%の下落を記録しています。

 

コロナショックの影響がいかに大きかったのかよくわかります。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲46.10%
3カ月 ▲55.95%
6カ月 ▲54.30%
12カ月 ▲57.61%

※2020年4月時点

 

分配金の推移は?

つづいて、エネルギーレボリューションの分配金の推移を見て
みましょう。

 

2014年以前から毎月30円の分配を続けており、分配金余力も
まだ100カ月以上ありますので、当面分配金が下がることは
ないでしょう。

 

ただ、分配金利回りが5%を超えており、明らかにファンドの
収益力を上回っており、過剰分配が行われています。

 

このことから、基準価額の下落は続くでしょう。

 

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情
がない限りは毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
70期 20円 1,924円
71期 20円 1,935円
72期 20円 1,946円
73期 20円 1,958円
74期 20円 1,969円
75期 20円 1,983円

評判はどう?

エネルギーレボリューションの評判はネットでの書き込み
などで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役
に立つのが、月次の資金流出入額です。

 

資金が流出しているということは、それだけエネルギー
レボリューションを解約している人が多いということ
なので、評判が悪くなっているということです。

 

エネルギーレボリューションは、2015年以降、毎月資金が
流出しており、評判は良くない状況です。

 

パフォーマンスを見れば当然ともいえますが、MLPに対し
て投資家は悲観的な見方をしています。

 


※引用:モーニングスター

米国エネルギー革命ファンド Bコース『エネルギーレボリューション』の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

 

エネルギーレボリューションはエネルギー関連事業の中でも
川中に位置するガス・石油の精製・備蓄・エネルギー輸送など
の事業を中心に行っています。

 

なので、原油や天然ガスを輸送するパイプライン事業の比率が
高かったわけです。

 

本来であれば、資源の生産者とMLPがパイプラインの使用に
関して長期契約を結ぶことが多く、ビジネス上のキャッシュ
フローも安定するはずなのですが、なぜか基準価額がかなり
上下に振れています。

 

安定的な収益を求める投資家にとっては、リスクが高すぎており、
これならまだREITに投資をしたほうが安心して見守れると思います。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点