超低金利時代、銀行の定期預金に預けても利息はほぼつかない。
でも株や外国の資産に投資するのが怖い。。。と言うように、
今の利息よりももう少し高い金利で運用したいという方向けに
用意されたのが、ニッセイ 日本インカムオープン 『愛称:Jボンド』です。

 

今日はJボンドについて徹底分析したいと思います。

 

 

ニッセイ 日本インカムオープン『Jボンド』の基本情報

投資対象は?

Jボンドの投資対象は、日本の債券(国債、社債、金融債、ABS等)です。
国債以外の債券を積極的に組入ることで利回りの向上を目指します。

 

債券ファンドに投資をするうえで、組入られている債券の格付を
確認しておくことは非常に重要です。

 

Jボンドは格付がBBB格以上の投資適格債に投資し、全体の平均格付け
をA格以上に保つようなので、デフォルトの心配はほぼありません。

 


※引用:マンスリーレポート

 

またラダー型運用といって債券の残存期間毎に均等に投資を行い、
金利変動のリスクを抑え、収益性の確保を目指します。

 


※引用:交付目論見書

 

現在、Jボンドの組入銘柄数は241銘柄となっています。
またこのうち95%超が社債です。

 

具体的にどのような社債を購入しているのかを見てみましょう。
三菱UFJ信託、凸版印刷、京王電鉄など、ほとんどの企業の
名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?

 

逆に言えば、聞いたことがあるような大企業の社債であるから
こそ安心できるというわけです。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで売買できな
かったり、コストが嵩みますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

Jボンドの純資産総額は現在610億円で、ダイワの日本国債ファンドに
続き国内債券の中で純資産総額第2位のファンドです。

 

リーマンショックで大暴落した株や海外資産に嫌気をさした投資家が、
一気にJボンドに流れ込んだような形でしょう。

 

一時期は2000億円を超える規模でしたが、パフォーマンスがそこまで
優れているわけでもないので、純資産総額は右肩下がりとなっています。


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなけれ

ばなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

Jボンドの実質コストは0.16%で、アクティブファンドの中では
実質コストはかなり安い方です。

 

しかし後述しますが、インデックスファンドより運用成績がはるかに
劣っているので、あえてJボンドに投資するメリットを感じません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 1.65%(税込)※上限
信託報酬 0.1595%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 0.16%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

ニッセイ 日本インカムオープン『Jボンド』の評価分析

基準価額の推移は?

Jボンドの基準価額を見てみましょう。

 

直近は9000円台前半で推移していて、基準価額は緩やかですが、
2010年以降、下降しています。

 

決して高い分配金を出しているわけではありませんが、それでも
基準価額が下がるということはパフォーマンスが優れないという
ことですね。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

Jボンドの利回りはどれくらいでしょうか?

 

直近1年間の利回りは0.27%、5年平均利回りが0.33%、
10年平均利回りが0.66%です。

 

カテゴリーランキングを見ても下位1割に入っていますので、
運用はうまくいっていないことがわかります。

 

組入上位1位の三菱UFJ信託銀行の社債でも利回りが1.9%ですので、
この状況ですと社債を保有していた方が利回りが高いということに
なってしまいますね。

 

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 0.27% 96%
3年 0.22% 86%
5年 0.33% 91%
10年 0.66% 96%

※2019年12月時点

 

標準偏差は?

標準偏差は年間の基準価額の変動幅を把握するのに役立ちます。

 

Jボンドの標準偏差は0.5~1の間で推移しており、私が知っている
ファンドの標準偏差の中でも最も低いです。

 

これだけ低いとリスクはありませんが、まったく増えませんので、
投資をする価値があるのか甚だ疑問です。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 0.58 7%
3年 0.53 5%
5年 0.68 5%
10年 0.89 7%

※2019年12月時点

 

年別の運用パフォーマンスは?

続いて、Jボンドの年別のパフォーマンスを見てみましょう。
±1%以内にパフォーマンスが収まってしまっている年が多く、
ある意味安定していますが、これでは資産を増やせません。

年間利回り
2019年 0.41%(1-9月)
2018年 0.48%
2017年 0.03%
2016年 0.82%
2015年 ▲0.11%
2014年 1.86%

※2019年12月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドへの投資を検討しているのであれば、
インデックスファンドとのパフォーマンスを比較しておいて
損はありません。

 

そこで、野村BPIをベンチマークとする三井住友・日本債券
インデックス・ファンドと比較をしてみましょう。

 

ご覧の通り3年で比較した場合、Jボンドはかなり劣っていることが
わかります。これではJボンドに投資する意味がありませんね。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

投資をするうえで、Jボンドが過去にどの程度下落したことが
あるのかは把握しておきたいところです。

 

Jボンドの最大下落率は、2010年11月〜2011年10月で1.06%と
なっています。

 

リーマンショック時に大きく下落しなかった点は評価に値しますが、
リスクをそれだけとっていないので、資産も増えないというわけです。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲1.67%
3カ月 ▲2.00%
6カ月 ▲1.24%
12カ月 ▲1.06%

※2019年12月時点

 

分配金は?

Jボンドの分配金は2019年からついに毎月5円になりました。

 

基準価額に対する分配金の割合を示す分配金利回りが1%と
かなり低いにもかかわらず、基準価額は下がり、減配される
というのは、運用がうまくいっていない証拠です。

 

これでは、お小遣いの足しにもならない程度の金額に
しかなりません。

 

分配金余力も12カ月程度しかないので、近々減配になっても
おかしくありません。

 

このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
151期 5円 -円 58円
152期 5円 -円 58円
153期 5円 -円 59円
154期 5円 -円 59円
155期 5円 -円 59円
156期 5円 -円 59円

評判はどう?

評判がどうなのかを判断するうえで資金の流出入額が役に立ちます。

 

資金が流出超過になっているということは、それだけ解約している人
が多いということです。つまり評判が悪くなっているということですね。

 

それでは、Jボンドはどうでしょうか。

 

以下のグラフをご覧ください。

 

この約5年ほとんどの月で資金が流出超過となっていることが分かります。
このパフォーマンスではこうなっても仕方ありませんね。

 


※引用:モーニングスター

 

ニッセイ 日本インカムオープン『Jボンド』の今後の見通し

Jボンドの今後の見通しについて考えてみましょう。

 

分配金の内訳を見てみると、毎月5円という低い分配水準なので、
タコ足配当にはなっていないようです。

 

ただ、翌期繰越分配対象額が60円程度しかありませんので、
今後分配金が引き下げられる可能性は多いにあります。

 

国内債券は、他の資産や特に国内株式と相関が低いため、
株価下落時に下落率の緩和が期待できます。

 

故にポートフォリオの一部に持っておきたいという人もいる
のでしょう。

 

しかし、Jボンドはこのような状況で今のところ手数料やその他の
コストを払ってまでJボンドに投資する価値が見出せません

代わりに国内債券インデックスファンドに投資することをお勧めします。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点