一時期、95.94%という驚異的なパフォーマンスをたたき出した
ことで一気に注目を集め始めた日興グローイング・ベンチャーファンド。

 

ファンド名を聞いた時点ですでにお気づきの方もいると思いますが、
実はこのファンド、SBIアセットのj-nextや明治安田アセットの
小型株ファンドと同じあの投資顧問会社が投資助言をしています。

 

今日は、日興グローイング・ベンチャーファンドについて
徹底分析していきたいと思います。

 

 

日興グローイング・ベンチャーファンドの基本情報

投資対象は?

日興グローイング・ベンチャーファンドの投資対象は、日本国内の
株式で、特に高い発展・成長が期待できる株式公開後5年以内の企業
を対象に投資をしていきます。

 

中小型株は大型株と比べて、公開されている情報が少ないため、
細目に企業訪問をし経営者へのインタビューを行うことで、
情報優位に立つことができるのが特徴です。

 

 

現在の組入銘柄は52銘柄となっています。

 

1位のマクアケはクラウドファンディングのプラットフォームを
運営している会社です。

 

2位のジャパンエレベーターは、エレベーターの保守・保全を
行っています。

 

3位のプロレドは大企業や企業再生ファンドなどに成果報酬型で
サービスを提供しています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

運用体制は?

冒頭でも述べましたが、日興グローイング・ベンチャーファンドが
高いパフォーマンスを残せているのは、投資顧問会社のエンジェル
ジャパン・アセットマネジメントが投資助言を行っているためです。

 

エンジェルジャパンが他の投資顧問会社と違うのは、

 

面談は基本経営者と直接行っている。

当たり前のように感じるかもしれませんが、経営者も忙しいので、
実際は会社のNo.2やNo.3と面談することも多いのが現状です。

 

変化の大きい企業ほど、経営者の意思決定が大きなファクターと
なりますので、トップの考えを把握できているというのは大きな
強みとなります。

 

チーム全員が面談の場に出席する。

年間延べ1000社の経営者と会うだけでも大変ですが、ヒアリング
した情報に偏りがないように、チーム全員で面談し、意見を共有
しあうというのは、大きな強みになります。

 

5年先までの収益予想シートを作成している。

5年先までの収益予測を作っている会社を他に知りませんが、
こういった他がやっていないような細かい作業が銘柄選定の上で
差別化ポイントになっています。

 

大きな金額を運用している機関投資家は時価総額の大きな企業
についての調査しか興味がなく、ジャスダックやマザーズに上場
している規模の小さな企業に対しては、アナリストが1人もついて
いないのが現状です。

 

逆に言えば、そういった企業は正しく株価が評価されていない可能性
が高く、しっかりリサーチができている投資顧問会社からすると、
大きなリターンを得るチャンスにつながるというわけです。

 

純資産総額は?

続いて、日興グローイング・ベンチャーファンドの純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額
だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、ファンドの運用で必ず発生する
運営コストが相対的に高くなるので、ファンドのパフォーマンスを
悪化させる原因になります。

 

そのため、純資産総額も事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

日興グローイング・ベンチャーファンドは、約140億円程度と
なっています。

 

2018年以降の運用パフォーマンスが優れないことから直近
では資金が流出しています。

 

規模の大きさによるデメリットはありませんね。

 


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが
通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

日興グローイング・ベンチャーファンドの実質コストは2.16%と
なっており、とにかくコストが割高です。

 

通常であれば、まず手を出してはいけないコストの高さですが、
運用が優れているのであれば、一考に値します。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)
信託報酬 2.09%(税込)
信託財産留保額 0.5%
実質コスト 2.160%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

日興グローイング・ベンチャーファンドの評価分析

基準価額の推移は?

続いて、基準価額の推移を見てみましょう。

 

日興グローイング・ベンチャーファンドは2018年以降、
大きく上下に変動しながら、下落を続けています。

 

2017年にあまりに大きく上昇したことが原因の1つですが、
直近の運用は苦戦しているようですね。

 

※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

つづいて、日興グローイング・ベンチャーファンドの
運用実績を見てみましょう。

 

直近1年間の利回りは▲15.49%となっています。

 

3年、5年平、10年平均利回りは決して悪い数値では、
ありませんが、直近の運用は苦戦しています。

 

こういった直近だけパフォーマンスが悪いファンドは
何かしら運用体制なのか何かが変わった可能性が高く
10年平均利回りだけを見て、投資すべきではありません。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年8月
1年 ▲15.49%
3年 7.57%
5年 13.38%
10年 17.94%

※2020年8月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

日興グローイング・ベンチャーファンドは、国内小型株
グロースカテゴリーに属しています。

 

投資をするのであれば、小型株カテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。

 

日興グローイング・ベンチャーファンドは、1年平均利回りが
下位10%程度にランクインしており、かなり厳しい結果と
なりました。

 

ただ、3年、5年、10年平均利回りで見ると、上位にランクイン
しており、評価するのが難しいですね。

 

平均利回り(上位●%) 2020年8月
1年 98%
3年 24%
5年 14%
10年 30%

※2020年8月時点

 

年別運用パフォーマンスは?

日興グローイング・ベンチャーファンドの年別の運用パフォーマンスも
見てみましょう。

 

2018年は2桁のマイナスですが、それ以外の年ではしっかりと
プラスのリターンを残せていますので、決して悪い状況では
ありません。

年間利回り
2020年 ▲1.20%
2019年 25.00%
2018年 ▲14.01%
2017年 95.94%
2016年 17.95%
2015年 5.58%
2014年 6.27%

※2020年8月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

日興グローイング・ベンチャーファンドに投資するにあたって、
より低コストで運用できるインデックスファンドとの
パフォーマンスを比較しておいて損はありません。

 

今回は、日経225をベンチマークとするニッセイ 日経225
インデックスファンド
とパフォーマンスを比較してみました。

 

※引用:モーニングスター

 

一目でわかる通り、終始、日興グローイング・ベンチャー
ファンドがパフォーマンスで勝っています。

 

低コストのインデックスファンドにここまで差を付けられる
のであれば、投資をする価値があると言えますね。

 

合わせて、もう少し長期のパフォーマンスも比較しておきましょう。

 

日興グローイング ニッセイ日経 225
1年 ▲15.49% 2.84%
3年 7.57% 4.79%
5年 13.38% 2.81%
10年 17.94% 10.34%

※2020年8月時点

 

5年平均利回り、10年平均利回りを見ても、大きく差を
広げており、これであれば、高いコストを支払って、
投資をする価値があると言えます。

 

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

せっかくアクティブファンドに投資をするのであれば、
同じカテゴリーの中でも優秀なファンドに投資をしたい
と思うもの。

 

今回は、国内大型株カテゴリーで中長期で高い
パフォーマンスの残しているスパークスの厳選投資
とパフォーマンスを比較しました。

 


※引用:モーニングスター

 

コロナショック前までは、日興グローイング・ベンチャーファンド
が優位でしたが、コロナショック以降はほぼパフォーマンスに差は
ありません。

 

このチャートの動きを見ると、いかに日興 グローイング・ベンチャー
ファンドの値動きが大きいかがわかりますね。

 

日興グローイング 厳選投資
1年 ▲15.49% 9.86%
3年 7.57% 9.23%
5年 13.38% 8.07%
10年 17.94% 16.23%

※2020年8月時点

 

最大下落率は?

投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の範囲をある程度は
予想できますが、やはり実際に下落した度合いをみたほうがイメージが
わきます。

 

日興グローイング・ベンチャーファンドは2007年11月~2008年10月で
▲59.18%の下落を記録しています。

 

さきほどのチャートの比較でもわかりますが、パフォーマンスは
高いですが、かなり値動きが大きいので、注意が必要です。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

 

期間 下落率
1カ月 ▲22.55%
3カ月 ▲34.35%
6カ月 ▲38.20%
12カ月 ▲59.18%

※2020年8月

 

評判はどう?

日興グローイング・ベンチャーファンドの評判はネットでの
書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

 

資金が流出しているということは、それだけ日興グローイング・
ベンチャーファンドを解約している人が多いということなので、
評判が悪くなっているということです。

 

2016年までは毎月資金が流出していましたが、2017年に入り
資金が流入し始め、2017末~2018年初めにかけて大きく資金
流入しています。

 

直近は、多くの人が期待していたよりもパフォーマンスが伸び
悩んでいるため、目先の利益だけ追っていた投資家が解約した
ものと思われます。

 

やはり、大きな値動きに耐えられる人でないと、このファンド
は難しいですね。

 


※引用:モーニングスター

日興グローイング・ベンチャーファンド の今後の見通し

日本の経済は停滞気味のため、日本の株式はダメだという人も
いますが、優れた日本の中小型株はまだまだ存在しています。

 

日興グローイング・ベンチャーファンドは直近のパフォーマンス
は確かに優れませんが、3年、5年、10年の利回りでみれば、
多くのファンドよりも優れた成果を残しています。

 

あとは、やはり、値動きが相当大きいので、その値動きに
耐えられるだけの精神力を持って、運用をしていく必要が
あります。

 

直近のパフォーマンスがあまり優れませんので、悩ましい
ところではありますが、少なくとも投資する価値がある
ファンドの1つであることは間違いありません。

 

高いコストを支払っても検討する価値があると言えます。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点