近年S&P500に連動するインデックスファンドが非常に
人気であり、大和投信からiFree S&P500インデックス、
三菱UFJ国際からはeMAXIS Slim S&P500などが設定
されています。
そして、S&P500に連動するETFとして、米国で非常に
人気のあるVOOに投資ができるファンドがSBIアセット
から登場します。
楽天投信からVTIに投資できる楽天・全米株式インデックス
ファンドが登場して以来、いつかは来ると思っていましたが、
ライバルの楽天に負けれないという思いがSBIアセットにも
あったのだと思います。
今日は、このSBI・バンガード・S&P500インデックス・
ファンドを徹底分析していきます。
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの基本情報
投資対象は?
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの
投資対象はバンガード・S&P500ETFを通じて、米国の
代表的な株式指数であるS&P500に連動する投資成果を
目指します。
このブログを読んでいる人にはS&P500の説明は不要
かもしれませんが、S&P500は米国の代表的な指数で、
ニューヨーク証券取引所、NASDAQ等に上昇している
銘柄の中で代表的な500銘柄の時価総額を加重平均して
算出した指数です。
もともとS&P500に直接投資ができるインデックス
ファンドというのが国内にはなかったのですが、近年
米国株式に注目する投資家が増えてきたこともあり、
各社でS&P500に連動するインデックスファンドが登場
しています。
VOOの組入上位の銘柄を見てみると、以下のように
なっており、あなたもほぼ聞いたことのある銘柄が
ラインナップされているのではないでしょうか。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するように
してください。
純資産総額は大きいほうが、ファンドマネージャーが資金
を運用する際に効率よくできたり、保管費用や監査費用が
相対的に低くなりますので、コストが低く抑えられます。
また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその
投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなる
こともありますので注意が必要です。
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの純資産
は現在、総額は230億円です。
運用開始以来、着実に純資産を積み重ねており、コロナショ
ックで基準価額が大きく下落したにもかかわらず、純資産は
ほとんど減少しませんでした。
このあたりにSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
の人気ぶりがうかがえますね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドに
投資をするうえでやはり気になるのがコストです。
運用がスタートしていないので実質コストはまだわかりま
せんが、近年はとにかく手数料の低いインデックスファンド
が毎年登場しており、VOOに投資できるからと言って手数料
が高ければ投資する価値がありません。
その点、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの
信託報酬は0.09264%驚異的な安さとなっています。
S&P500に連動するインデックスファンドとしては初の0.1%
切りということで、手数料観点でみても非常に優位性のある
商品であることがわかります。
購入時手数料 | なし |
信託報酬 | 0.09264%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 不明 |
実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。
無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの評価分析
基準価額の推移は?
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの基準
価額はコロナショックの影響で20%以上下落しています。
まだ運用開始してから半年だったこともあり、基準価額は
一時8000円を割り込みましたが、すぐに9000円台にまで
戻してきました。
やはりこのあたりが米国株の強さですね。
※引用:モーニングスター
利回りはどれくらい?
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの直近
6カ月の利回りは▲10.02%です。
まだ運用が始まって半年なので、今からではありますが、
設定した時期も悪かったこともあり10%ほど下落しています。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | %ランク | |
1カ月 | ▲12.19% | 31% |
3カ月 | ▲19.17% | 34% |
6カ月 | ▲10.02% | 33% |
1年 | – | – |
※2020年4月時点
考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。
ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは
インデックスファンドとのパフォーマンス比較
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドへの
投資を検討するのであれば、同じくS&P500をベンチマーク
としている他社のインデックスファンドとパフォーマンス
を比較しておいて損はありません。
今回は、eMAXIS Slim 米国株式とiFree S&P500インデックス
とパフォーマンスを比較してみました。
結果は当然ですが、ほぼ互角です。ですので、正直どのファ
ンドを選んだとしても今後大差がつくことはまずありません。
ただ、直近で見ると、純資産が小さいSBI・バンガード・
S&P500インデックス・ファンドは他のファンドよりも
わずかにコストがかかっているようです。
これは、純資産が大きくなるにつれて解消する問題なので
あまり気にする必要はありません。
※引用:モーニングスター
評判はどう?
それでは、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファ
ンドの評判はどうでしょうか?
ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入
を見ることで、評判がわかります。
評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪く
なっていれば、資金が流出超過になります。
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドは直近
のコロナショックの影響をものともせず、毎月流入額が
どんどん増えており、とても人気です。
コロナショックの影響が大きいであろう2020年3月の流入
が最大となっているのには驚きますね。
※引用:モーニングスター
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの今後の見通しと評価まとめ
いかがでしょうか?
S&P500に連動するインデックスファンドへの投資は私も
このブログで何度も紹介していますが、私がおすすめして
いる最たる理由は圧倒的なパフォーマンスの高さにあります。
1970年以降、どの15年間をとって運用したとしても
(例:1972年~1987年、1973年~1988年、1990年~2005年など)、
一番パフォーマンスが悪い15年間の年利で4.24%です。
どんなに悪くても年間4%資産が増えるのであれば、悪くは
ありません。
一方で、一番パフォーマンスが良い15年間の運用実績では、
年利18.93%にまでなります。あくまでも過去実績ですが、
10年を超える長期の運用で考えれば限りなく負ける確率を
下げることができるわけです。
このブログを見ている読者の方が一番気になっているのは、
果たして投資する価値があるのかという点ですが、SBI・
バンガード・S&P500インデックス・ファンドは投資価値が
あると私は考えます。
S&P500に連動するインデックスファンドはS&P500に連動
するわけなので、運用実績にはほぼ差がつきません。
そのため、コストが高いか安いかで最終的なパフォーマンス
が変わってくるわけですが、今まで最安値だったeMAXIS Slim
米国株式(S&P500)をさらに下回る手数料のSBI・バンガード・
S&P500インデックス・ファンドは十分に優れていると言えます。
当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。
その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点