米国社債に特化して投資を行うコーポレート・ボンド・インカム
『愛称:泰平航路』。

 

米国債より高い利回りが期待できるということで一部の投資家から
注目を集めています。

 

泰平航路は、為替ヘッジ有/無と毎月分配/1年決算の4種類の組み合わせ
がありますが、今日は、人気が一番高い為替ヘッジ無/毎月分配型を
中心に分析していきます。

 

為替ヘッジ有や1年決算型を現在保有しているもしくは、検討している方も
参考になるように書いていますので、覗いてみてください。

 

 

コーポレート・ボンド・インカム『泰平航路』の基本情報

投資対象は?

泰平航路の投資対象は、コーポレート・ボンド・インカム
マザーファンドへの投資を通じて、米ドル建の投資適格社債
へ投資をしていきます。

 

S&Pおよびムーディーズの格付がBBB/Baa以上のファンドを
対象としており、格付がA以上のファンドを中心に組入を行います。

 


※引用:マンスリーレポート

 

国別の組入比率を見てみると、ほとんどが米国の債券となっている
ようです。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性
がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

泰平航路の純資産総額は現在340億円弱まで下落してきていますが、
規模としては全く問題ありません。

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

泰平航路の実質コストは1.10%となっており、比較的割安
となっています。

 

しかし、購入時手数料と併せて、初年度に4%以上取られますので、
積極的にはお勧めしづらいファンドです。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.089%(税込)
信託財産留保額 0.15%
実質コスト 1.10%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

コーポレート・ボンド・インカム『泰平航路』の評価分析

基準価額をどう見る?

泰平航路の現在の基準価額は、7,800円となっています。
2018年以降は、基準価額の下落が止まっていますね。

 

分配金を受け取らずに運用を続けた場合の分配金再投資
基準価額(青線)は2018年以降上昇を続けていますので、
直近は運用もうまくいっているようです。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

泰平航路の直近1年間の利回りは8.38%となっています。

 

2019年に大きなリターンをあげたことで、3年、5年、
10年平均利回りもかなり改善されました。

 

北米の債券カテゴリーでも上位3割程度には入っており、
優秀な結果を残せています。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 8.38% 9%
3年 2.67% 20%
5年 1.19% 24%
10年 5.81% 36%

※2019年12月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年平均利回りランキングで見る圧倒的に優れた投資信託まとめ

 

標準偏差は?

標準偏差は年間の基準価額の変動幅を把握するのに役立ちます。

 

泰平航路の標準偏差を見てみると、5年、10年平均で6~7程度
ですので、株式ファンド等と比べると約半分くらいの値動き
ということがわかります。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 3.52 32%
3年 5.24 51%
5年 6.51 27%
10年 7.61 42%

※2019年12月時点

 

年別のパフォーマンスは?

では、泰平航路の年別のパフォーマンスを見てみましょう。

 

2016年~2018年はまったく振るわなかった泰平航路ですが、
2019年に入り、パフォーマンスが改善しています。

 

2016年~2018年はマイナスではあったものの、マイナス幅が
小さかったので、2019年でマイナス分をすぐに元を取ること
ができています。

 

もう少し安定してプラスのリターンが出せるようになると
より投資しやすくなりますね。

年間利回り
2019年 7.25%(1-9月)
2018年 ▲3.77%
2017年 ▲0.26%
2016年 ▲1.92%
2015年 1.20%
2014年 19.44%

※2019年12月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

最大下落率は?

投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の範囲を
ある程度は予想できますが、やはり実際に下落した度合いをみた
ほうがイメージがわきます。

 

泰平航路は2015年10月~2016年9月で最大▲10.40%の下落を
記録しています。

 

債券と聞くともっと手堅いイメージを持っている人も多いですが、
10%程度の下落は起こり得るものだと思っておかなくてはいけません。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲5.84%
3カ月 ▲8.35%
6カ月 ▲9.33%
12カ月 ▲10.40%

※2019年12月時点

 

分配金の推移は?

つづいて泰平航路の分配金の推移を見ていきましょう。

 

2017年末までは100円の分配が行われていましたが、2018年に
入り70円に減額され、2019年には50円にまで減配されています。

 

分配金の内訳をみてみると、半分以上が当期収益以外からまかなわ
れており、典型的なタコ足配当ファンドであることがわかります。

 

基準価額に対する分配金の割合を示す分配金利回りが7~8%程度
なので、分配金はかなり健全な水準に戻ってきています。ただ、
それでもまだファンドの収益力よりも高い分配金が支払われて
いますね。

 

このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配 当期収益以外 繰越対象額
121期 50円 37円 1,203円
122期 50円 31円 1,172円
123期 50円 36円 1,136円
124期 50円 31円 1,105円
125期 50円 34円 1,071円
126期 50円 32円 1,039円

※引用:最新運用報告書

 

評判はどう?

泰平航路の評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

 

資金が流出しているということは、それだけ泰平航路を解約して
いる人が多いということなので、評判が悪いということです。

 

泰平航路は2017年末までは毎月資金が流入しており、評判が良かった
のですが、2018年に分配金を減額したタイミングから資金流出が超過
しており、評判が下がっています。

 

当分、タコ足配当が続きますので、資金流出の流れは止まらないと
思われます。

 


※引用:モーニングスター

 

コーポレート・ボンド・インカム『泰平航路』の今後の見通し

債券ファンドへの投資を検討している方というのは、株式ファンドと
組み合わせて、リスクを下げる目的か、株式ファンドほど高いリスクは
取りたくない人かどちらかだと思います。

 

シンプルに米国債に投資し、満期まで保有をすれば、実質為替リスク
だけを考えればいいですが、債券ファンドの場合、予期せぬタイミング
で債券を入れ替える必要が出てきます。

 

満期まで保有していれば、プラスのリターンが出るところ、途中で
売却してしまうことで逆にマイナスになってしまうことが多々あります。

 

よく仕組みを理解した上で、投資判断をされているのであればよいですが、
何となく分散投資ができるから程度にしか考えていないのであれば、
債券ファンドには手を出さないほうがよいでしょう。

 

このブログでは何度も同じ話をしていますが、リスクを下げて手堅く
運用したいのであれば、泰平航路のような債券ファンドに投資をするより、
米国債に直接投資をしたほうが確実です。

 

米国債は実は簡単に購入できますので、興味のある方は以下の
記事を読んでみて下さい。

米国債投資(アメリカ国債投資)完全攻略ガイド

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点