2~3年前に人気が爆発した「あんしんスイッチ」の発想を
真似して作られたりそな・リスクコントロールファンド
『みつぼしフライト』。

 

確保ラインという、繰り上げ償還ラインを設定しておく
ことで、投資家は投資するタイミングで最大損失額が把握
できる投資信託です。

 

2~3年経ち、当時の販売資料通りに運用がいかにうまく
いっていないかがよくわかるようになっては来たのですが、
いまだこのようなリスクコントロールファンドの人気が
あるとは驚きです。

 

今日は、みつぼしフライトについて徹底分析していきます。

 

 

みつぼしフライトの基本情報

投資対象は?

みつぼしフライトの投資対象は国内外の株式、債券、

リートです。

投資環境が強気なのか弱気なのかによって、組入資産の
比率を流動的に変更していきます。

 


※引用:交付目論見書

 

現在のみつぼしフライトの組み入れ比率を見てみましょう。

 

安定資産が約7割、成長資産が約3割となっています。
比較的リスクを抑えながら運用していることがわかり
ますね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

確保ラインとは?

確保ラインとは、その基準まで、もし基準価額が下落した
場合に、そこで繰上償還をされるというラインのことです。

 

このラインは、事前に設定してあり、下図のように確保
ラインに近づくにつれて、価格変動の小さい国内公社債
の比率を高めて運用していきます。

 

一見、まともな運用をしているように見えますが、確保
ラインに近づいて利回りが1%もない国内の公社債ばかり
になると、毎年高い信託報酬だけ運用会社に取られるこ
とになります。

 

リスクは抑えられているので、下落はしにくくなりますが、
それは上昇もしにくいと言っているようなものであり、
運用会社だけがしっかりと儲かる構造になっています。

 

リスク性資産の割合に応じて、信託報酬を下げている点は
評価できますが、リスクを下げて無駄に延命されることに
何の価値も感じません。

 


※引用:交付目論見書

 

ちなみに確保ラインは1度だけ上昇します。

 

ここが、他のリスクコントールファンドとは異なる点です。

 

他のファンドの場合は、基準価額が一定の割合上昇するご
とに、確保ラインも上昇していくのですが、みつぼしフラ
イトの場合は、1回だけ上昇します。

 

上昇するタイミングは基準価額が10500円を超えたときです。

 

投資家からすると、最低限投資元本が確保されるから安心
ということでしょう。

 


※引用:交付目論見書

 

繰上償還されるタイミングは?

では、みつぼしフライトが繰上償還されるのはどの
ようなときでしょうか。

 

まずは基準価額が下落し、確保ラインに到達したときです。
これはすぐにイメージがわくと思います。

 


※引用:交付目論見書

 

そして、もう一つが、確保ラインから+50円の範囲内の
水準で基準価額が20営業日以上、推移した場合はこれも
繰り上げ償還の対象となります。

 

※引用:交付目論見書

 

どちらにしても、確保ラインに近づいてきたら、早めに
解約してしまったほうがいいですね。

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

 

みつぼしフライトは、まだ運用報告書が出ていないので、
実質コストはわかりませんが、少なくとも購入時手数料
はゼロ、信託報酬は1.243%と決して安くはない水準です。

 

このような水準の場合はインデックスファンドとパフォ
ーマンスを比較するのは必須ですね。

 

無駄に高いコストを支払うメリットはありません。

 

みつぼしフライトの評価分析

みつぼしフライトの基準価額は?

それでは、みつぼしフライトの基準価額を見ていきましょう。

 

できるだけ長期間でのパフォーマンスを見て投資判断を
すべきですので、今回は2019年3月に設定された一番古い
みつぼしフライトの基準価額の推移を見てみます。

 

2019年は非常に順調に推移しているようです。

 

あと少しで確保ラインが一段階上がる水準まで上昇して
いますね。

 

ただ、2019年のような相場は毎年来るわけではないので、
今後購入予定の方は注意してください。

 


※引用:モーニングスター

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

高コストのみつぼしフライトに投資を検討するのであれば、
より低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォ
ーマンスを比較してから投資をしても遅くはありません。

 

みつぼしフライトは先進国債券の比率が一番高いので、
今回はeMAIXS Slim 先進国債券インデックスとパフォー
マンスを比較してみます。

 

直近ではeMAXIS Slim 先進国債券インデックスのほうが
パフォーマンスで上回っていますが、みつぼしフライトが
上回っている時期もありますので、どっちとは優劣つけがたいです。

 


※引用:モーニングスター

 

みつぼしフライトの評価まとめと今後の見通し

みつぼしフライトのようなコンセプトのファンドはリスクを
嫌う投資家からは非常に人気です。

 

ただ、なかなか実績が出ていないのが現状で、2~3年前に
設定されたアムンディのあんしんスイッチはみつぼしフラ
イトでいう確保ラインがこの2~3年間で一度も上昇していません。

 

販売資料や交付目論見書ではいかにも簡単に基準価額が上昇し、
確保ラインが上昇するような書き方がしてありますが、これが
実態です。

 

また、みつぼしフライトは確保ラインに到達したときに繰上
償還されるように保険に入っていますので、その費用だけで
毎年0.2%程度のコストがかかっています。

 

自分で毎日投信の基準価額を見るのは面倒ですが、確保ライン
と同じようなことは自分がマメに基準価額をチェックできさえ
すれば、簡単にできてしまいます。

 

そのあたりも考慮しながら、投資するか検討してください。

 

 

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