東洋と西洋の文化と歴史が融合するベトナム。急速な発展
を遂げるアジア諸国の中でもベトナム経済が持つ潜在的な
パワーに多くの投資家が熱い視線を送っています。

 

近年、ベトナム国有企業の民営化が大きく進み、政府保有株
の売却が進んでいるだけでなく、外国人投資家の株式保有制限
の緩和が行われ、今までは49%以下が原則でしたが、最大100%
まで保有制限が緩和されました。

 

これにより流動性の改善と、投資機会の拡大が期待されており、
ベトナム株式市場への注目が一層高まっています。

 

今日は、そんな東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型)に
ついて徹底分析していきます。

 

 

東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型) の基本情報

投資対象は?

東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型) の投資対象は
ベトナム企業の株式です。

 

成長性や事業モデルなどを考慮して最終的に30~70銘柄に
絞り込みます。

 

現在の組入銘柄数は50銘柄となっており、組入上位の業種は
金融、不動産が多くなっています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

運用体制は?

東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型)の実質的な
運用は、Korea Investment Management (KIM)が行います。

 

KIMは韓国投資ホールディングス傘下の運用会社で、2006年
からベトナム株式への投資を行っており、ベトナム株式の
運用残高は世界トップクラスです。

 

ホーチミンにリサーチ拠点を構えて、現地で徹底したリサーチ
活動を行っています。現地でリサーチ活動をもとに銘柄選定を
行っているのは好感が持てますね。

 

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認しておきたい
ポイントです。

 

純資産総額が小さいと運用が効率よく行えずにコストが高くついたり、
保管費用や監査費用が相対的に高くなりますので割高になります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

また運用会社自体がその投資信託の運用に力を注がなくなりパフォー
マンスが悪くなることもありますので注意が必要です。最低でも
10億円、50億円は欲しいです。

 

東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型) は2018年7月に
設立されたばかりのファンドですが、一時期は400億円規模
にまで成長しました。

 

しかし、2019年以降はパフォーマンスが悪化しており、それ
に伴い、純資産も減少傾向にあります。それでも、270億円
あれば規模としては十分です。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

投資信託には、購入時手数料や信託報酬以外にも実は費用
がかかっています。

 

これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買
手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

 

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストが
かなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型) の実質コストは
2.37%となっています。

 

購入時手数料と合わせると初年度は6%近く取られますので、
相当パフォーマンスがよくなければ、投資できません。

要注意!手数料が安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.76%(税込)
信託財産留保額 0.5%
実質コスト 2.370%(税込)

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型) の評価分析

基準価額の推移は?

東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型) の基準価額を見て
みましょう。

 

設定したタイミングが悪かったのもありますが、設定して
以来、10000円の基準価額をほぼ超えることなく下落の
一途をたどっています。

 

コロナショックの影響ですでに基準価額は6000円台に
突入しており、かなり苦しい状況です。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型) の直近
1年間の利回りは▲39.12%です。

 

プラスが出るときは確かに大きなプラスが出るのですが、
マイナスが出るときは極端に大きなマイナスが出ます。

 

さすがに年間40%も下落するようなファンドには、
恐くて投資できません。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解
していますか?

もし、理解していないのであれば、必ず理解しておい
てください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲39.12% 72%
3年
5年
10年

※2020年4月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内大型株式ファンドランキング

 

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、東京海上・
ベトナム株式ファンド(年1回決算型) の基準価額の変動幅
の大きさを知るには役立ちます。

 

東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型) の標準
偏差は30を超えており、通常の株式ファンドの値動きの
2倍くらいまで上昇しています。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのは
ご存じでしょうか?

 

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えて
おいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 30.49 47%
3年
5年
10年

※2020年4月時点

 

年別のパフォーマンスは?

東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型) の年別
のパフォーマンスも見てみましょう。

 

2019年に続き、2020年も大きくマイナスとなりました。

 

設定されたタイミングもよくなかったのですが、さすが
に今から投資をしようとは思えません。

年間利回り
2020年 ▲34.17%(1-3月)
2019年 ▲2.43%
2018年

※2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

最大下落率は?

東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型) に投資を
する前に、最大でどの程度下落する可能性があるのかを
知っておくことは非常に重要です。

 

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく
下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

 

東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型) は2019年4月
~2020年3月の間に最大39.12%も下落しました。

 

コロナショックの影響をもろに受けてしまっています。

評判はどう?

それでは、東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型) の
評判はどうでしょうか?

 

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入
を見ることで、評判がわかります。評判がよければ、資金が
流入超過になりますし、評判が悪くなっていれば、資金が
流出超過になります。

 

東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型) は、直近
流出超過になったり、流入超過になったりしており、
そこまで評判が落ちている印象はありません。

 

ここまで大きく下落してしまうと、もう保有を続ける
しかないと思っている人も多いのかもしれません。

 


※引用:モーニングスター

 

東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型) の今後の見通しと評価まとめ

将来の見通しを考える上で、一番基本となる統計を知って
いますか?

 

それは人口の推移です。

 

人口の増加が著しい国というのは例外なく経済も成長して
います。ベトナムは2040年まで人口増加が続く見通しで、
人口ピラミッドを見ても30歳未満の若年層が約半分を占め
ています。

 

また、人口増加に加えて所得水準も向上しており、平均賃金
と個人支出の金額が右肩上がりに伸びています。

 

日本の高度経済成長期にテレビやエアコン、車が一般家庭に
普及した状況と似たようなことが今、ベトナムでも起きて
いるわけです。

 

個人消費が勢いづけば、当然、企業の成長も加速していき
ますので、株式の上昇にも期待ができます。

 

最後に、もうひとつ。ベトナムは現在MSCIの格付では「フロン
ティア市場(後発途上国)」に分類されています。

 

それを中国やインドと同じエマージング市場(新興国)への
格上げを目指して様々な市場の改革を行っています。

 

今後、格上げされることが決まれば、それを見越して海外
からの投資マネーがベトナム株式市場に流入しますので、
基準価額の大きな上昇も期待できますね。

 

ただ、直近の基準価額の動きを見る限りはまだリスクが
高すぎてあえて投資をしようとは思えません。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点