VIXトレードを語る上で、まず知ってほしいのが、VIXと呼ばれる指数です。VIXとはVolatility Indexの略で、恐怖指数と呼ばれたりもします。
VIXは米国株を対象とした指数で、投資家が株価の先行きにどの程度不安を感じているか(大きく株価が変動しそうか)を表す指標です。
VIXには3つの状態があり、この順で移行します。(とても重要)
①VIX急騰=米国株式市場が急落し、多くの投資家が今後、米国株が大きく下落すると不安を感じている
②VIX急落=米国株式市場の急落が落ち着き、反発もしくはもみ合い相場に移行。多くの投資家に安心感が広まり始める。
③VIX低推移=米国株式市場が完全に落ち着きを取り戻した状態。多くの投資家が当面は大きな下落の心配をせずに安心している。
このあたりは言葉で説明するよりもVIXの値動きを見てもらったほうがイメージが湧くと思います。
直近で一番、記憶に新しいコロナショック前後のVIXのチャートを見てみましょう。
米国株式市場が暴落したことで、VIXが急騰しました。(①)
そして、株式市場が大きく下げすぎたことで反発し、投資家心理も改善し、VIXが急落しました。(②)
その後は、米国株式市場は堅調に推移し、さらなる投資家心理の改善につながり、VIXは低位を推移しました。(③)
VIXは基本この繰り返しです。ある意味、投資家心理の変化(サイクル)を表していると言えます。そして、より長期のVIXのチャートを見ると以下のようになっています。
このVIX(投資家心理)をどうトレードに活かすのか。
残念ながら、VIXが急騰するタイミングを予測するのは不可能です。(株式市場が急落するのを予測するのと同じ)
しかし、確実にわかることがあります。
それは、VIXが大きく上昇し、投資家の不安心理がピークに達すると、必ずVIXは急落してくる(投資家心理は改善してくる)ということです。そして、急落してきたVIXはしばらくの間、低位を推移するということです。(②と③の部分)
このVIXの急上昇後の急落(②)とその後の低推移(③)を利益に変えるのがVIXトレードです。
VIX(投資家心理)をトレードで利用することの最大のメリットは、投資家心理(投資行動)は、基本的に今も昔も、将来も変わりません。
想像してみてください。
相場が暴落しているにもかかわらず、投資家が誰もパニックを起こさず、株を保有し続けるようなことがあるでしょうか?(株式市場が暴落しているにもかかわらず、VIXは低推移するか?)
相場の暴落が終わり、反転し始めたにもかかわらず、投資家がずっとパニックを起こし続け、株を売り続けるようなことがあるでしょうか?(VIXが急騰後の高値を維持するか?)
まず起こりえない現象です。ですので、VIXトレードは今後も長く使えるトレードなのです。
と、ここまで話をすると、早速VIXをトレードしたいと思う方もいると思いますが、残念ながらVIX自体は指数なので、取引することができません。
その代わりに、このVIXの値動きと関連する銘柄があるので、VIXトレードスクールでは、その中でも米国VIベアETFという銘柄をトレードします。
VIXに連動する銘柄を取引すると言われても、VIXトレードのイメージがさっぱり湧かないという人もいると思います。
取引方法は株式トレードやFXトレードと大して変わらないのですが、実際にあなたがトレードすることになる画面を見てもらったほうがイメージが湧くと思いますので、トレード画面(PC)を載せておきます。
GMOクリック証券の取引画面はとても使いやすいので、PC操作が苦手だと言っていたスクール生でもミスすることなくトレードできています。(スマホやタブレットでも取引可能です。)
まず、あなたの常識をひとつ覆すことになる事実をお話ししたいと思います。
VIXの値動きに関連する銘柄というのは、あなたが今までに見たことのないような値動きをする銘柄が存在します。
もう少し具体的に言えば、、仕組み上、下落していくように設計されている銘柄や仕組み上、上昇していくように設計されている銘柄が存在するということです。
下のチャートを見てください。これは2015年初め~2018年初めまでの米国VIブルETFという銘柄のチャートです。
どうでしょう?今まで見たことのないチャートの形状をしていませんか?
ここで重要なのは、たまたま、この銘柄の調子が悪くて、右肩下がりのチャートになっているわけではないということです。これは、仕組み上、下落していくように設計されているため、このような形状になっています。
厳密にはVIXが、前述の図でいう、①のときは上昇し、②や③のときは下落するように設計されています。
そして、この米国VIブルETFには真逆の値動きをするインバース型の銘柄があります。(厳密には少し違いますが、理解しやすくするため)
それが、今回トレードする米国VIベアETFです。米国VIブルETFは仕組み上、下落していきます。そのインバース型ということは、、、VIXが①のときに下落し、②や③のときは上昇するように設計されています。実際にチャートを見てもらったほうがいいですね。
では、同じく2015年初め~2018年初めのチャートを見てみましょう。
一見すると、普通の株式チャートでも見るような形状をしています。ただし、前提を忘れてはいけません。米国VIベアETFは米国VIブルETFの真逆の値動きをする銘柄です。
株も確かに右肩上がりに上昇することもありますが、それはたまたま経済が好調だったからであり、仕組み上、右肩上がりに上昇したわけではありません。
つまり、米国VIブルETFが仕組み上、下落するように設計されているのであれば、インバース型の米国VIベアETFは仕組み上、上昇するように設計されているということです。
VIX指数という特徴的な指数に関連する銘柄だからこそ、下落するように設計されていたり、上昇するように設計されている銘柄が存在するのです。
なぜこのような値動きをするのかというと、「保有するVIX指数先物の満期を一定にするために、第一限月のVIX指数先物と第二限月の先物をロールオーバーすると、通常、期近の先物の方が、期先の先物よりも価格が安いため、ロールオーバーするたびに減価していくから」です。
この説明を聞いて、「?」が何個もついた方。安心してください。大抵の人はこれをパッと聞いても理解できません。というよりも理解できなくても大丈夫です。
車のアクセルと一緒で、「アクセルを踏めば、前に進む」ことを知っていれば、「なぜアクセルを踏むと車が前に進むのか」その仕組みを理解していなくても運転ができるように、「米国VIベアETFが仕組み上、上昇していく」ことを知っていれば、「なぜ米国VIベアETFが仕組み上、上昇していくのか」を知らなくてもトレードで勝つことはできます。
※トレードスクールではこのあたりの仕組みも詳しく解説しています。
今までの話を聞くと、じゃあ、トレードせずとも、買って放っておけばいいんじゃないの?と思うかもしれません。ただ、良い面があれば、悪い面があるもの。米国VIベアETFにも弱点があります。
それは、仕組み上、上昇していく設計にはなっていますが、ときどき大きく急落することがあります。これはチャートを見てもらったほうが早いでしょう。
例えば、記憶にも新しいコロナショックのときにどれくらい下落したかをチャートで見てみます。
2020年の2月ごろまでは右肩上がりに上昇していましたが、コロナショックで急落しています。
1/21の高値69.74から3/18の安値24.02まで下落したので、約65%の下落です。その後は、また本来の動きを取り戻しましたが、これが米国VIベアETFの弱点です。普段上昇する分、下落するときはそのインパクトが大きいのが特徴です。
なので、単純に買って放置しておけば、利益が出るわけではなく、タイミングよく売買する必要があるということです。
ここまでだと、まだどうやってトレードするのか、モヤっとしていると思います。そこで、実際のチャートを見ながら、VIXトレードを体感してもらおうと思います。
※ここでは、正確にトレード法を記載すると私のノウハウがバレてしまうので、あくまでもイメージだと思ってください。
まず米国VIベアETFが急落した2019年1月ごろ米国VIベアETFを買っていきます。買うタイミングは簡単な四則演算で計算して算出できるようになっていますので、「そろそろ上がりそうだから買ってみようか」「いや、もう少し待った方がいいかな」といったあなた自身の裁量で判断する必要がありません。
あなたは計算で導かれた価格まで米国VIベアETFが下落してきたら、ただ買えばいいということです。(VIX急騰①)
ちなみに、その計算式は、私が計算してもあなたが計算しても同じ答えになるようにしてあるので、あなただけ的はずれな価格で購入して損する心配もありません。
そして、米国VIベアETFが上昇していくのをじっくりと待ち(VIX急落②、VIX低推移③)、2019年の8月初めに大きく下落し始めたタイミングで売り抜けます。売るタイミングも簡単な四則演算で計算できますので、あなただけ的外れなタイミングで売却して利益をとりこぼす心配はありません。
続いて、大きく下落した2019年の8月中旬に再度、買っていきます。(VIX急騰①)ここでも計算式で算出したタイミングで買っていきます。なので、いつ買おうか迷うことはありません。あなたは計算式で算出された水準まで米国VIベアETFが下落したら、買うだけです。
そして、米国VIベアETFが上昇していくのをじっくりと待ち(VIX急落②、VIX低推移③)、2020年の2月のコロナショックが始まったタイミングで売り抜けます。
そして、コロナショックで落ち切った2020年3月以降で、また計算式で算出されたタイミングで米国VIベアETFを買っていきます。(VIX急騰①)そして、売りのサインが出た6月頃に売却します。
このように、米国VIベアETFが上昇していく設計になっていることをうまく利用して、買うタイミング、売るタイミングをあなたの予測が入らないように計算式で算出できるようにしているので、予測を一切しなくてもトレードで勝てるというわけです。
これがVIXトレードの真髄です。
トレードというのは、もちろんどの銘柄を選ぶのかというのも非常に重要な要素ではありますが、株でもFXでもその他のどんなトレードでも共通するトレードの核となる考え方も身に付けていなければいけません。
試しにVIXトレードを自分で挑戦してみようと思う方は、次のチェック項目に答えてみてください。少なくともこの項目に答えられないと、勘に頼ったトレードになってしまうので、VIXトレードで成果を出すのはまず無理です。
いかがでしょうか?
「予測しなくても上昇していく銘柄なら勝てるかも。。。。」と思いませんでしたか?
私自身は、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析をいくら時間をかけても相場を予測できるようにならず、「それなら、そもそも予測しなくても勝てる銘柄はないんだろうか?」と探し始めたのがきっかけで米国VIベアETFに出会いました。
今回はあくまでもVIXトレードの概略だけをお話ししましたが、少しでもVIXトレードの可能性を感じてもらえたら、うれしく思います。