12章:プット・オプションで利益を出す方法とは?

この章では、ここまで学んできた知識を総動員して、①プット買い②プット売りで、どんな取引をすれば利益が出るのか具体的にお話しします。

今日の話も、オプションで勝てるようになりたいのであれば、絶対に押さえておかなければいけない知識になります。

ただ、繰り返しになりますが、1回ですべてを理解するのは不可能ですので、なんとなくわかれば今の段階ではOKです。

また、プット売りのほうが実際のトレードでは圧倒的に良く使うので、まずそちらを優先して覚えましょう

「プット買い」で利益が出るパターンと損失が出るパターン

(1)満期日に、日経平均が予想価格(権利行使価格)を下回る。

まず1つ目の利益の出し方について解説していきます。

2021年8月20日(現在)の日経平均が28,000円として、「満期の2021年9月10日には、日経平均が25,000円を下回るだろう」とあなたが予想したとします。あなたはそこで、予想価格(権利行使価格)25,000円のプット・オプションを買いました。

そして、2021年9月10日に日経平均が25,000円を下回った場合、あなたの予想は当たったことになりますので、プット・オプションの権利が発動して、報酬を得られます。

逆に、2021年9月10日に日経平均が25,000円を下回らないと、あなたの予想は外れたことになり、プット・オプションの権利は発動しませんので、あなたの負けということになります。※満期前に25,000円を下回っても意味はなく、満期時点で下回っていることが必要です。

勝った場合は、プット・オプションの購入費用よりも多くの報酬を得ることができ、負けた場合はプット・オプションの購入費用は戻ってきません。

満期で勝敗がつくと、また約1か月後に、満期が設定されますので、その満期時点で日経平均が下回りそうな水準を予測してプット・オプションを買うかどうかを決めていきます。

(2)買ったプット・オプションを満期前に売却する。

2つ目の利益の出し方は、①で自分が買ったプット・オプションを満期前に売却して利益を出す方法です。

今回の例で言えば、予想価格25,000円のプット・オプションだと考えてください。日経225オプションでは、以下のグラフのように日経平均の値動きや満期までの日数によって、プット・オプションの価格が毎日変動します。

そのため、自分が購入した価格よりも、プット・オプションの価格が上昇しているときに、売却することができれば、あなたは利益を得られます。

仮に2万円で買ったプット・オプションが3.3万円に値上がりしたタイミングで売却すれば、1.3万円の利益が出るということです。逆に2万円で買ったプット・オプションを1万円で売却することになれば、1万円のマイナスになるということです。

「プット買い」の損益のまとめ

改めてプット・オプションの買いについてまとめると、利益を得る方法は2つあり、

①満期時点の日経平均があなたの予想していた価格を下回ったとき。

②満期が来る前に、プット・オプションが購入価格よりも値上がりした時点で売却したとき。

損する場合も2つあり、

①満期時点の日経平均があなたの予想していた価格まで下落しなかったとき。

②満期が来る前に、プット・オプションが購入価格よりも値下がりした時点で売却したとき。

になります。

続いて、プット売りについて解説していきます。

「プット売り」で利益が出るパターンと損失が出るパターン

(1)満期日に、日経平均が、予想価格(権利行使価格)を下回らない。

まず1つ目の利益の出し方について解説していきます。

2021年8月20日(現在)の日経平均が28,000円として、「満期の2021年9月10日までに、日経平均が25,000円は下回らないだろう」とあなたが予想したとします。あなたはそこで、予想価格(権利行使価格)25,000円のプット・オプションを売りました。

そして、2021年9月10日に日経平均が25,000円を下回らなかった場合、あなたの予想は当たったことになりますので、報酬を得られます。

逆に、2021年9月10日に日経平均が25,000円を下回ると、あなたの予想が外れたことになりますので、あなたの負けということになります。※満期前に25,000円を下回っても意味はなく、満期時点で下回っていないことが必要です。

勝った場合は、プット・オプションを売ったときの価格分がそのまま報酬として手に入ります。負けたときは、日経平均がどれだけ25,000円を下回ったかで支払わないといけない金額が変わってきます。

満期で勝敗がつくと、また1か月先に、満期が設定されますので、その満期時点で日経平均が下回らないであろう水準を予測してプット・オプションを売るかどうかを決めていきます。

(2)売ったプット・オプションを満期前に買い戻す。

2つ目の利益の出し方は、売ったプット・オプションを満期前に買い戻して利益を出す方法です。

プット買いのときにも説明しましたが、予想価格25,000円のプット・オプションの価格は、以下のグラフのように日経平均の値動きや満期までの日数によって、毎日変動します。

そのため、プット・オプションを売った価格よりも、プット・オプションの価格が下落しているときに、買い戻すことができれば、あなたは利益を得られます。

仮にオプション価格が4.2万円の時に売ったプット・オプションが、2万円に値下がりしたときに買い戻せば、2.2万円の利益が出るということです。

逆にオプション価格が4.2万円で売ったプット・オプションが値上がってしまい、8.2万円で買い戻すことになれば、4万円のマイナスになるということです。

「プット売り」での損益のまとめ

改めてプット・オプションの売りについてまとめると、利益を得る方法は2つあり、

①満期時点の日経平均があなたの予想していた価格を下回らなかったとき。

②満期前に、プット・オプションを売った価格よりも値下がりしたタイミングで買い戻したとき。

損する場合も2つあり、

①満期時点の日経平均があなたの予想していた価格を下回ったとき。

②満期前に、プット・オプションを売った価格よりも、値上がりしたタイミングで買い戻したとき

になります。

プット・オプションも、①満期時点での損益の話と、②満期前に決済して取引を終わらせたときの損益の話の2つがあります。

オプションの教科書やYoutube、ネット記事などでよく解説されるのが、『満期時点での損益の話』ですが、正直なところ、満期時点での損益に話は実践の場ではほとんど参考になりません。

なぜなら、満期時点までポジションを持ちこすことがないからです。

それよりも満期前に決済して取引を終わらせることが一般的です。

さて、ここまでがプット・オプションの取引イメージでした。

トレードで利益を出すためにはこの考え方は習得する必要があるので、何度も読み返してくださいね。

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