VIX、VSTOXX、日経VIなどの恐怖指数を算出するときに
必ず使われているのがインプライド・ボラティリティ(IV)です。

ボラティリティは様々な投資で変動幅を表す指標として使われ
ているため聞いたことがある人も多いと思いますが、インプライド
・ボラティリティ(IV)は全く別物と考えてください。

オプション取引をしたことがない人にとっては、初めて聞く
言葉かもしれませんが、恐怖指数の仕組みを理解する上では
必ず知っておきたい言葉です。

今日は、インプライド・ボラティリティ(IV)について徹底解説
していきます。

インプライド・ボラティリティ(IV)とは?

まずインプライドとはどのような意味なのでしょうか。

インプライドとは直訳すると「暗に示す」「予言する」といった
意味で、インプライド・ボラティリティ(IV)のことは予想変動率
と言ったりします。

ただし、このインプライド・ボラティリティを見れば、将来を
予測できるのかというとそういうわけではありません。

あくまで、投資家の購入しているオプションの価格から変動を
逆算して、算出していますので、投資家が現時点で考えている
心境といった意味のほうが近いかもしれません。

オプショントレーダーの心理状態や思惑がオプション価格に反映
され、そのオプション価格をもとに、インプライド・ボラティリティ
が算出されているということになります。

一般的に使われるボラティリティというのは、過去数日間や1年間
の価格をもとに算出されるものであり、あくまでの「過去」のデータ
から算出した変動率を表すものでしかありません。

しかし、インプライド・ボラティリティというのは、「現在」の
投資家の思惑を考慮して算出される変動率なので、投資をするとき
に役立つのです。

インプライド・ボラティリティ(IV)の値動きの特徴

では、インプライド・ボラティリティ(IV)がどのような
状況になると上昇するのかを考えてみます。

結論から言えば、インプライド・ボラティリティ(IV)は上下に
・資産が大きく上下するほど、大きくなると考えてください。

ですので、毎月10%右肩上がりに上昇する指数よりも、毎月
上下に10%上下する指数のほうがIVは大きくなります。

ここで一つ注意していただきたいのが、VIX、VSTOXX、
日経VIといった恐怖指数は各オプションのインプライド・
ボラティリティ(IV)を活用して算出はされているのですが、
使い方は異なります。

これを理解しておかないと何をやっているのか自分でも
よくわからなくなってしまいます。

VIX、VSTOXX、日経VIも基本的には同じロジックで算出されて
いますので、今回は日経VIを例にとって説明してみたいと思います。

インプライドボラティリティ(IV)と日経VIの違い

日経VIは日経225オプションのインプライド・ボラティリティを
活用して算出していますが、使われ方は以下のように異なってきます。

日経225オプションのインプライド・ボラティリティ(IV)は
プット/コール、限月、権利行使価格によってそれぞれ固有の
IVがあります。

以下の表は2019年6月限の日経225のコール・オプションのIVです。
ご覧のとおり、権利行使価格ごとに異なるIVが計算されています。

権利行使価格 IV
・・・・・
22,000 17.42
21,875 16.71
21,750 16.57
21,625 16.18
21,500 15.98
・・・・・

一方で日経VIの場合は、期近の日経225オプションのOTM側の
オプション価格をまとめて算出し、市場全体のVIを計算するのが
日経VIです。

OTM(アウト・オブ・ザ・マネー)というのは、例えば
日経平均が20000円だったとすると、権利行使価格が
20000円以上のコールと20000円以下のプット・オプション
のことです。

そして、使い方もかなり違っています。

IVの場合は銘柄ごとの比較に活用します。例えば、同じ2019年6月限
のコール・オプションで22,000円のIVと21,500円のIVを比較したり、
ATMから同じ距離だけ離れたコール・オプションとプット・オプション
のIVを比較したり、限月が異なる同じ権利行使価格のオプションのIVを
比較して使います。

優位性があるトレードができそうかを判断するわけです。

一方、日経VIの場合は、今後日経平均株価がどのように
推移しそうだと投資家が考えているのかを推測すること
ができます。

IV 日経IV
計算方法 オプション・モデル 簡単な計算の繰り返し
計算対象 対象ごと OTM側のオプション価格
使い方 銘柄ごとの比較 変動の予測
対象期間 満期まで 今から30日間

まとめ

いかがでしたでしょうか?

少し難しい話が続きましたが、インプライド・ボラティリティ(IV)は
一般的に使われているボラティリティとは違うこと。現時点での
投資家の心理を表しているので、今後の相場予測に活用できること。

原資産が上下に大きく動く可能性が高いと投資家が考えているとき
ほどIVも大きくなること。あたりを抑えておけば十分でしょう。