投資基礎力UP

投信運用の出口戦略はどうするべき?最終的に行き着いた私の出口戦略とは。

「投資信託はインデックスファンドを定期的に購入し、長期保有すればよい」というように「買いのタイミング」というのは、たいていの投資家にとって正解の方法が存在しています。

一方で、出口戦略(売却のタイミング)については誰にでも共通した正解がありません。

そのため、多くの投資家が「投資信託っていつ売ればいいの?」「売った後はどうすればいいの?」と頭を悩ませています。

出口戦略は、目標金額やリスク許容度、投資金額等で変わってくるため、一人ひとりが自分に合った方法を考える必要がありますが、今日はそのヒントが見つかるように私が考える投信運用の出口戦略をお話したいと思います。

私の出口戦略とは?

まず初めに私がどのような出口戦略をもって、投資信託を運用しているかをお話しします。

私の出口戦略はいたってシンプルです。

私の場合、時期や期間については特に目標を定めていません。

これは、毎年予期せぬイベントが起きて、運用に回せる資金が変わりますので、あまり期間に拘っても仕方ないと思っているからです。

そのうえで、唯一設定しているのが目標金額で2000万円としています。

2000万円貯まるごとにお手頃な中古マンションを購入し、投信運用から不動産投資に資産を移しています。

家賃収入も現状、特に使う予定はありませんので、投資信託の積立資金や他の投資に回して、また2000万円を貯めるのに使っています。

不動産は私がよく知っている都内エリアの中古マンションが中心です。

利回りが高くなるので一棟アパートなども検討しましたが、友人・知人で苦労した話をよく聞いていたのと、エリアの分散ができなくなるので、断念しました。

このように、ある一定金額に達したら、自分でコントロールができない投資(投資信託)から自分でコントロールができる投資(不動産投資)へと切り替え、より安定収入に移行させるというのが私の投信運用の出口戦略になります。

私の場合、トレードで毎年安定して勝てるようになっていることもあり、出口戦略として、資金の一部をトレードに振り分けることもあります。

さて、これが私の出口戦略ですが、あなたがこの方法を無理にマネする必要はありません。

出口戦略というのは人それぞれ変わってくるものです。

ですが、出口戦略を考えるポイントは、参考になると思いますので、なぜ私がこのような出口戦略をとっているのか、そのポイントをお話しします。

投信運用の出口戦略を考える上で重要な3つのポイント

私が出口戦略を考える際に重要しているポイントは3つあります。

自分のリスク許容額から逆算して、運用金額の最大額を決める。

まず知ってほしいのですが、投資の世界は「机上の論理が実践の場では役に立たない」ことがよく起こります。

特に「人の感情」というのは厄介で、投資判断に多大な影響を与えます。

相場暴落時は、保有を続けるのがセオリーですが、怖くなって、底値付近で売却してしまう人が多発するのが良い例ですね。

そのため、常に平常心で投資判断できるような状態を意識的に作っておくことが必要です。

自分が平常心でいるかそうでないかは簡単に判断する方法があります。

例えば、相場が大きく下落した時、普段は何もしないのに、毎日何度も基準価額を確認するようになったり、将来の株価がどうなりそうかニュースを読み漁ったり、ネットのコメントを読み漁ったりしてしまっていたら、あなたは平常心ではなくなっています。

こうなると、普段の仕事や私生活でイライラしたり、気分が盛り下がったりと投資以外の分野にも影響が出るので、要注意です。

ここで重要となるのが、リスク許容額という考え方です。

リスク許容額とは、一時的に評価損を抱えても平常心でいられる金額の最大値です。

※一時的な評価損なので、長期保有をしていれば、プラスに転じる可能性もあります。

私の場合はそれが約1000万円です。

過去に、投信運用していて、一時的にでも評価損が1000万円を超えると、気が気でなかった経験があるため、これくらいだと思っています。

ですので、私の場合は、投信運用で、一時的にでも1000万円の含み損を抱え込まないように運用したほうが良いということです。

株式ファンドであれば、リーマンショックやコロナショックのような大きな下落相場が来ると、一時的に30~40%下落することがあります。

そこから逆算すると、最大で3000万円くらい(3000万円×30%=900万<1000万)までは株式ファンドを保有しても慌てずに運用が続けられそうだと計算できます。

よく他のブロガーの方やYoutuber、著名なFPの方が投資信託は一生保有を続けて、必要な分だけ取り崩せばいいというようなコメントをしているのを見かけます。

これは理論上では確かにそうなのですが、人の感情が入ってくるとそう簡単にできません。

リスク許容額を超える含み損を抱えた状態で、普通に生活するというのは思った以上に苦痛ですので、たいていの人は、含み損の大きさに耐えられず、売却することになるのです。

ですので、私は2000万円という自分の身の丈にあった以上の金額を投資信託では運用しないようにしています。

このように自分の許容できる上限額に到達したら、売却するというのは出口戦略を考える上で有効な基準になります。

投資信託の保有比率を徐々に下げる。

2つ目のポイントは、投資信託の保有比率を徐々に下げるということです。

資産活用期(リタイア後、今まで貯めてきた資産の範囲でやりくりする時期)に近づけば近づくほど、投資信託のように毎年の利回りが+10%、▲10%、▲5%、+15%、▲5%、+25%とプラスにもマイナスにも変動が振れる運用よりも、+3%、+3%、+3%、+3%、+3%、+3%のように毎年安定してプラスのリターンを生み出せる投資のほうが安心できます。

ですので、投信運用で一定額が貯まるごとに、運用の利回りをコントロールできない投資から、自分でコントトールができる投資に資産を移し替えています。

コントロールできる投資とコントロールできない投資というのは、初めはなかなかイメージがつかないかもしれませんが、この質問に答えてみるとわかるかもしれません。

あなたが運用している投資商品は、昨年と同程度のパフォーマンスが期待できますか?

  • ほぼ間違いなく期待できる
  • まぁ期待できる
  • どちらともいえない
  • あまり期待できない
  • まったく期待できない

不動産投資の場合、家賃収入は借主が退去しない限り、毎月安定して入ってくる収益です。

仮に、退去したとしても、エリアの選定がしっかりできていれば、空室期間なく入居者を探すことができるので、来年もほぼ同じ利回りは達成できます。

なので、①か②という回答になりますね。

このように自分の努力で利回りをコントロールして、安定運用ができる投資を「自分でコントロールができる投資」と言います。

一方、投資信託はどうでしょうか。

①か②と答える人がいたとしたら、それは投資信託に夢を見すぎです。

投資信託は長期ではプラスのリターンが期待できますが、単年のパフォーマンスはプラスになるかマイナスになるかは相場次第です。

ですので、実際は③という回答になるでしょう。

あなたがいくらお金持ちでも、相場を操縦することはできませんので、こういった投資を「コントロールできない投資」と呼んでいます。

自分でコントロールできる投資とコントロールできない投資の差はこういうことです。

コントロールできる投資は来年以降の運用の見通しが立てやすく、また予期せず、資産が大幅に減る心配もありません。

なので、徐々に投資信託の保有比率を下げ、コントロールできる投資を増やすというのは、出口戦略として検討すべき価値があると思います。

ちなみに自分でコントロールできる投資は不動産以外にも色々ありますので、このあと紹介します。

毎月、毎年入ってくる投資収入を増やす

これは②の部分に重なってくるところですが、リタイア後の生活で一番、安心できるのは年金のような毎月必ずもらえる収入です。

私たちは、毎月給料をもらうことが体に染みついていますので、この受け取り方が一番安心できるのです。

「今までに貯めてきた資産を毎月取り崩すのと変わらないじゃないか」と思うかもしれませんが、資産が毎月どんどん減っていくのと、資産は減らずに配当収入を受け取るのでは全く心理的な影響が違います。

前者の場合、「もし長生きしたら・・・」「もし大きな病気にかかったら・・・」と常に不安がよぎるため、お金を節約してしまい、リタイア後の人生を謳歌できない人がとても多いのです。

年金以外にも年金のように毎月、毎年自分の手元に入ってくる収入で生活できるようになれば、お金の心配を減らすだけでなく、より豊かな老後生活が送れます。

いかがでしょうか?

この3つのポイントを抑えながら、あなたの投信運用の出口戦略をぜひ考えてみてください。

最後に、コントロールできる投資というのは何も不動産投資だけではありません。

他にどのような投資があるのか紹介して終わりたいと思います。

自分でコントロールできる投資にはどんなものがある?

不動産投資

まず、最も定番の出口は不動産投資です。

1000万円でマンションを購入し、月6万円の家賃収入を受け取るイメージです。

地価が下がりにくく、アクセスのよいエリアに物件を購入すれば、大きな失敗はまずないのが不動産です。

内装にこだわって、自分でリフォームすれば、家賃収入をあげることもできますし、家賃収入をあげるために色々と工夫ができるのが面白いですね。

不動産価格はリーマンショック級の下落が来たとしても、エリアを間違えなければ、ほとんど値崩れしませんので、安定収益という意味では、鉄板の手段になります。

ただ、ある程度まとまった資金が必要となってくるので、すぐに始められるという人は少ないかもしれません。

高配当株投資

2つ目は配当目当ての株式投資です。

米国には年4~5%の配当を20年、30年と出し続けている優良株式がいくつもあります。※日本にもあります。

コカ・コーラ、アッヴィ、デューク・エナジーなど、調べればいくつもの銘柄が見つかります。

株と聞くと、少しリスクが高いように感じる人もいるかもしれませんが、

20年、30年と増配しているような超優良企業は、大型銘柄が多いので、値動きは比較的小さく、配当利回りも大きく変動しない銘柄がいくつもあります。

こういった高い配当利回りの銘柄を、少しずつ買い足していくというのは、有効な出口戦略になります。

厳格なルールのあるトレード

3つ目がトレードです。

トレードと聞くとリスクが高いイメージを持っている人も多いかもしれません。

しかし、厳格なトレードルールに基づき、利益を狙っていくトレード戦略をとれば、投信よりもはるかに手堅く収益を得ることができます。

私も出口戦略の1つとして、日経225オプショントレードをやっており、安定した収益を上げることができています。

自分で毎月安定して稼げる投資が1つ増えるだけでなく、相場が下落している局面でも利益を得られるので、とても重宝しています。

事業投資

成功すれば、高い利回りと安定性の両方が実現できるのが事業投資です。

ただ、相当な経験と資金がないといきなり始めるには難易度が高いので、また別の機会に詳しくお話しします。

まとめ

いかがでしょうか?

これが私が考える投資信託の出口戦略の全体像です。

チェックリスト

  • 自分のリスク許容金額から逆算して、投信運用の最大額を決める。
  • 投資信託の保有比率を徐々に下げ、自分でコントロールできる投資の比率を高める。
  • 毎月、毎年入ってくる投資収入を増やす

ぜひ、あなたの出口戦略を考える際に役立ててください。

最後に、もう1つお伝えしたいことがあります。

それは、自分でコントロールする投資というのは、投資信託とは違い、一朝一夕で身につくものではありません。

不動産であれば、少額の不動産を買って運用してみたり、高配当株も少額で買ってみたり、少額から株式トレードを始めてみたりと、小さくスタートし、経験を積んでから、大きくしていくのが定石です。

ですので、投信運用と並行して、少額でいいので、出口の運用として使える投資の経験値を貯めるようにしてください。

とはいえ、いまいち何から始めて良いかわからないと言う人も多いと思います。

そういう人は、まず日経225オプションのトレードをスクールで学んでみてはいかがでしょうか?

オプション未経験者の方も初月から利益を出せますし、相場が下落していても利益を得ることもできます。

不動産、高配当株に次ぐ、第三の安定収入を得られる投資先になると思いますよ。

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ネコみたいに気楽に生きたい投資マニア いのねこ

【理論より実践】で役立つ投資情報を配信中。投資歴20年超。元大手証券マン。投資経験は100案件超。 【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング/プライマリープライベートバンカー/MBA/証券外務員一種/宅地建物取引士/AFP/相続診断士/競売不動産取扱主任者/

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