投資詐欺を見破る極意

魑魅魍魎の群がるハイリスク・ハイリターン投資の世界で多くの投資家がカモにされる理由

このブログの読者の方は、株式や投資信託、債券とい
った投資の第一歩目としてセオリーの道を歩んでいる
人が多いと思います。

しかし、投資を始めると今まで見たことも聞いたこと
もない投資案件に必ず出会います。

それは、友人・知人からの紹介かもしれませんし、
インターネットの広告がきっかけかもしれません。

今まで株や投資信託、債券といった基本的な投資しか
経験のない人にとっては、今まで聞いたこともない投資
案件は非常に魅力を感じてしまうものです。

しかし、大抵の場合、リスクをまともに測れずに情報
強者である投資詐欺師の言うがままにコロリと騙され
てしまう例が後を絶ちません。

直近でも80億円以上集めたSENERが飛んで、トップ達
が捕まりましたね。

株式、投資信託、債券、不動産などは周りでも投資を
している人も多いですし、不動産で失敗しない方法や、
株・投資信託・FXで失敗しない方法について書いた書籍
も多数あります。

ですので、投資で失敗しないための方法も事前に学ぶこと
ができます。

しかし、近年では、ビットコインの運用やタイ・モンゴル
での鉱山開発、クレジットカードの決済端末・ワイン投資
など、見るからにハイリスク・ハイリターンの怪しい投資
案件が次々と出てきています。

このような案件は、熟練投資家の目から見れば、明らかに
リスクが高すぎる案件とわかるものの、投資経験の浅い方
には、リスクとリターンの関係や、適切なリスクの取り方
がわかりません。

そのため、甘い言葉に誘われ、「この投資を始めれば、
自分の将来が劇的に変わる!」と思い、いきなり大きな
金額を投資して、見事に失敗してしまうのです。

イメージを揃えておきたいので付け加えておくと、私が
ハイリスク・ハイリターン投資と言っているのは、株、
投資信託、債券、不動産以外で年利10%以上の案件と
お考え下さい。

例を挙げればキリがありませんが、食品事業オーナーの
ケフィアやワイン投資ファンドのヴァンネット、仮想通貨
マイニング投資BitClubなどです。近年流行りの仮想通貨
やICOも該当します。

ソーシャルレンディングは利回りは10%ありませんが、
ハイリスク・ハイリターン投資と考えていただいて問題
ありません。

なぜ投資詐欺にひっかかる人が後を絶たないのか

では、なぜこのようなハイリスク・ハイリターン案件に
投資をして大損をくらう人が後を絶たないのでしょうか。

まず一つ目として、悪質な営業手法をしっかり取り締ま
れていないということです。例えば、株式、投資信託、
債券などの金融商品は証券会社を通じて購入します。

証券会社は、一般顧客にこのような商品を販売するため
に第一種金融商品取引業や第二種金融商品取引業など
免許を取得する必要があり、免許取得には費用も時間も
かかります。

また不動産を売買するのであれば、宅建業の免許を取得
しないといけません。つまり、金融商品取引業や宅建業
のルールに則り、営業活動しなければならないのです。

もちろん、業法に違反をすれば、営業停止や免許はく奪
ということもありますので、ルールを破ってまでお客様
に商品を購入させようとはしないわけです。

このような業界では詐欺のような行為がないとはいえま
せんが、全体の取引額からみれば、かなり少ないでしょう。

一方で、年利10%以上のハイリスク・ハイリターン投資
においては、免許というものは存在しません。もしくは
免許が必要でも取得していないことも多いです。

金融商品取引法や金融商品販売法、特定商取引法等など
の制限をうける案件もありますが、営業のルールや違反
行為についての明確なルールがないため、平気で嘘を
ついたり、リスクの説明をしなかったりということが
起こってしまっているのです。

株式投資や投資信託、債券投資しかしたことがない人は、
相手の話をそもそも疑うという癖がついていませんので、
相手の話をそのまま本気にしてしまいコロッと騙されて
しまうのです。

二つ目は、投資経験の少なさです。例えば、A社の株式
を購入したことがあるZさんは、別のB社の株式を次に
購入しようとしています。

この場合、購入する上での選定基準、PERやPBR、会社
の財務体質、将来性など、過去の自分の取引経験を活か
して、株式の購入することが可能です。

また株式を購入したことがあるAさんは、その知識・
経験を活かして投資信託やETFも同じ証券口座から購入
することができます。

不動産にしても、新築、中古、一棟、区分といった違いが
あるものの、それまでの取引経験を活かすことができるの
です。

一方で、年利10%以上のハイリスク・ハイリターン投資の
場合はそうはいきません。

まず、こういった投資というのは、一つ一つの案件が全く
異なるビジネスモデルになっていることが多く、過去の
投資経験が次の投資に役立ちにくいのです。

そのため、「こういう時は投資してはいけない」という
ノウハウが蓄積されません。

その結果、今度こそ良い話に違いないと、いつも「おい
しい話」に引っかかり、資産を増やしたいはずが、資産
を減らしていく一方となってしまうのです。

そして3つ目の理由が、友人・知人から案件を紹介される
ことが多いということです。

ハイリスク・ハイリターン投資の場合、知人を紹介する
と紹介フィーがもらえる仕組みになっていることが多く、
積極的に回りに投資案件の紹介をする人が出てきます。

見ず知らずの人からの紹介であれば、怪しむ人も多いの
ですが、よく見知った人からの紹介となると、警戒心が
薄れ、ついつい投資をしてしまうというわけです。

まとめ

このようなハイリスク・ハイリターン投資にはそもそも
手を出さないというのも一つの考え方ですが、中には
本当に良い投資案件があるのも事実です。

このブログの読者さんも、株や投資信託、債券などの
投資をしており、少なくともここで「はい。もう投資
しません」と宣言するような方でもないと思います。

ですので、今日から何回かにわたって、熟練の投資家
が投資案件を精査する際に、どのようなポイントを見
ているのかをお伝えすることで、投資案件を見極める
目を養っていただきたいと思います。

どんな投資にもあてはまりますが、投資で成功するため
の秘訣は失敗を減らすこと、万が一失敗してしまったら、
失敗から学ぶことです。これにつきます。

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ネコみたいに気楽に生きたい投資マニア いのねこ

【理論より実践】で役立つ投資情報を配信中。投資歴20年超。元大手証券マン。投資経験は100案件超。 【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング/プライマリープライベートバンカー/MBA/証券外務員一種/宅地建物取引士/AFP/相続診断士/競売不動産取扱主任者/

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