ハイリスク・ハイリターン投資の話を聞いているときに、
いくつも質問を投げかけていると、怪しい投資案件のとき
は必ずと言っていいほどボロがでてきます。
そして、今まで私が質問してきた中で、まともな投資案件
でない場合、必ずと言っていいほど答えに窮する質問が
あります。
この質問にしっかりと答えられるかどうかが案件を見極
める上で、非常に有効だと思っていますので、紹介して
いきます。
では、その質問とは何なのか。
それは、「なぜこのような方法で資金を集めているのか」
という質問です。
ひと昔前までは、資金調達する方法といえば、銀行から
借りるか身内から借りるか、手段は限られていました。
しかし、現在では、多様な資金調達手段が考えられます。
金融機関、ソーシャルレンディング、ICO、社債発行など。
もし、あなたがビジネスを始めるために、1億円借り入れ
るとしたときに、金利12%で資金を貸してくれる相手と
金利2%で資金を貸してくれる相手がいたとして、どちら
を選びますか?
年間1200万円の利息の支払いと年間200万円の利息の
支払いですから、当然、金利2%(年間200万円の利息
の支払い)を選びますよね。
これと同じで、投資案件を作っている側(資金を集めて
いる側)の人間からすれば、資金調達するときの金利は
低ければ低いほど、利息の支払いが減りますので、安定的
な運営ができるということです。
逆に調達金利が高ければ高いほど、毎月大きな利息の支払
いが発生しますので、赤字経営に陥る可能性が高くなる
わけです。
つまり、あなたから高い金利で資金調達するということは、
あなたへの利息の支払いが大きくなりますので、それだけ
リスクの高い資金調達手段を用いているということなのです。
もうあなたもお気づきかと思いますが、銀行から金利2%
台で借りられる時代にもかかわらず、あなたから金利12%
で資金を借りようとするということは、何かしら銀行から
借りれない理由があります。
もちろん、実績を評価する銀行において、新規ビジネス
ですと融資がつきにくいということはありますが、新規
ビジネスであれば、ベンチャーキャピタルや投資ファンド
から出資を受けることもできます。
それでも、高い金利で個人投資家から資金を調達しようと
するということは、投資のプロフェッショナル達が評価
しないような何か欠陥のあるビジネスモデルである可能
性が高いわけです。
また資金管理の手間から考えても、小口で多くの投資家
から集めるよりも、大口の投資家から資金を一度に集め
たほうが管理は楽です。
ですので、数万円~数十万円で投資できるような投資
案件というのは、あえて小口にする必要があるわけで、
その理由についても詳しく説明を求める必要があります。
以上のことからわかるように、配当が年10%以上の投資
案件をみたときは、第一になぜ金融機関から低金利で
資金調達をしないのか聞いてみるのがおすすめです。
まともな理由がない限り、まともな回答が返せません。
「極秘案件だから銀行や金融機関に情報を流せない」
「銀行から資金調達するには、審査など時間がかかる
から」「ほんとうに良い案件だから、銀行に儲けさせ
るのではなく、あなたに儲けさせたい」など言って
きたら、100%詐欺です。
固定の支払いが増えるのは、経営者が一番嫌がること
です。
にもかかわらず、高い金利で資金を調達する必要がある
ということは、それなりの理由があるわけです。他の
資金調達方法を知らないなどということはまずあり
得ません。
もし他の資金調達手段を知らなかったとしたら、その
時点で経営者としての資質に問題があるという判断を
することができます。
ぜひ、ハイリスク・ハイリターンの投資案件の話を聞く
機会があればこの質問を投げかけてみてください。